カウンターで、おひとり様の『昼特』
今日は、昼間の『特別会席』こと、『昼特』の御予約があり、おひとりでの御予約だったので、
カウンターに、お席をご用意しました。
基本的に、『特別会席』は、二名様からのご注文となっておりますが、お出しする料理内容次第では、一名様でも御用意することも可能です。
また、その料理内容は、お客様のご予算に応じて、自分との相談の上で、決めさせて頂いておりますので、これまでに様々な献立で御用意しており、『特別会席』の料理については、こちらを御覧下さい。
そんな今日の『昼特』の献立が、今回のお話しです。
先付は、
とうもろこしで作った豆腐のもろこし豆腐でした。
会席料理の献立では、この後、お吸い物などの御椀となるのですが、自分は、温かい料理をお出しするようにしており、お出しするのに時間のかからないからです。
また、夜のお席だと、ビールで乾杯ということも多いので、そのつまみには喜ばれることが多いこともあり、そのようにしています。
今日は、旬真っ盛りの鱧を、
天ぷらにしてお出しし、その次に、刺身の第一弾として、
ふぐ刺をお出ししたのですが、勿論ふぐは、天然のとらふぐで、静岡県舞阪産のものでした。
お客様のご希望で、鱧同様、盛りの岩牡蠣をお出しすることにしたのですが、
「軽く焼いた方が、岩牡蠣の美味しさを味わえ、個人的には、焼いたものが好きです。」と、お伝えしたところ、お客様も、「それなら、是非。」ということで、焼いたものをお出しし、この岩牡蠣は徳島県産のものでした。
このようなやり取りが出来るのも、カウンターで御食事をする良さで、お話しをすることによって、距離感が縮まり、時には、料理内容を微調整をすることもあります。
そして、刺身の第二弾として、
三種盛りをお出しし、今日の刺身は、生の南鮪(ニュージーランド)、鱧(山口)、蛸(愛知)でした。
刺身の後は、焼物で、お客様のご希望で西京焼となったのですが、
生の本鮪の西京焼をお出ししたのですが、生の本鮪の西京焼は、隠し球ともいうようなもので、それについては、こちらをお読みください。
今日の御客様は、常連さんということもあり、当店でお出ししている西京焼は勿論のこと、【西京漬】をご購入され、ご自宅でも召し上がっているのにも関わらず、唯一召し上がったことがなかったのが、この西京焼で、「鮪=刺身という考えが、変わりました。」と、ご感想を言って下さいました。
焼物の後は、蒸物の鱧しんじょう蒸し、
酢の物の白魚の胡麻酢掛けをお出しし、
白魚は、茨城県霞ヶ浦産のものでした。
そして、御食事の鱧茶漬、
デザートの苺のアイスをお出し、
おひとり様の『昼特』は、〆となりました。
おひとりで、贅沢な御食事をされる方の殆どが、「仲の良い友達と話をしながら、美味しいものを食べたいこともあるけど、タイミングを逃すと、鱧のような季節のものを、食べられなくなってしまうことが、よくあるんですよ。」と、仰います。
「行きつけのお店で、親方と女将さんと話をしながら食べるのは、食そのものを味わえ、これはこれで、楽しいものですよね。」と、続けられます。
料理というか、食事の楽しみ方は、人それぞれ、千差万別で、どれが一番んだとは断言出来ません。
ただ、料理本来の目的は、美味しく食べることですので、その手助けをするのが、あくまでも料理人です。
料理を作るのが好きで、料理人になった自分ですが、その原点は、美味しいものが好きなだけでなく、それを食べたいということで、それは今も変わりません。
しかも、今日のように、いくつかのご要望を訊いた上で、料理を作り、その反応を目の前で目にすることが出来るのは、緊張しますが、喜びであり、今後の糧でもあります。
そんな想いを忘れることなく、これからの仕事に臨む所存です。
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毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、9月6日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
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