全て活け物(いけもの)
今朝の沼津魚市場の仕入れは、普段とは異なり、全てが活け物つまり、活きた魚介類でした。
伊勢海老(西伊豆産)を仕入れるため、
この問屋に行くと、
自分用の伊勢海老を準備しているところで、
そのまま受取り、
次の売場へ行くと、
自分宛に届くことになっていた天然のとらふぐ(舞坂産)が届いており、
中を確認すると、3本全てスイスイとなれば、萌え燃え・・・❤
そして、同じ構内の別の売場に行き、
注文しておいた4ハイのすっぽん(佐賀産)を受取り、
今日の仕入れは、終了。
仕入れを終了したのは、今日の御予約のお客様は、バスツアーではないものの、遠方からの御来店であるだけでなく、それなりの人数だったからです。
とは言え、他の売場も行かないわけにはいかないので、
このところの時化の影響もあり、
構内は、
ガラ~ンとし、
活魚売場の生簀も、
神奈川県佐島産の蛸(たこ)が数ハイと、
東伊豆の定置網漁の魚が、
そこそこあっただけでした。
また、今日は、ランチタイムに団体とまでは言えないまでも、御予約を頂いていたので、魚市場から帰ることにし、
【佳肴 季凛】に戻ったら、
締めてから、
血抜きのため、海水へ。
その後、出汁を引くなどの普段の段取りを終えたら、
ランチだけでなく、夕席の御予約の料理の盛り付けをし、盛り付けが終わったら、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんに、まな板とカウンター周りを養生してもらい、
とらふぐの仕込みを始め、その頃、真由美さんは、
小鍋の盛り付けをしてくれ、それが終わったら、
卸し終えたとらふぐの水洗いを始めたものの、
御来店時間が早まるとのご連絡があったので、
水洗いを中断し、
掃除をし、撤収。
ランチの営業の目途も着き、
お客様を見送った頃には、ランチの営業時間だけでなく、
殆どの片付も終わったので、
水洗いを再開し、
終わったら、今日2回目のまな板周りの掃除。
洗い上げたとらふぐを拭き上げたのですが、
3本のうち1本には、
十分に成長した白子入りで、3打数1安打の成績を良しとし、休憩を取ることにしました。
夜の営業時間となり、御予約のお客様がお見えになったのですが、
伊勢海老の御注文は、ふぐ料理のお客様の別途のもので、
刺身でお出し、召し上がった後の殻は、
包丁してから、
味噌汁に仕立てました。
今日仕入れたすっぽんは、鍋用に明日仕込むのですが、他の仕込みなどもあるので、早起きはないものの、時間に追われることになるので、この辺りで・・・。
すっぽん鍋がメインの『特別会席』
【佳肴 季凛】のお品書きを開くと、
コース料理のページがあり、
その一つに、
『特別会席』というコースがあり、料理内容は、お客様との相談の上で決めさせて頂いているので、献立は千差万別で、これまでにも、色々とお話ししたことがあります。
そんな『特別会席』ですが、今夜御用意したものは、タイトルにもあるように、すっぽん鍋をメインにしたもので、その料理内容が、今日のお話しです。
メインとありますが、日本料理は、料理の品数も多いこともあり、コースの後世の仕方が、フランス料理などの洋食と異なるので、メインという位置付のような料理はありません。
ただ、お客様に訊かれることも多いので、そういう時は、その場その場の雰囲気や、会話のやり取りで、お答えさせて頂いています。
ということで、本題に移らせて頂くことにし、コースの一番最初にお出しする先付(さきづけ)は、
うすい豆腐で、うすい豆腐とは、グリンピースで作った豆腐のことで、グリンピースつまり、えんどう豆のことをうすい豆と呼ぶことにちなんでいます。
先付の次に、刺身の第一弾として、
ふぐ刺をお出ししましたが、『佳肴 季凛』の定番の食材でもある天然のとらふぐで、三重県熊野灘産のものです。
ふぐ刺の次は、
ふぐの唐揚げで、ふぐ刺同様、三重県熊野灘産のものでした。
そして、刺身の第二弾として、
生の本鮪(那智勝浦)、小肌(佐賀)、湯葉の三種盛りをお出ししたら、
メインとも言うべきすっぽん鍋をお出ししました。
すっぽんは佐賀県産のもので、すっぽんの美味しさを味わうには、やはり鍋に限ります。
すっぽん鍋を召し上がっている途中、
焼物の鰆の西京焼をお出し、鰆は長崎県産のもので、魚編に春と書きますが、秋の終わりから、このぐらいまでが、もっとも美味しい時季です。
そして、食事の前に酢の物をお出しし、酢の物は、春らしく、
蛍烏賊(富山湾)の辛子酢掛けで、4月も半ばを過ぎると、日中は暑いこともあり、器は義山(ギヤマン)と呼ばれるガラスの器にしました。
食事は、すっぽん鍋ということで、
すっぽん雑炊で、この流れは王道にして、鉄板です。
そして、コースの締めは、
ブルーベリーのアイスで、勿論お手製です。
これまでにも、すっぽん鍋をメインにした『特別会席』は、何度もお出ししたkとがあるのですが、もう間もなくすると、
すっぽん鍋仕立ての鱧しゃぶや、さらにバージョンアップし、鱧だけでなく、生の本鮪と天然のとらふぐも加えたしゃぶしゃぶも、
御用意することも出来ます。
先程お話ししたように、『特別会席』の献立は、全てお客様次第ですので、詳細については、お手数ですが、直接お問い合せください。
★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、5月2日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
お弁当の仕込みと燃し木狩り
今日は、定休日でしたが、明日は沼津魚市場が休みということもあり、
仕入れに行って来ました。
この売場で、
鯵(宮崎産)を仕入れた後、別の売場に行くと、
注文しておいたすっぽん(佐賀産)が入荷しており、
中を確認すると、
2ハイ共、
オスでしたが、すっぽんのオスとメスの区別の仕方については、こちらをお読み下さい。
この他の仕入れは、冷凍ものなどでしたので、早めに仕込みを終えたいので、魚市場から帰ることにしました。
『佳肴 季凛』に戻ったら、
鯵の下拵えをすることにしたのですが、今日の休日出勤は、明日のお弁当の仕込みもあったので、女将兼愛妻(!?)の真由美さん一緒ということもあり、
真由美さんが、仕入れ用の軽トラなどの掃除をしてくれ、これだけでも、休日出勤が楽になったようなものです。
明日のお弁当は、急遽昨日になって御注文を頂いたのですが、
営業時間や片付けの合間を見ながら、
ある程度まで、
仕込みをしていたので、今日のお弁当の仕込みは、揚物と煮物だけでした。
鯵を卸し終えたら、
真由美さんが、
揚物にするため、打粉をしてくれ、
一方の自分は煮物を仕込んでおきました。
その後、真由美さんが洗い物をしてくれ、
自分は、
包丁を砥ぎ、その間に、
真由美さんが折の準備をしてくれたのですが、明日は、三重からとらふぐ(天然)が入荷するので、
まな板周りを養生した後、
お弁当に使う道具を用意しておきましたが、すっぽんの仕込みは、明後日の予定です。
これで、休日出勤が終わりではなく、お昼を食べた後、
車で10分もかからないところに、薪ストーブ用の燃し木狩りに行きました。
現場に着くと、
知人が切り出してくれていた薪が、
少しずつ山積みにされており、
段ボールやコンテナに入れたら、
軽トラに乗せ、
『佳肴 季凛』に戻ること数回、
ダンプカーの如く、
燃し木を積んでは卸したのですが、
今朝の仕込みとは異なり、
燃し木狩りは一人だったので、とりあえず燃し木は、駐車場に置きっ放しにしておき、休日出勤はここまでにしておき、片付けは明日の予定です。
となれば、この場を借りて、真由美さんの明日の出番を、お願いしておきます。(笑)
生の本鮪、天然のとらふぐ、鱧(はも)のすっぽん鍋仕立てのしゃぶしゃぶがメインの『特別会席』
今回のお話しは、昨日のお話しの続編で、例の生の本鮪、天然のとらふぐ、鱧のすっぽん鍋仕立てのしゃぶしゃぶこと、とんでもないしゃぶしゃぶをメインにした『特別会席』の献立についてです。
先付は、グリンピースで作った豆腐のうすい豆腐で、
グリンピースつまり、えんどう豆のことをうすい豆と呼ぶので、このように呼んでいます。
この次が、刺身のその1ということで、
ふぐ刺をお出ししたのですが、ふぐは、三重県産の天然のとらふぐです。
ふぐ刺の次が、
走りの鱧(静岡・舞阪産)を天ぷらにしました。
走りと言えば、鱧の天ぷらの次に、
刺身のその2の岩牡蠣をお出ししたのですが、この岩牡蠣は、
沼津の魚市場で仕入れたもので、
1ケースに15個入っている特大サイズのもので、
宮崎県産のものです。
そして、刺身のその3として、
生の本鮪の中とろと赤身、蛸の三種盛りをお出しし、本鮪は、
和歌山県那智勝浦産のもので、中とろ、
赤身共、
血合い際(ぎわ)の鮪本来の味を楽しめる部位です。
そして、メインのとんでもないしゃぶしゃぶをお出しし、
召し上がっている間に、
鰆の西京焼をお出しし、鍋も終わったら、
一度鍋を下げ、〆のうどんをお出ししたのですが、うどんは、煮崩れないようにするため、食べ応えのある冷凍のうどんです。
そして、マスクメロンのアイスをデザートでお出しし、
コースの〆となりました。
『特別会席』の料理内容は、基本的に、自分とお客様の相談の上で、献立を決めさせていただいており、それこそ何でもありの料理で、これまでにも様々な料理をご用意したことがあります。
また、『特別会席』に限らず、ご予算に応じて、可能な限り対応させて頂いており、詳細については、お手数ですが、直接お問い合わせください。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい。
生の本鮪、天然のとらふぐ、鱧のすっぽん鍋仕立てのしゃぶしゃぶ
先日、『特別会席』のメイン料理で、
生の本鮪、天然のとらふぐ、鱧を使ったすっぽん鍋仕立てのしゃぶしゃぶをお出ししたことをお話ししましたが、その仕立て方が、今回のお話しです。
それぞれの食材の産地ですが、生の本鮪は、
和歌山県那智勝浦、天然のとらふぐは、
福井県敦賀、鱧は、
静岡県舞阪で、
すっぽんは、
佐賀で、すっぽんだけは養殖ですが、他は全て天然ものでした。
本音を言えば、すっぽんも天然ものが理想的なのですが、天然のすっぽんは、まだ入荷がないので、養殖を使いましたが、以前、天然のすっぽん出仕込んだもので、鱧のしゃぶしゃぶをご用意したこともあります。
しゃぶしゃぶにした部位は、
とろの部分で、中でも、筋の強い部分を使います。
加熱することで、
筋のゼラチン質が溶け出し、旨味に変わり、厚さは、
5ミリ程度です。
ふぐは、天然のとらふぐの中でも、
“ふぐに魅せられし料理人”の自分が、その独断と偏見の想いを込め、“ジャンボちゃん”と呼んでいる4キロ以上の超大型のものです。
三枚に卸したら、
身皮と呼ばれる薄皮をつけたまま、
本鮪よりも少し薄めに、包丁していきます。
そして、骨切りした鱧を包丁し、
全て、
盛り付けます。
すっぽん鍋に添える野菜などの具材は、
笹がき牛蒡、焼葱、くずきり、木綿豆腐と、あえて色々と入れることはしません。
追加するなら、芹ぐらいにとどめておく程度で、色んな野菜を入れないのは、すっぽん鍋特有の美味しさを、味わって頂きたいからです。
あとは、通常のしゃぶしゃぶのように、沸いてきたところに、それぞれの身を適宜入れて、煮えたら、召し上がって頂き、〆である食事は、
極太のうどんで、うどんは煮崩れにくい冷凍のものです。
召し上がったお客様の感想は、「とんでもないしゃぶしゃぶで、あり得ない美味しさ!」とのことで、予想通りのものでしたが、この日のお昼に、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんに試食してもらったら、お客様同様の感想が、返って来ました。
生の本鮪、天然のとらふぐ、鱧を使ったすっぽん鍋仕立てのしゃぶしゃぶのような特殊な料理は、この日のように、
カウンターに座って頂きたいのです。
というのも、このような料理を考えた顛末などをお話しさせて頂くだけでなく、お客様の感想を直に伺いたい、今後の参考にしたいからです。
次回は、この時の『特別会席』の献立について、お話しします。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、5月3日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
すっぽん鍋の出汁で、今季初入荷の鱧(はも)の試食
沼津魚市場に仕入れに行く時、殆どの場合、一番最初に向かうのが、活魚売場で、
今朝も然りで、生簀を見ていくと、
活かしの鱧(はも)が入荷しており、
3,9キロ(4本)と、
4,3キロ(5本)の2つに分けられていました。
また、生簀の前には、落ち鱧と呼ばれ、輸送中に死んでしまった鱧もあり、
3,5キロ(4本)の札が、置かれており、活かしの鱧も落ち鱧のどちらも、御覧のように、中国産でした。
3月に鱧が入荷してくるのは珍しく、しかも初入荷ということもあり、自分好みの目回りではなかったものの、
活かしではなく、落ち鱧の方を仕入れることにしたのですが、
お腹の中に残っているエサの臭いが回ってしまい、使いものにならなくするため、その場で、はらわたを抜いておきました。
その後、別の売場に行き、
今夜のすっぽん料理に使う佐賀産の2ハイのすっぽんなどを仕入れ、魚市場から帰ることにしました。
【佳肴 季凛】に戻り、ひととおりの仕込みを終えたら、鱧の下拵えをすることにしたのですが、女将兼愛妻(!?)の真由美さんに、
ヌメリを取ってもらい、
自分が手直しをし、
卸したら、
鱧の下拵えには欠かせない骨切りをするため、骨切り包丁の登場です。
去年の秋以来の半年振りの骨切りということもあり、多少緊張するものの、
骨切りをし終え、頭や骨の部分は、焼いてから、出汁を取るため、掃除しておきました。
その後、天ぷらと、
鱧しゃぶにして、
試食をすることにしたのですが、今日は、すっぽんの仕込みもしたので、すっぽん鍋の出汁で、
鱧しゃぶに仕立て、すっぽん鍋仕立ての鱧しゃぶについては、こちらをお読みください。
真由美さんと仲良し子吉で、一つずつ試食したところ、久々の鱧の味わいに納得したというより、飽き足らず、
再び、
“お疲れちゃん♪”を兼ねて、クオリティ・チェックと相成り、鱧の美味しさだけでなく、冬から春への移ろいも、再確認することが出来ました。
今日の鱧は、スポット的なもので、入荷が安定するまでは、『鱧料理』のコースのご用意は、しばらく時間がかかりそうな感じで、当店の『鱧料理』は、このようなものです。
また、ゴールデンウィーク明けから、ご用意することが例年のことですが、天候や入荷状況に左右されるので、詳細については、直接お問い合せください。
濃厚なすっぽん鍋の出汁
今日は、すっぽん料理の御席があったので、
ランチの営業を、早仕舞させて頂きました。
お客様がお帰りになったら、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんにカウンター周りを養生してもらい、
2はいのすっぽん(佐賀産)を、卸すことにしました。
すっぽんを卸す時は、仰向けにするのですが、仰向けにすると、首を伸ばして、ひっくり返ろうとする習性があり、首が出て来たら、一気に首を掴み、首の付根に包丁で、締めます。
この様子に始まり、卸している時の様子は、かなりグロテスクなので、あえて割愛します。
卸し終えたら、霜降りをしてから、
薄皮を取り除いたら、鍋に入れ、
水と日本酒を注ぎ、一気に加熱します。
沸いて来ると同時に、
アクが出て来るので、
こまめにアクを、取り除いていき、アクが出なくなったら、薄口醤油、塩、味醂、赤酒で、
味を調え、弱火で煮詰めていきます。
2ハイ分の出汁では、旨味が乏しいので、
真空パックして、冷凍しておいたすっぽんの出汁を解凍したものを、
鍋に入れ、再び煮詰めていきます。
加える出汁も、それ以前に仕込んだ出汁を、何度も継ぎ足しているので、自ずと濃厚な味わいになるのですが、実際には、何ハイ分のすっぽんかは、数えきれません。
頃合いを見て、
火を止め、
土鍋によそり、くずきりと豆腐を入れ、温めてから、
仕上げに焼葱と、生姜の絞り汁を加えたら、お客様の元へ。
残った出汁は、
漉してから、専用の袋に入れ、明日まで冷蔵庫にしまい、プルプルになってから、真空パックして、冷凍します。
ちなみに、一晩冷蔵庫にしまうと、
このようにプルプルになるのですが、詳しいことについては、こちらをお読み下さい。
その時にもお話ししたように、すっぽんを味わうには、すっぽん鍋が一番で、すっぽんの味は、他の食材にはないものがあり、すっぽんの味は、すっぽんとしか言い様がありません。
濃厚かつ繊細なすっぽんの味は、日本料理の中でも、美食の一つなのですが、その美味しさについては、知られていないのもの事実で、日本料理の世界に身を置く以上、すっぽんだけでなく、日本料理の素晴らしさを伝える努力を怠ることなく、日々の仕事に取り組みたいものです。
定休日のすっぽん
明日(27日)は、
沼津魚市場が休みということもあり、
仕入れに行って来ました。
しかしながら、売場には、
これと言った魚もなく、この売場に向かい、
注文しておいた2はいのすっぽん(佐賀産)を、
受け取り、ひととおりの仕入れを終えたので、帰ることにしました。
『佳肴 季凛』に戻ると、
ネットから取り出したのですが、
然るべきものが出ているように、どちらもオスでした。
オスを注文していたのは、明日は、すっぽん料理の御予約を頂いており、そのコースで、活血をお出しするからですが、当店のすっぽん料理については、ブログで色々と書いてあるので、こちらをお読み下さい。
ということで、すっぽん料理の御予約を頂いているので、明日のランチは、早仕舞するので、
メニュースタンドに、お品書きと舌代(しただい)を掲げておいたのですが、仕込みをしないのにもかかわらず、
カウンター周りが明るいのは、
昨日誕生日だった女将兼愛妻(!?)の真由美さんの誕生日会をするためで、
明日は、魚市場に行かないので、軽めにする予定でしたが・・・・・。この後の様子は、ご想像におまかせします。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
3月は、1日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
すっぽんで、お肌プルプル
昨日、当店のすっぽん料理のコース内容について、お話ししましたが、
仕込み終えたすっぽん鍋は、土鍋に移し、厨房で温めるため、豆腐とくずきりを入れておきました。
その時、
雑炊用に、すっぽんの出汁と、
えんぺら、脂身、身の部分に分けておきました。
明くる日の今日、
冷蔵庫にしまっておいた出汁は、
このように、プルプルに固まっていましたが、ゼラチンなどの凝固剤は、一切入っていません。
コラーゲンが凝縮され、お肌をプルプルにする飲むコスメそのもので、以前テレビ番組で、歌舞伎役者の中村七之助が、「すっぽんを食べた明くる日は、化粧の乗りが違う!」と、言ったところ、他の出演者が、妙に納得していました。
中村七之助は女形ということもあり、かなり説得力のある言葉に、自分も頷かざるを得ませんでしたし、その場面こそありませんが、この時の放送が、こちらです。
また、かつて勤めていた日本料理店では、ある女優が来店されると、すっぽん雑炊をよく召し上がっていたこともあり、その効果は、確かなのかもしれません。
煮凝りになったすっぽんの出汁は、
専用の袋に入れ、
日付を書いて、真空パックして、冷凍庫へしまったおいたのですが、この出汁は、次回以降、すっぽん鍋を仕込む時に加えることで、さらに濃厚な出汁を取ることが出来ます。
ですので、当店のすっぽん鍋の出汁は、味が深くなるのは、言うまでもありません。
ちなみに、昨日卸したのは、2ハイでしたが、仕込む時に、以前仕込んだものを加えているので、実際には、5ハイ以上の出汁が出ているのは、確実なはずです。
また、単品や会席料理の食事で、すっぽん雑炊をお出しする時のために、
身も入ったものも真空して、冷凍しておきましたが、これも、以前の出汁を加えてあるので、濃厚な味わいであるのは言うまでもありません。
しかも、すっぽんの出汁は、他の食材にはない味わいで、どこまでいっても、すっぽん以外の何ものでもなく、すっぽんを味わうのは、その出汁が一番なのです。
肝心なことを言い忘れていたことに、今になって、気付いたのですが、次回すっぽんを仕込む時は、多目に以前の出汁を加え、女将兼愛妻(!?)愛妻の真由美さんに、試食してもらい、化粧の乗り具合の違いを試してもらうつもりですが、何か・・・。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
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『佳肴 季凛』のすっぽん料理
『佳肴 季凛』のお品書きを開くと、
コース料理のページに、
すっぽん料理があり、
料理内容が書かれているのですが、料理内容が、今日のお話しです。
そんな今日は、すっぽん料理の御予約を頂いていたこともあり、以前お話ししたように、すっぽん料理の御予約がある時は、ランチの営業時間を短縮することが殆どで、
今日も然りでした。
お客様の料理をお出しし終えたら、まな板周りを養生し、
すっぽんを卸すことにしたのですが、今日のすっぽんは、
昨日、沼津の魚市場で仕入れてきた佐賀産のもので、
2ハイで2,5キロの大きさのものです。
首が出て来たところを掴み、首の付根に包丁を入れるので、卸すところは、かなりグロテスクなので、割愛させてもらいます。
さて、今夜のすっぽん料理のコースですが、
先付二品のうちの一品が、南京豆腐(南瓜で作った豆腐)で、もう一品が、
生の本鮪(銚子産)でした。
ここからが、すっぽん料理のコースで、最初が、
活血(いきち)で、血だけでは固まってしまうので、
果汁100%のりんごジュースで割っており、血1に対してりんごジュースが3ぐらいの割合で、お店によっては、日本酒や赤ワインで割るところもあります。
また、滋養強壮の効果があるような気がするだけでなく、即効性があるように思われる方も多いかもしれませんが、そのようなことは全くなく、もしこの一杯で、精がつくとしたら、怪しい薬と変わらないかもしれません。
活血の次が、
すっぽんの刺身です。
白っぽいのが、腸で、その上に乗っているのが、心臓で、
つつくと、動きます。
その隣の赤い色をしているのが、
身で、その隣が、
脂身で、どちらも生のままです。
脂身の左側が、
肝臓で、軽く火を通してあります。
そして、最後が、
胃袋(白)と腎臓(赤)ですが、胃袋は腸とつながっているので、同じ様な色で、どちらも火が入っており、腎臓と心臓は、生のままです。
刺身の次が、
唐揚げで、後ろ足の部分を、薄口醤油と日本酒を同割りにしたものに、10分ほど漬けてから、片栗粉をつけて、揚げてあります。
そして、メインはすっぽん鍋ですが、
すっぽん料理の象徴とも言うべき料理で、すっぽんを味わうための料理と言っても過言ではなく、お出しする直前に、生姜の絞り汁を加えると、その風味で、食欲がそそられます。
すっぽん以外の具材は、くずきり、焼葱、豆腐だけで、芹と牛蒡が、相性が良い野菜ですが、あえて入れないのは、すっぽんそのもの美味しさを味わってもらいたいからです。
鍋の後は、
もちろん雑炊で、卵をとじずに、凝縮されたすっぽんの旨味だけを、味わってもらうことにしており、
そえるお新香は、浅漬(キャベツ)、糠漬(大根、胡瓜、人参)、キムチです。
コースの締めくくりの今夜のデザートは、
林檎のアイスでした。
お品書きにもあるように、当店のすっぽん料理のコースは、すっぽんの美味しさを堪能して頂くため、所謂すっぽん尽くしです。
すっぽんという素材は、肉でもなく、魚でもなく、ましてや野菜でもなく、他の食材にはない味わいがあり、すっぽんはすっぽん以外の何ものでもありません。
仕込み方も、他の食材とも異なり、どこまでいっても、すっぽんはすっぽんなのです。
しかも、日本料理ならではの食材にして、美食の一つでもあり、日本料理の世界に身を置き、かなりの月日が経ちましたが、最初にすっぽんの美味しさを知った時の感動は、今でも覚えており、すっぽんに限らず、日本料理の魅力を伝える努力を怠るわけにはいきません。
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