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もっとおいしいお話し

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小肌(コハダ)の仕込み

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 小肌(こはだ)は、鮨屋さん専用の魚で、”佳肴 季凛”のような日本料理店では、あまり使いません。
 今現在、和食の世界に身を置いている自分ですが、料理の道に入ったのは、鮨屋が最初なので、小肌をはじめとする”酢〆”にする魚も、使う機会も自ずと多くなります。
 今朝も、なかなかの小肌が入荷していたので、仕入れて来ました。佐賀県・有明産です。
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 小肌の良し悪しや大きさを確認するため、どんなに寒い冬の日でも、必ず自分で小肌を、選り(より)ます。
 そんな冬の日は決まって、「親方、こっちでやりますから、・・・。」と言われる自分ですが、そんなことを、熱血料理人こと、不肖・志村が頼むわけありません。
 それどころか、「自分でやるから、気にしないで。」と相手にしませんし、もっと言うと、他人の触った魚なんて仕込む気になれないのが本当のところです。
 さて、その仕込み方です。まず鱗を包丁を使って取ります。
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 それから、頭と腹を切り落としてから、水洗いします。その後、この様に小肌を開いていきます。
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 文字通り小さい魚なので、丁寧に手早く開いていきます。
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 開き終えた小肌です。
 今度はこれらに、塩をあてます。先ず、盆ざるに塩を振り、そこに小肌を並べていきます。
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 並び終えたら、今度は身に塩を振ります。
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 これですと、どの程度塩を振ったのか、お分かりにならないので、もう少し近くでご覧下さい。
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 塩の分量は、魚の大きさ、脂の乗り具合、季節によって異なります。この小肌の大きさは、1匹が40~50グラム位です。
 今の時期ですと、大体20分位、塩を振った状態で置いておきます。その後、水洗いをして、一度使った酢(二番酢と言います。)で洗います。こうすることで、小肌の水っぽさが抜け、酢が馴染みやすくなります。
 その後、酢に漬けます。
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 今日の場合、6,7分位です。ちなみに、酢に漬ける時間は塩の三分の一が目安です。これも、魚の状態、季節によって多少変わってきます。
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 酢から上げたら、身の部分だけ昆布の上においておきます。こうすることで、余分な水分を昆布が吸い、昆布が小肌の味を引き立ててくれます。
 小肌のように、手のかかる仕事というものは、今の時代、敬遠されがちですが、こういう仕事こそ、料理人として、腕の振るい甲斐があるものです。
 こういう仕事が決して廃れることのないよう、後世に伝えるのも、料理人の使命と思って、包丁を握り続けたいものです。
  志村
 

本鮪の竜田揚げ

先日、お客さんのリクエストで、こんな料理を作りました。
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”鮪の竜田揚げ”です。日本料理店である以上、というより、”佳肴 季凛”ならではの”本鮪の竜田揚げ”です。贅沢にも、中トロを使っています。
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刺身でも、十分すぎるほどの中トロです。これを、3センチほどの角切りにします。
それを、濃口醤油と日本酒を同割にしたものに漬け込みます。
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漬ける時間は、10分です。
その後、汁から上げ、キッチンペーパーで余分な水分をふき取り、片栗粉をつけて、揚げるだけです。ただ、注意しなければならないのが、揚げ過ぎない
ことです。
刺身で食べられる、というより、刺身を揚げるのですから、中が温まれば十分です。
言うまでもありませんが、「美味しい。」の一言に尽きます。それしかありません。中トロの部分は、とろけるような感じで、赤身の部分は、コクのある味わいです。
以前、 ”鮪の串焼”のお話しをしましたが、それに匹敵するくらいの味です。
”鮪の竜田揚げ”は、お品書きには書いてありませんが、先日のお客様のように、いつでもお作り致しますので、ご遠慮なくお申し付け下さい。
志村

松居棒

 厨房の掃除は毎日するのですが、細かいところはどうしても、やらず仕舞となってしまいます。
 ガス台のコック周りもそんな箇所です。油汚れは、どうしてもたまってしまいます。
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 だからといって、やらないわけにもいかないので、手が空いている時を見計らって、やるようにしています。
 と、偉そうに言っている自分ですが、自分はどうしても仕込みをやるようになってしまうので、そういう仕事は、女性スタッフに頼むようになってしまいます。
 先日、女性スタッフの一人が、こんな道具を持って来てくれました。
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 「親方、これ知ってます?」
 「知らない。」
 「”松居棒”っていうんですけど、細かいところを掃除するための道具です。親方の料理と一緒で、私の手作りなんです。」
 ・・・”まつい”ってことは、野球選手の松井?松井は棒というより、バットだし・・・。
 ”松居棒”というのは、お掃除好きで有名な女優の松居一代さんが、考え出した掃除用の道具と、教えられました。
 ご覧になれば、どんなものお分かりになると思いますが、参考のために、こちらを。
 さて、その掃除のやり方です。
 先ず最初に、コックの部分に、油汚れの洗剤をかけます。
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 そこを、ラップで覆います。時間にして、15分程度そのままにしておきます。
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 ここで、例の”松居棒”の出番です。”松井棒”を使って、ひたすら汚れを落としていきます。
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 そうこうしているうちに、汚れも落ちました。
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 ”佳肴 季凛”に限ったことではありませんが、飲食店は料理以上に、クレンリネスに注意を払わなければなりません。
 ホールは勿論、厨房に至るまでです。ですから、自分は毎日の営業が終われば、換気扇周りなどは、ちゃんときれいにしてから、仕事を終えます。
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 というのも、汚れているままにするのが、自分自身が嫌なのと、美味しい料理はきれいな厨房で作られるべきものだと、思っていますし、道具を粗末にするようでは職人とは呼べません。
 飲食店の仕事には、このような後片付けや掃除のほうが、多いのが実際のところで、そういう部分があってこそ、初めて料理が生まれるのです。
 ”佳肴 季凛”にいらしたら、自分の料理以上に、スタッフの目に見えない努力を、覚えておいて頂ければ、有難い限りです。
  志村
 

初鰹入荷

 昨日、鮪の”ヌキ”と”モチ”についてお話ししましたが、今朝たまたまま”ヌキ”の鮪が入荷していました。先ずは、その写真を。
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 ご覧のように、エラとハラワタが抜かれています。ご参考までに。
 ところで、今朝沼津の魚市場に着くと、こんな光景が目に入ってきました。
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 足元の魚から、見当はついたのですが、近くまで行ってみました。
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 中には”鰹(かつお)”が入っていました。ここ最近、たまに入荷があります。
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 量りにかけられて、次々に並べられていきます。
 見た感じは良さそうなのですが、触ってみなければ、その良し悪しは分かりません。
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 エラを開けてみると、鮮やかな赤い色をしています。次にするのは、尻尾の部分を触れてみます。
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 鮮度が良い”鰹”は、この辺りをふれると、ザラザラします。どちらも、合格です。ということで、仕入れることにしました。もちろん、先月入荷していた”鰹”よりも、良いものでした。
 店に戻って来て、早速卸しました。”鰹”は卸してみないと、身の赤い色の出方が分からない魚なので、仕入れる時は、いつもドキドキします。
 先ずは、鱗のついている堅い皮を剥ぎ取ります。
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 堅い皮がついているから、”鰹”というわけではありませんが、加熱したり、また鰹節のように干したりして、堅くなるので、魚へんに堅いと書いて、鰹というのが、名前の由来とも言われています。
 また、”鰹”に限らず、どんな魚も卸してみなければ、実際の身の状態は分かりません。特に、”鰹”は打ち身で、血が回っていることもあります。
 今朝の”鰹”も少しでしたが、打ち身が入っていました。
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 こういう部分は、血生臭いので、包丁でこそげ取ります。
 その後は、切り付けて、盛り付けます。
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 背の部分は、皮を引き、また腹の部分は、美しい銀色を生かすため、皮付きししました。
 こうすることで、違った食感を味わえ、より”鰹”の美味しさを堪能できます。ただ、この時季の”鰹”は、脂は乗っていません。でも、本当の”鰹”の味は、この時季でしか味わえません。
 独特の風味が、”鰹”の美味しさですし、脂の乗った秋の”戻り鰹”は、それで美味しいのですが、脂が乗っている=美味しい、という考え方は、食材本来の美味しさとは、違うはずです。
 鮪のトロはトロで美味しいのは、当然ですが、赤身が美味しいからトロが美味しいのです。ですから、昨今の”トロ志向”というより、”トロ信仰”は、食材本来の美味しさから、離れているような気がしてなりません。
 熱くなりかかったついでにもう一つ。
 ”佳肴 季凛”の地元・富士市や富士宮市の多くの人たちには、”鰹”は人気がありません。何故だと思いますか?
 同じ静岡県でも、中部より西の地域では好んで食べられますし、浜松では”モチ鰹”と呼ばれ、たいへん人気があります。
 魚の流通が、今ほど良くなかった時代、沼津でも沢山の鰹が揚がっていました。その時、それほど良くない”鰹”を魚屋さんが、値段が安いことをいいことに、仕入れて、店で売っていました。
 それを食べたお客さんは、美味しいと感じないのは、当然です。ですから、”鰹”=生臭い=まずい、という図式が生まれてしまったのです。
 そのことについて、とやかく言うつもりはありません。自分は、魚に限らず、食材の持つ本当の美味しさを伝えるのが、料理人のあるべき姿であると、思っているので、それを実践しているだけです。
 そうしなければ、自分たちの業界、つまり日本料理そのものが廃れてしまいますし、さらには日本文化までもが失われてしまうのは、自明のことです。
 そうならないためにも、自分は食の大切さを伝え、日本料理の良さを伝え続けるために、”佳肴 季凛”をやり続けるのです。
 ”鰹”のお話しが逸れてしまいまい、肝心の”鰹”を忘れかけてました。
 これからの時季、”鰹”を時々仕入れます。今が旬というより、走りの”鰹”=”初鰹”を是非味わってください。
  志村
 
 

めじまぐろ

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昨日、入荷した九州・壱岐産の”本鮪”です。150キロを超える魚体です。人間で言えば、大人です。
ここ最近、壱岐で揚がるまぐろには、このような鮪だけでなく、”めじ”と呼ばれる小型の鮪も入荷しています。また、本鮪の”めじ”は”まめじ”とも呼ばれています。
ちなみに、関西では”よこわ”と呼ばれています。
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産地も様々ですが、九州方面からの入荷が多いのが、ここ最近の状況です。この写真は先週の木曜日の沼津のセリ場の様子です。
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ご覧のように、”壱岐”と書かれています。
また、その日は”きめじ”と呼ばれる”黄肌(きはだ)鮪”の幼魚も沢山入荷していました。
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全部で30本くらいありました。”黄肌”というくらいですから、その色は黄色をしています。
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この”きめじ”の産地は、伊豆・下田産です。

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”モチ”と書かれていますが、”餅”のような身をしているわけではありません。
”はらわた”が入っている鮪=内臓”モチ”という意味です。
その反対に、”はらわた”がない鮪は、”ヌキ”と呼ばれています。特に、最初の写真のような大きい鮪は、殆どというより、全て”ヌキ”の鮪です。
釣り上げた時に、えらと内臓を抜くのは、鮮度保持のためです。特に、鮪はその運動量ゆえ、血液の量が豊富です。身が赤いのは、血=ヘモグロビンの色なのです。
そのため、釣り上げた時、内臓同様に血も抜きます。血を抜かないと、体温が上昇して身が焼けてしまうのです。簡単に言うと、色の悪い鮪になってしまうのです。
この現象は、冷凍鮪に多く、延縄などで、長い間海中にいて暴れ、そのまま死んでしまった鮪なのです。
話を戻します。これらの”めじまぐろ”は、幼魚だけあって、身の色はピンク色をしていますが、味は本鮪に比べ、さっぱりしています。
”佳肴 季凛”では、仕入れることはありません。というのも、秋から冬にかけて入荷のあった”大間の鮪”、天然の”とらふぐ”をはじめ、本物の美味しさを提供したいからです。
”佳肴 季凛”の地元・富士市にいながら、東京でしか味わえないような食材を、出来る限り召し上がって頂くのが、自分にとっては何よりの喜びであるのと同時に、日本料理の美味しさを味わってもらい、日本料理という文化が後世に伝わるようにするのも、料理人の使命だと思っています。
志村
追伸 ちなみに、ここには載っていませんが、”目鉢(メバチ)鮪”の幼魚は、”ダルマ”と呼ばれています。

餃子バット

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 ご覧のように、”バット”です。ステンレス製です。
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 こちらが、そのふたです。このふたに対して、”バット”本体のことを、”み”とも呼んだりします。
 一般家庭では、”バット”よりも、プラスチック製の”タッパー”を使うことが多いかもしれませんが、我々のような飲食店では、”バット”を多用します。
 というのも、ステンレスの方が、プラスチックに比べ冷えるので、中の食材や調理したものの”もち”がいいのと、ふたとみを別々に購入できるからです。
 ”タッパー”とお話ししましたが、正確には”タッパーウェア”のことです。 ちなみに、”タッパーウェア社”という会社が製造していて、”タッパー”、”タッパーウェア”は、同社が商標登録しています。
 ところで、このバットよく見ると、こんな風に足が付いています。
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 何のために足が付いているのでしょうか?
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 切りつけた刺身です。出しっぱなしにするわけにはいかないので、盛り付けるまで、冷蔵庫にしまっておかなければなりません。
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 しまう時はこんな風に、足が付いているので、そのまま重ねられるのです。自分も初めて、この状態を見た時、「さすが、プロが使う道具は違う」と驚いたものでした。
 さらに、驚いたというか、変わっているのが、この”バット”の名前です。何という名前でしょうか?
 ”足つきバット”・・・。違います。
 正解はこちらの写真を、ご覧下さい。
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 ”餃子(ギョウザ)バット”という名前です。使い方同様、この名前にも最初、自分も驚いたものでした。
 名前の通り、焼く前の餃子を並べて重ねてしまうのが、本来の使い道です。ただ、日本料理では、先程のように使ったり、用途は様々です。
 我々プロにとっては、ごく普通に使っているものでも、一般の方には不思議に映るようです。よかったら、ご家庭でも使ってみます?
 志村
 

鰆の卸し方

昨日に引き続いて、”鰆(さわら)”のお話しです。
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魚市場の写真では、発砲スチロールに入っていました。これが、昨日仕入れた”鰆”です。
見ていると、神棚に奉りたくなる程、素晴らしい”鰆”です。とは言っても、そんなわけにはいかないので、卸さなくてはなりません。
”鰆”は魚の中でも、一二を争うほど見割れしやすい魚なので、卸す時はいつも、細心の注意を払っています。
そのため、卸す時は”鰆”を動かさないようにします。「じゃぁ、どうやって、卸すの?」と思われるかもしれません。
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片身を卸したところです。そうしたら、残りの片身を卸すためにまな板ごと動かすのです。
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間違っても、”鰆”をひっくり返したりしません。日本料理店の中には、見習いの若い子には、”鰆”だけは触らせないところもあると聞いたこともあります。
話はそれますが、鮨屋さんでは、”鯖(さば)”も”鰆”と同じ様の扱いをしているところもありますし、自分がかつて勤めていた鮨屋でもそうでした。
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卸し終えた”鰆”です。見割れしないで、卸すことが出来ました。この”鰆”にふさわしい手際です。ちょっと言い過ぎ!?
偉そうなことを言っていますが、時には身割れさせてしまうこともあります。”弘法も筆の誤り”なんて、生意気なことは言えません。
まだまだ、料理人としては未熟の身。特に、包丁捌きは一朝一夕に上達するものではありません。そのため、毎日包丁を握るようにして、いっぱしの料理人に早くなりたいものです。
志村

拾い買い

 予定通りの仕入れが終わって、沼津魚市場を出ようとセリ場を歩いていると、こんな魚が目に入ってきました。
 ”鰆(さわら)”です。”鰆”については、以前お話ししたことがあります。 下の写真手前の魚が、”鰆”です。
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 セリが終わったにもかかわらず、買い手がついていません。市場では、買い手がつくと、こんな風に、番号と問屋の名前のついた札が付けられます。
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 右手前に写っているのが、”鰆”です。ご覧のように、”鰆”には札がついていません。
 ”鰆”が”ふぐ”と同じ位好きな自分は、見向きしないわけがありません。
 早速、市場のセリ人(セリ担当の職員)に声を掛けました。
 「ねぇ、あの鰆残ってんでしょ?いくら?」
 「あぁ、そうだよ。でも高いよ。キロ、○○(円)。」
 具体的な値段も記してもいいのですが、ここではあえてお話ししません。”佳肴 季凛”にいらしたら、お話しはできますが・・・。
 「もう少し、安くしなよ。残したって、しょうがないじゃん。鮮度がいいうちに、売っちゃいなよ。安くしておけば、良いことあるからさ。」
 「・・・。」
 「じゃぁ、帰るよ。」
 「待ちなよ。△△(円)にすっからよ。」
 
 「はいよ。一本もらってくよ。」
 交渉成立です。今日のやり取りのように、売れ残ったものを買うことや、安いものを探して買うことを、料理人の世界では、”拾い買い”と呼んでいます。
 自分が欲しいとなれば、いくらでも出して仕入れます。特に、ここ最近のアオリイカはそんな感じで、その値段に自分でも嫌になります。
 今朝のように、あえて仕入れなくてもいいものは、値段次第で仕入れたりします。そうすれば、お客さんにもリーズナブルな値段で提供できます。
 魚に限らず、美味しいものを出来る限り、リーズナブルな値段で、召し上がってもらうのが、料理人のあるべき姿だと、自分は思っています。
 だからこそ、早起きして市場へ行くのです。それこそが、熱血料理人こと、不肖・志村の生命線ですというより、それを楽しんでいるのが、本当のところです。
  志村
 
 

定額給付金

 今日、ポストを開けると、こんな封筒が入っていました。
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 富士市役所から届いたものです。
 色々と物議をかもした”定額給付金”の申請書です。その是非はともかく、とりあえず封を開けてみました。
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「・・・定額給付金を希望されない場合には、・・・。」と書かれていますが、当然希望するので、申請書を出します。
 ただ、何でも人に言わなければ気が済まない”口から先に生まれた”自分は、つい”佳肴 季凛”の女将にして家内の真由美さんに、話してしまいました。
 ちなみに、我が家では合計で64,000円も支給されるのです。
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 「このお金で、今度夕飯でも食べに行こう!」
 「・・・。ダメ!何でそういうことしか、浮かばないの。」
 「せめて、どっかランチでも・・・。それに、富士市で食べれば、地域の経済が活性化されるし、麻生さんだって言っているじゃん。」
 「駄目です。」今度は、漢字で”だめ”です。
 「そんなこと言わないでさ・・・。」
 「DAMEです。」いよいよ、ローマ字で”だめ”です。
 万事休す。完全に諦めました。
 今思うと、業者さんからの請求書の振りをしておくべきでした。世の殿方は、自宅のポストを開けることは、あまりないかもしれませんが、開けることがあっても、自分みたいなことのないようにして下さい。
  志村

しょうさいふぐの唐揚げ

 今朝、沼津の魚市場のセリ場には、こんなふぐが並んでいました。
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 ”しょうさいふぐ”という名前のふぐです。以前のブログで、”しょうさいふぐ”に似ている”こもんふぐ”のお話しをしましたが、今日のは、正真正銘の”しょうさいふぐ”です。
 ”佳肴 季凛”に戻ってきてから撮った写真をご覧下さい。
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 ”しょうさいふぐ”は、小型のふぐで、食べられる部分は、”身”と”白子”だけです。
 皮などは食べられないので、卸し方も”とらふぐ”の時とは、若干違います。
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 小型で、皮も食べれないので、こんな風に、頭と皮と内臓を全部一緒にしたまま、身の部分と分けるのです。この卸し方を、”ぐるむき”と呼んでいます。
 参考になるかどうか分かりませんが、”とらふぐ”の卸し方と見比べて見てください。
 今朝仕入れた”しょうさいふぐ”は、野締めのものなので、刺身でなく、唐揚げでお出ししています。
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 ”とらふぐ”の唐揚げよりは、幾分味が劣りますが、ふぐ独特の味わいがあります。単品ものだけでなく、会席のコースの一品としても召し上がれます。
 早起きして、富士市から沼津の魚市場まで仕入れに行くのですから、”しょうさいふぐ”のように、珍しくて美味しい魚を、見つけて、お客様に食べて貰えるのが、自分にとっては、最高の喜びです。
 志村
 追伸 ”しょうさいふぐ”に関しては、ひと足先に、携帯会員の方にはお知らせしました。時々、”しょうさいふぐ”のような変り種の入荷情報をはじめ、お得な情報を送らせて頂きますので、是非登録してみて下さい。
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