里芋の揚げ出し
里芋の料理方法と言えば、”煮っころがし”がよく知られたところです。また、蒸して、そのまま食べるのも代表的な食べ方ですが、”佳肴 季凛”のような日本料理店では、そうもいきません。
煮るにしても、おふくろの味のような感じではなく、色も白いままで、砂糖を使わず、仕上げるのが和食の仕事です。
ここ最近、”佳肴 季凛”でお出ししている里芋の料理がこちらです。

”里芋の揚げ出し”なる料理です。
作り方は、それほど難しくありません。
先ず、里芋をきれいに洗って、蒸します。火が入ったら、皮をむきます。

ただ、ひたすらむきます。その時、中の筋っぽい部分や、変色した部分を入れないように、注意しなければなりません。
むき終えたら、”ぶぶあられ”をつけます。”ぶぶあられ”とは、お茶漬けに入っている、あられのことです。最近では、大きなスーパーでも、売られているようです。
これを、油で揚げます。里芋自体には、火が入っているので、そのままでもかまわないのですが、中があつあつでなければ、美味しくありませんし、あられの香ばしさもでません。

油で揚げたあと、三つ葉を散らし、”あん”をかけて、出来上がりです。蒸して、皮をむく作業以外は、それほど手のかかるものではありません。
今回は里芋だけを使いましたが、中に挽肉や、海老、カニなどを入れると、ご馳走感が出ます。ちなみに、このように中に詰め物をした場合、”里芋饅頭”と言います。蓮根を使えば、”蓮根饅頭”、百合根を使えば、”百合根饅頭”です。
さらに言うと、中になにも入っていないものは、”団子”と呼んだりもします。
今回は、あんに何も、入っていませんが、挽肉や海老、カニなどを入れても、美味しく食べられます。
これから寒くなってくると、あんがかかった料理は、喜ばれます。
ご家庭でも、いつもと違う里芋料理を、作るのはいかがですか?と言うより、自宅で”佳肴 季凛”ごっこなんかどうですか?
志村
2008.11.26|野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
日本料理店のお子様ランチ
”佳肴 季凛”では、普段お子様向けの料理を用意していませんが、法事や結納などの特別なお席の際、お子様もご一緒なことも多いので、お子様料理、平たく言えば、お子様ランチを用意しています。

こちらが、”佳肴 季凛”特製のお子様ランチです。
今回のお客様であるお子様は、小学生なので、茶碗蒸し付きです。
海老フライが3本で、鳥の唐揚げが2個、串につくねが2個刺してあります。御飯は、おにぎりが2個です。今回は、お祝いのお席でしたので、2個のうち、1個が赤飯でした。
この写真には、載っていませんが、もちろんデザートつきです。
お子様ランチというと、チキンライスの上に”旗”がついています。ご覧のように、”佳肴 季凛”のものには、ついていませんし、器も陶器です。
こんな風にお子様ランチも、出されると、ちょっとした”料理”となりますね。
また、法事や結納などのお席は、休日に設けられることが多く、うちの二人の娘たちは”佳肴 季凛”の2階である自宅に待機しており、志村さんも子供サービスとばかりに、お手製のお子様ランチを、ついでではありますが、一緒に作ってくれます。
二人は、もちろん、大喜びです。そんな二人の姿を、見ていると、私も”お子様”になりたくなります。
今度は、二人の子供達の分だけでなく、私のも作って下さいね、志村さん。
真由美
やっぱ塩焼
魚には、それぞれにあった調理法があります。
例えば、まぐろは、”生”が一番です。また、たいのように、刺身も良し、煮ても、焼いても良しの万能選手もいます。
自分が愛してやまないふぐは、”チリ”に限ります。
また、いくら鮮度が良くても、刺身には、イマイチという魚も、沢山います。あまだい等はその典型です。ただ、食べ物は個人の好みがありますから、断言はできません。
ここ最近、”佳肴 季凛”でよく使う魚が、こちらです。

太刀魚(たちうお)です。自分が通う沼津の魚市場は、ほぼ毎日、太刀魚の入荷があります。しかも、それは、夜中にとれたばかりの、鮮度抜群のものです。
もちろん、陸送便で九州などからも、入荷しますが、”地”のものにはかないません。

セリ場に並んでいる太刀魚です。これはほんの一部です。逆に、殆ど入荷が無い時もあります。
自分が、仕入れてくる太刀魚は、一本500~600グラム位のものです。一番上の写真の1キロをこえるもの(今回は1,2キロ)は、値段も高く、今年のゴールデン・ウィークのセリで、なんと15,000円(1キロ)もしました。
その時の太刀魚は、一本で、10,000円以上(!?)ということになります。こんなことは、ごくまれです。ちなみにセリ落としたのは、自分が仲買をお願いしている秋山さんでした。その時、彼曰く「頭の中、真っ白。伝説作っちゃった・・・。」
自分が仕入れてくる太刀魚は、やや大きめのサイズということになります。また、値段もちょうど使いやすいのが本音です。やっぱ、魚は自分で見て仕入れるに限ります。
富士市や富士宮市の和食に限らず、飲食店の殆どは、街の魚屋さんから、魚を仕入れています。自分もたまに、そうすることもあります。
ただ、その時は、相場で魚が安い時に限ります。というのも、”納め”中心の魚屋さんは、静岡の魚市場にも行っているので、沼津の魚市場より、安くて良い魚を仕入れてくることができるのです。
ふぐなどがその典型ですし、自分もここ最近、何度か買いました。事実、同じ産地のふぐでも、静岡のものと沼津のものでは、静岡のもののほうが、良いものが多かったです。
ただ、自分は沼津に入荷するふぐでも、良いものしか選ってきません。
話を太刀魚に戻します。
自分が仕入れてくるような太刀魚は、言うまでもありませんが、刺身でも食べられます。タイトルにあるように、太刀魚は何と言っても、塩焼に限ります。

”佳肴 季凛”では、単品ものとしてだけでなく、会席の焼物として、お出ししています。素材がよければ、あえて手を加える必要などありません。料理の格言に”素材に勝る味付けなし”とあるくらいです。
手を加えた料理が良くないのではなく、素材を重視した料理が、料理人・志村のスタイルなのです。
ですから、自分は足繁く、”佳肴 季凛”のある富士市から沼津の魚市場に通うのです。それは、自分の納得したものを、料理して、お客さんに納得して、喜んでもらいたいだけです。
もちろん、魚だけに限ったことではありません。でも、これをやってこそ、初めて料理人といえるのではないのでしょうか。
実を言うと、そんな自分は、いつの間にか”熱血料理人”と、呼ばれるようになっちゃいました。
志村
薪ストーブ
ここ2、3日ぐっと冷え込みますね。特に、夜になるといっそう寒さが、増します。
冬になると、どこのご家庭でも、炬燵、ストーブなどを出して、暖をとると思います。”佳肴 季凛”がいくら日本料理店といっても、炬燵を出すわけにはいきません。
だからと言って、エアコンの暖房だけでは、暖をとるには、ちょっと不十分ですし、風情もありません。
そのため、改装工事を請け負ってくれたマクスの社長の勧めで、”薪ストーブ”をつけることにしました。

これがその薪ストーブです。
近寄ってみると、火が燃えているのが、お分かりいただけると思います。

子供の頃、テレビアニメで見たような光景ですね。私も子供の頃、憧れていました。
肝心の暖かさですが、なかなかのものです。
夕方、営業前に火をつけるのが、私の役目なのですが、先日初めて、火をつけた時、燻ってしまい、煙が立ち込め、火災報知機がなってしまい、挙句のはてには、セキュリティーも作動してしまいました。
例のマクスの社長も駆けつけてくれ、事なきを得ましたが、二人してかなりあせりました。
次からは、無事に火をつけることが出来ました。開店間もない、お客さんがいない時に、つい眺めてしまいます。

お店のなかで、焚き火をしているわけですから、楽しいに決まっています。でも何故、火を見ていたり、焚き火をしたくなるのでしょうかねぇ~?
どなたか、教えて下さい。
真由美
追伸 実を言うと、薪ストーブをつけることに、当初二人して、気乗りはしませんでしたが、今では、つけてよかったと思います。それ以上に楽しんでいます。早く、夜になんないかなぁ~。
本日解禁!
今日、11月20日は、赤ワインの”ボージョレヌーボー”の解禁日です。
箱にも、こんな風に書かれています。

表のデザインは、こんな感じで華やかです。

さらに、中はこんな感じです。

さらに、さらに、瓶を取り出してみました。

ここまでくると、開けたくなるのが人情というものです。というよりも、飲んでみたくなるのが、本音です。

ということで、グラスに注いでみました。
ご存知のように、”ボージョレヌーボー”は新酒なので、味わいが淡白です。自分としては、あまり好みではありません。ただ、「アルコール類は何でもござれ」の呑み助ゆえ、飲み始めれば、これはこれで良いものです。
ただ、呑み助である前に料理人ですので、淡白な味を何とかしたいと思っていると、豆電球が灯りました。

グラスに氷をいれ、”ボージョレ”を注ぎます。さらに、”樽ハイ”を入れます。”ボージョレの樽ハイ割り”の出来上がりです。ちなみに、”樽ハイ”とは、ウォッカベースのサワーです。詳しくは、こちらを。
味はカクテルそのものです。こうすると、飲みやすいことこの上ありません。ただ、どちらもアルコールなので、度数も高いです。と言うことは、酔いやすいのです。
ご家庭では、”樽ハイ”は無いでしょうから、市販の”サワー”で割っても、楽しめるはずです。もっと飲みやすくするには、”サイダー”なんか、いいかもしれません。
この時季限定の味わいの”ボージョレヌーボー”を、”佳肴 季凛”にいらして、是非飲んでみて下さい。
何はともあれ、飲みすぎには、注意しませう。もちろん自戒の意を込めて・・・。
志村
サラダ大根
今日の”もっと美味しいお話し”は、一昨日、買ってきたサラダ大根のお話しです。

赤いサラダ大根を、包丁で切ってみると、こんな感じです。ラレシ(ラディッシュ)の大根バージョンって感じです。
サラダ向きの大根だけあって、辛くありません。自分は皮の色を生かしたいので、このように、包丁して、天日で2,3日干してから、漬物にしました。まだ出来ていないので、写真はありません。あしからず。

こちらが、紫のサラダ大根です。こちらは中も、うっすらと色がついているので、自分は刺身のつまにします。
”紫”も”赤”同様、辛くありません。漬物、とりわけ酢漬けにすると、紫色が鮮明になります。
大根に限らず、野菜全般に言えることですが、年々新しい種類のものが出てきます。新しい食材に触れる機会が増えるのは、料理人としてうれしい限りです。
ただ品種改良することで、野菜本来の味が、失われていくことも事実です。例えば今のトマトは甘いものが主流となっていますが、自分としては、昔ながらの品種である”ファースト”のようなトマトのほうが、美味しいと思います。
野菜に限らず、”甘い=食べやすい=美味しい”という図式というのは、自分としては、疑問符を付けたくなります。また”とろける=美味しい”というのも、同様です。
味というものは、もっと複雑で、五味(甘い、しょっぱい、苦い、辛い、酸っぱい)があってこそのものだと思います。
そういうことを常に持ち続け、新しい素材に向き合い、日本料理の伝統を失わないよう、料理を作り続けたいと思います。
志村
2008.11.19|野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
休日返上
昨日は、”佳肴 季凛”はお休みでしたが、自分は”お約束通り”の休日出勤でした。
営業をしない日は、時間の制約がないので、思う存分仕込みに集中できますす。と言うよりも、こういう時にしか、出来ない仕事をするしかないのが、本当のところです。
一番最初に、とりかかった仕事が、”ふぐ”でした。

一昨日、仕入れてきたふぐを、水槽ならぬ、 ”私設富士市ふぐ水族舘”から持ってきました。合計六本です。
卸してから、水洗い、まで終えたら、時計は九時を指す手前でした。
九時になると、富士市大渕にある、”大渕ふる里村”が開店するので、店を出ました。
”大渕ふる里村”というのは、いわゆる農民市場で、富士市大渕の農家で作られた農作物を中心に販売しています。
ご存知のように、”佳肴 季凛”は、マクロビオティックを基本コンセプトとしているので、こういう場所は、ありがたい存在です。

店内の様子です。九時開店と同時に、お客さんが来るので、野菜も瞬く間に売れてしまいます。一時間もすると、完売してしまいます。
ちなみに、お昼の一時まで、営業していますが、それこそ”開店休業”状態です。
ここで売られている野菜は、ともかく鮮度が抜群です。そのため、下茹でするにも、時間が短くて済みます。また風味も、抜群です。

これが、買って来た野菜です。
大根、セレベス(里芋の仲間)、椎茸、サラダ大根、蕪、白菜です。
真ん中の、真っ赤なものと、その隣の紫のものがサラダ大根です。サラダ大根については、また次回お話しします。
店に戻って、これらの野菜を仕込み、その後もいろいろと仕込みを終えた頃には、いつもの如く、陽はとっぷりと暮れていました。
それでも、昨日は市場に行かなかったので、魚の仕込みは、ふぐだけで済みましたが、もし市場に行ってたら、とんでもないことになっていたはずです。
来週は、”佳肴 季凛”は連休させていただきます。なので、”心を鬼にして”お休みを取ります。予定が未定にならないよう、一緒に祈っていて下さい。
志村
半年ぶりです。
今日も、ふぐを仕入れてきました。もちろん、とらふぐです。
ただ今日は、珍しいふぐの入荷もありました。

”赤目ふぐ”と言います。以前も仕入れたことがあります。
普通は、春先に出回ることが多いのですが、たまたま、定置網にかかったようです。
当然活きたままで、入荷してくるのですが、今朝はあいにく、デジカメを、沼津の魚市場に、持って行くのを忘れたので、”佳肴 季凛”に戻ってから、写真に収めました。
当然活きていたものを、市場で締めたので、頭のところには、こんな風に、包丁を入れた痕があります。

当然、本日の”季の魚”として、お客さんに出します。値段は、とらふぐの刺身の約半分の一人前、2,800円です。
ふぐの刺身の味比べをする機会など、めったにありません。東京のふぐ専門店では、いろんな種類のふぐを使うところもありますが、富士市や富士宮市では、恐らく”佳肴 季凛”だけのはずです。
ここ2、3日の間の特別企画とでも、言いましょうか。是非、味比べをしてみて下さい。
志村
追伸 一度でいいから、最低でも、3種類くらいのふぐを置いてみたいものです。
ふぐの白子 (その2)

ふぐを卸し終えたところです。今日のふぐも、オスでした。ご覧のように、白子が入っていました。
先日お話ししたように、十一月も半ばを過ぎると、ふぐの白子も段々と成長してきます。
ここ最近、沼津の魚市場で、ふぐを選る時は、白子が入っていそうなふぐを、仕入れるようにしています。
どうやって?
言うまでもありませんが、自分は男です。ですから、女性が近寄ってきてくれると、うれしいことこの上ありません。
ふぐも同じはずです。
自分が生簀に手を入れると、オスのふぐは、逃げるのです。
!? !? !?
なんてことはありません。
お腹の部分を触ると、なんとなく膨らんでいるふぐを、見つけるだけのことです。はっきり言えば、”当てずっぽう”ってやつです。
ただ、ここ最近は、”白子入りのふぐ”の的中率が高いので、自分としては、してやったりの気分です。
そんな時は、つい白子を手に取り、神棚があれば、奉りたくなる気分です。

神棚に奉るわけにもいかないので、あとはお客さんが、召し上がってくれるのを、待つだけです。
志村
ふぐのとげ
ふぐは、怒ったり、相手を威嚇する時、お腹を膨らますのは、ご存知かと思います。
ふぐを卸す時も、お腹を膨らますことも、よくあります。

こんな感じに、膨らまします。さながら、”ふぐ風船”とでも言いましょうか。
この時、ふぐはただお腹を膨らましているだけではありません。何をしているかというと、背中と腹部にある”とげ”を立たしているのです。
近寄って見てみると、お分かり頂けると思います。

こんな状態になっているのです。同じ仲間の”はりせんぼん”が、とげを出しているのと、全く同じ状態です。
このとげが、いくつあるのかは分かりませんが、”針千本”と言うだけのことはあると思います。
このとげを取る作業が、ふぐを下拵えする上で、厄介な仕事の一つです。この様子は、こちらを、お読み下さい。
これから、十二月にかけて、ますますふぐの味が良くなっていきます。ふぐは水洗い、とげ取りなど、手間のかかる仕事が多い魚ですが、自称”富士市で一番のふぐ好き”を名乗っている以上、そんなヤワなことは、言ってられません。
ということで、今からふぐを卸しますので、本日はこれにて。
志村















