暫定一位の生の本鮪は、和歌山県那智勝浦産
今日は、沼津の魚市場に、
仕入れに行き、その帰りに、
宅配便の営業所に立ち寄り、
東京・築地から届くことになっていた生の本鮪を受け取り、『佳肴 季凛』に戻りました
昨日、注文した時、開口一番、鮪屋の社長曰く、「今年一番で、最高レベルです。那智勝浦産で、もろに季凛さん好み!とらふぐと同じくらいに、萌え燃え・・・❤になれるかもしれませんよ!?」
いつも以上のハイテンションに、自分の方が、期待した以上に、戸惑う始末で、欲しい目方を伝え、電話を切りました。しばらくすると、こんなメールが、
届きました。普段は、
このように、目方と宅配便の伝票番号しかない、全く以て無機質というか、事務的なメールですが、昨日のメールのような文面を目にしたのは、初めてのことで、かなりの自信が感じられ、不安すら感じてしまいました。
そんな期待と不安を胸に、
中を確認することにしました。
蓋を開け、
取り出すと、
「今年一番!」にして、メールの「最高のマグロです!」通りのものでした。
さらに、予定通りの自分好みとなれば、血合いを外す時から、
嫌が応でも、ワクワクします。
その後、
赤身と中とろの部分に、分けるため、
包丁しました。
最後に、皮を外すと、
シミと呼ばれる血痕もなく、
鮪屋の社長の言葉通り、今年仕入れた中でも、一番良いもので、現時点で、平成28年の“鮪ランキング”では、暫定一位となりましたし、“メダリスト”は、確実なはずです。
今後、どのような鮪が入荷してくるのかは、予想もつきませんが、これ以上もしくは、同レベルのものが入荷し、暫定一位が、暫定で終わって欲しいものです。
ところで、明日(29日)は、
都合により、急ではありますが、お休みさせて頂きます。
なお、ゴールデンウィーク中の営業ですが、2日(月曜日)をお休みさせて頂き、他は、通常通り営業致します。ただ、御席を御用意出来ない日もございますので、予め、お問い合せを頂けると、幸いです。宜しくお願いします。
生の本鮪の西京漬
昨日、東京・築地から入荷したのが、
千葉県銚子産の生の本鮪(天然)で、前回入荷した宮城県塩釜産のものと、全く遜色なく、同様に、自分好みのものでした。
このようなものが入荷するばかりとは限らず、時には、
このように、皮目に、シミと呼ばれる出血した痕があることもあり、この程度なら、どうにかこうにかなるのですが、どうにもならないような時もあります。それについては、以前お話ししたことがあります。
また、目安となる目方を伝えてはいても、時には、大きいこともあり、使い切ることが出来る場合もあれば、そうでない時もあります。
刺身以外の使い道は、色々とあるので、余ったからといって、賄いにすることは、基本的にすることは、殆どありませんし、するわけにはいきません。ただ、仕入れ値のことを考えると、そのような使い方は、泣く泣くしているのが、事実でもあります。
中とろの部分が、余ってしまった時は、
このように、
包丁します。先ほどの塊が、
500グラム強ですので、一切れあたり80~90グラムになります。
それを、
西京味噌と一緒に、真空パックし、西京漬にします。西京味噌は、このようにして、仕込んだものです。
3日程漬け込んだら、袋から取り出し、水洗いして、
串を打ちます。しっかりと、味がしみ込んでいるので、水洗いしても、味が抜けることはありません。
両面に焼目がついたら、
照りをつけるため、味醂を塗り、焼くこと3回、焼き上がったら、
盛り付けます。
焼くことで、旨味が凝縮され、刺身以上の味わいがあります。ただ、これは、生の本鮪だけに限ったことだけではなく、加熱した方が、ずっと美味しいし、量も沢山食べることが出来ます。
刺身は鮮度の良さを味わうもので、本当の美味しさではなく、調理された素材を味わうには、加熱しなければ、味わえないと、自分は思います。
ただ、この生の本鮪の西京焼をお出しする機会は、限られています。というのも、原価がネックだからです。ちなみに、原価については、以前お話ししたことがあるので、そこから、想像してみてください。
その限られている機会とは、常連のお客様にお出しする時です。当店は、コース料理をメインにしているので、献立を控えておき、前回召し上がった料理と、重ならないように、手を替え、品を替え、いろいろとお出しするのですが、常連のお客様となると、大体の料理を召し上がっているので、どうしても“変化球”が必要となります。
そんな時、この生の本鮪の西京焼が、出番となるのです。言うまでもありませんが、料理する自分の考えでお出しするので、原価は一切考えません。
不公平なように思われるかしれませんが、常連のお客様は、自分の料理だけでなく、性分も分かっているので、このようさせてもらっています。
また、生の本鮪の西京焼を召し上がったことのあるお客様は、数えられる程度ですし、これを仕込んでいる回数も、同様です。もっとも、年がら年中、仕込んでいるようでは、自分が、参ってしまいますが・・・。
いずれにせよ、生の本鮪の西京焼は、“秘密兵器”なので、ご理解のほど、宜しくお願いします。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい.
備忘録として、塩釜産の生の本鮪
先週の土曜日に、築地から入荷したのが、
宮城県塩釜産の生の本鮪でした。腹の真ん中より
下の部分でしたので、
少しだけですが、
大とろの部分があり、
コース料理の刺身で、
お出しし、御覧のように、生の本鮪(塩釜)、湯葉、小肌(佐賀)、とらふぐ(三重)の四種盛りでした。
また、この塩釜産の生の本鮪は、自分好みで、脂が強くなく、
身と皮を別にした時も、シミと呼ばれる血痕もなく、100点満点中、100点越え確実なもので、入荷して、3日経ってしまいましたが、今年の生の鮪ランキングに、ノミネートしておくための備忘録として、今回お話ししました。
ちなみに、去年の生の本鮪ランキングでは、塩釜産のものが、2位でした。だからと言って、塩釜産のものが、全て良いわけではなく、どこまでいっても、個体差が全てで、その目安として、産地を記しているだけのことですし、これまで、再三再四お話ししているように、青森県大間は一番ではありません。
平成28年も、まだ3分の2残っており、今後の入荷がどうなるかは、全く分かりませんが、今回の備忘録が、無意味であるくらいのものが入荷するを、期待するばかりです。
今季初入荷の鱧は、チビとらと同じ愛知県産、そして那智勝浦産の生の本鮪
昨日(金曜日は、
沼津の魚市場に行き、その帰りに、
宅配便の営業所に立ち寄り、
二つの荷物を受け取ってから、『佳肴 季凛』に戻りました。
『佳肴 季凛』に戻り、最初に、取り出したのは、
魚市場で仕入れてきた鹿児島産の鯵と、
富山県産の蛍烏賊でした。魚市場で仕入れたのは、これら以外には、冷凍ものだけでした。
その後、宅配便で届いた一つ目の発泡スチロールを開け、
取り出したのが、
自分が“チビとら”と呼んでいる500グラム以下の小さい天然のとらふぐと鱧でした。
御覧のように、“チビとら”が、6本で、鱧が5本で、どちらも愛知県産のもので、鱧は、今季初入荷でした。“チビとら”と言えども、天然のとらふぐですので、もちろん、萌え燃え・・・❤の気分なのは、言うまでもありません。
どちらも、活〆にされたものですが、鱧は、
はらわたを取り除いてあります。自分の要望で、このようにしてもらってあるのですが、その理由は、鱧の内臓に、餌が入ったまま、死んでしまうと、その臭いが、身についてしまうことが、あるからです。
そして、二つ目のものに入っていたのが、
和歌山県那智勝浦産の生の本鮪でした。
鯵の仕込みが終わったので、水洗いを、女将兼愛妻(!?)の真由美さんにお願いし、自分は、
“チビとら”を、卸すことにしました。鯵の水洗いを終えた真由美さんは、その次に、
“チビとら”の水洗いをしてくれ、その頃までに、自分は、
鱧を水洗いし、卸し終えたので、
鱧の下拵えで欠かせない骨切をすることにしました。今日の鱧は、“鱧しんじょう蒸し”に仕込むので、骨切を終えたら、
身を下にして、
皮目が上になるようにしておきました。これに、
刷毛で、小麦粉をつけました。
その頃、真由美さんは、
鱧の身を乗せる“しんじょう”を、丸く形に取っていました。“鱧しんじょう蒸し”については、こちらをお読み下さい。
その後、鱧の身を乗せ、蒸気の上がった蒸器で、15分弱蒸すと、
このように、仕上がりました。
前回お話しした岩牡蠣ではありませんが、暑いような寒いような陽気とは言え、季節の移ろいを、感じる今日この頃です。
3月の鮪コレクション
昨日から、
4月です。月に一度の恒例の“鮪コレクション”が、今回のお話しです。3月に入荷した鮪についてで、いつものように、全て築地から、入荷した生の天然の本鮪でした。
最初に入荷したのが、
宮城県塩釜産で、この明くる日に入荷したのが、
和歌山県那智勝浦産でした。鮪を仕入れるのは、基本的に、一週間に一度なのですが、二日連続で仕入れた理由については、こちらをお読み下さい。
一週間に一度とは言っても、その時の状態にもよりますが、良質なものですので、一週間は、殆ど味も色も変わることはありませんし、場合によっては、二週間近く、変わらないこともあります。
その次に入荷したのも、
前回と同じ那智勝浦産のものでした。この次も、
連続で、
和歌山県那智勝浦産で、この二つは、全く同じ鮪で、所謂“連れ”でした。
そして、3月最後が、
千葉県銚子産のものでした。
御覧のように、先月のものは、全て太平洋側で、水揚げされたもので、しかも、全国にある漁港の中でも、トップクラスというか、有名な漁港でした。
こういうところは、、鮪に限らず、色んな魚が揚がり、どれも、良質なものが多いのが事実です。というのも、漁師の方達の腕が、根本的に、良いからです。
現在、最も有名な産地になった青森県大間は、本鮪以外の魚では、そんなに名前を聞いたことがありませんし、これまでに、何度もお話ししているように、有名=一番ではありません。巨人は、球界の盟主ですが、必ずしもペナントレースで、優勝するとは限らないのと、同じことなのです。
ですので、自分は、今回登場した産地を聞くと、大間よりも、期待するのは事実ですし、この時季の太平洋側で揚がる鮪は、脂が強くないので、自分好みでもあります。
来月は、どこの産地の鮪が入荷してくるのかは、全く分かりませんが、春らしい感じのものが入荷してくるのを、期待しています。
ほんもの志向
今日は、仕込みをする前に、
築地と愛知県から届くことになっていた荷物を、宅配便の営業所に行きました。荷物は、既に届いており、
冷蔵庫に、保管されていました。受け取ったら、【佳肴 季凛】に戻り、
最初に取り出したのが、
東京・築地から届いた千葉県銚子産の生の本鮪でした。これと一緒に入っていたのが、
ふぐ専用の葱で、“ふぐ葱”と呼ばれています。“ふぐ葱”については、こちらをお読み下さい。
ふぐの本場の下関産で、何よりも、自分の目を惹いたのが、ほんもの志向という文字です。
次に取り出したのが、
愛知県一色産の天然のとらふぐで、
合計6本、ありました。もちろん、気分は、萌え燃え・・・❤
活け締めにされたものですが、送り主の魚屋さんは、包丁を使わずに締めるので、頭の付け根には、包丁の傷あとがありません。
魚の締め方には、基本的なものはあっても、人によって、それぞれで、どれが良いのかは分かりません。というのも、魚そのものの個体が、味の決め手でもあるからです。ただ、締め方によって、身質は、大きく変化するので、締め方も、調理方法の一つと言っても、過言ではないかもしれません。
今日は、6本のうち2本が、
オスのとらふぐでしたので、
このような白子が、入っていました。
その後、ランチの営業の合間を見ながら、女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、
この6本のとらふぐの皮の粘膜の掃除をしてくれ、自分は、
火曜日と水曜日に卸した合計13本のとらふぐの棘を取り終えたら、今日の6本の手直しを、
することにし、
この6本の棘も取り終え、
3時前に、休憩を取ることが出来ました。
これだけあると、心が折れそうになり、仕込むのをやめてしまいたくなりますが、手間暇をかけてこそ、料理の真価が問われるわけですし、今日入荷した“ふぐ葱”ではありませんが、本物志向であると、どうしても、手抜きは出来ません。
同じく今日入荷した生の本鮪も、天然のとらふぐも、然りです。それらを使う自分も、本物を目指し、背筋を伸ばして、日々の仕事に、精進したいものです。
こんなお話しした今日は、
4月1日で、本物とは正反対の“エイプリルフール”だったのでした。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
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色んなふぐ、真鰯、生の本鮪
今日は、宅配便で、
荷物が届きました。一つ目の発泡スチロールに入っていたのは、
活〆にされた4本のとらふぐで、
三重県熊野産でした。二つ目の発泡スチロールは、富山県氷見から届いたもので、
先ず取り出したのが、
真鰯で、その次に取り出したのが、
とらふぐ(同)で、さらに、
小さいふぐが入った袋を、
取り出しました。小さいふぐの種類のうち、最も多かったのが、
まふぐで、13本あり、その次に、多かったのが、
ひがんふぐで、6本ありました。2本あったのが、
ごまふぐで、あとは、どれも1本ずつで、
こもんふぐ、
しょうさいふぐで、小さいながらも、
とらふぐもあり、小さいふぐは、全部で、24本でした。
結局、今日入荷したふぐの総合計は、
29本でした。となれば、気分は、萌え燃え・・・❤
また、これらだけでなく、
築地から、
千葉県銚子産の生の本鮪が、届きました。
先ずは、真鰯の仕込みに取り掛かり、頭を落とし、はらわたを取り除いたら、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、
水洗いしてくれ、ふぐを卸すことにし
氷見産のとらふぐは、オスで、
十分なくらいに成長した白子が、入っていましたが、熊野産は、4本全て、メスでした。水洗いし、拭き上げたのが、
こちらで、見ているだけでも、萌え燃え・・・❤
天然のとらふぐの延縄漁は、禁漁期ですが、これからの時季、各地の定置網漁で、とらふぐをはじめ、色んなふぐが、水揚げされます。
例年ですと、梅雨前くらいまでは、色んなふぐの入荷があるので、萌え燃え・・・❤の気分に浸れるのも、まだまだありそうです。
休市なのに、市場へ
自分が普段通う沼津の魚市場は、基本的に、毎週土曜日が、休みで、
今日(3月19日)も、
休みです。ただ、休みとは言っても、築地のような中央市場をはじめ、開いている市場もあり、少ないながらも、荷物が送られて来るので、完全な休みではありませんし、これまでにも、土曜日に、魚市場に来たことはあります。
そんな時は、予め発注しておいたものを、取りに行くだけのことです。昨日の時点で、
三重県産のとらふぐ(天然)が、水揚げされ、セリ落としてもらうことが出来、
このように、活かしたまま、送られてくることになってたので、今朝は、
魚市場に行って来ました。荷物は数える程度で、
その中から、自分宛ての荷物を見つけるのは、容易でした。容易ではあっても、気になるのは、とらふぐの安否です。
不安ながらも、
中を確認すると、
無事ゆえ、胸をなでおろす共に、萌え燃え・・・❤
このとらふぐの目方は、大きめの3,6キロで、2,5キロ以上4キロ未満のものを、自分は、“大ちゃん”と呼んでいます。ご存じかもしれませんが、自分の定義では、4キロ以上のものが、“ジャンボちゃん”で、0,5キロ以下のものが、“チビとら”です。
取りに来たのは、このとらふぐだけでしたので、そのまま帰ことにしたのですが、
休みの魚市場は、
想像通りでした。
その後、『佳肴 季凛』に戻り、
卸すことにしました。卸すと、
オスで、
巨大な白子が、登場しました。まさにたわわ・・・。
あまりの大きさに、秤に乗せると、
450グラ強で、もう一方は、
550グラム弱で、合計で約1キロでした。魚体そのものは、3,6キロでしたので、約3分の1が、白子の目方になり、まさに“泳ぐ生殖腺”です。
また、今日は、昨日同様、
宅配便で、
築地から、
和歌山県那智勝浦産の生の本鮪(天然)が、届きました。昨日の“連れ”ですので、
当然、身の質は、全く同じで、“会心の一撃”でした。
明日の魚の入荷というか、仕入れはありませんので、少し気楽な朝を、迎えられそうです。
宅配便で届いた生の本鮪、真鰯、とらふぐ
今日は、朝一番に、
宅配便の営業所に、荷物を取りに行きました。仕分けも終わり、積み込んであった荷物を、
先ず受け取り、その後、仕分け前の荷物の中から、
2つの荷物を、
受け取り、
『佳肴 季凛』に戻りました。
最初に開けた発泡スチロールに入っていたのは、
富山県氷見産の真鰯でした。その次が、
愛知県産のとらふぐでした。御覧のように、
小さいサイズのもので、自分は、これぐらいの大きさのものを、“チビとら”と呼んでいます。“チビとら”と言っても、天然のとらふぐには変わりないので、もちろん気分は、萌え燃え・・・❤
そして、
最後に開けたのが、
築地から届いた生の本鮪で、
和歌山県那智勝浦産のものでした。
本鮪は、状態を確認したら、
キッチンペーパーに包み直し、
入っていたように、袋入りの氷を乗せ、冷蔵庫にしまっておきました。最初に仕込んだのが、
真鰯で、
頭を落とし、はらわたを取り除いたら、“チビとら”を、
卸すことにしました。“チビとら”を卸していると、女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、
真鰯の水洗いを始めてくれました。“チビとら”を卸し終えた自分は、
“チビとら”を水洗いし、
拭き上げました。その頃までには、
真鰯の水洗いも終わりました。
市場に行き、そこで仕入れたものを仕込むのは、“出たとこ勝負”のようなものですが、今日のように、仕入れるというより、入荷するものが決まっていて、仕込みをするのは、“出来レース”のようなものです。
どちらが、良いとか悪いとか言えませんが、ちゃんとしたものを仕入れ、お出しするのが、何よりも大事なことで、明日も、そんな仕入れというか、入荷になります。
2日連続で入荷した生の本鮪
これまで、何度もお話ししているように、『佳肴 季凛』でお出ししている鮪は、東京・築地から仕入れており、宅配便で届けられます。
昨日も、いつものように、
届いたのですが、前日の木曜日、鮪屋に発注した時、「今日は、セリ場にもなくて、手持ちのものも、最悪で、季凛さんには、勧めらないんだけど・・・・・。明日まで、待った方が、いいと思いますけど・・・・・。」と、言われました。
「そうは言っても、土曜日の昼に、予約も入っているし、どうしても、必要だから、最悪承知で、送ってくれる?」と、自分は、答えました。
そんなやり取りをして、送ってもらったものの、どの程度のものが、届くのか、心配でした。発泡スチロールを開け、
取り出し、さらに、袋から取り出したのが、
宮城県塩釜産の生の本鮪でした。見た目は、想像していたよりは、良かったものの、
身と皮を外すと、皮に、このような傷があり、当然、
身にも・・・・・。やはり、最悪でしたが、柵取りをし、包丁してみると、
色変わりしていることはなく、及第点をつけることが出来ました。質の良いものは、このようなことがよくあり、“痩せても枯れても、武士は武士”とは、よく言ったものです。
この塩釜産が小さく、御予約分には、足らないので、再び、昨日発注し、
今朝届いたのが、
和歌山県那智勝浦産の生の本鮪でした。昨日の電話で、鮪屋の社長に、「今日のは、間違いなく、季凛さん好みですよ。リベンジを、果たせました!」と、言われていたように、バッチリでした。
こういうやり取りがあるのも、開店以来、7年以上取り引きし、自分の好みや性格、商売のスタイルなど、様々のことを踏まえた信頼関係の上に成り立っているもので、一朝一夕で、生まれるものではありません。
無い時は、他所で買えば、いいじゃないかと思われる方も多いかもしれませんが、仕入れというのは、単なる買い物ではなく、お客様に喜んでもらい、お金を頂き、利益を生み出すことの繰り返しの根本である以上、簡単に済ますことは出来ないものなのです。
今回のような時に備えて、冷凍ものを使ったことも、何度かありましたが、やはり生のものには敵いません。冷凍技術が良くなったから、生のもの以上のものがあるという記述を、目にしますが、それは、あくまでも、宣伝文句でしかありません。
自分がこの世界に、転がり込んだ20年くらい前には、そのようなことがあったのも、事実です。ただ、昨今の水産資源の枯渇を顧みると、このようなことはあり得ません。もとの魚が良くない以上、冷凍すれば、否が応でも、味は落ちます。
そんな状況であっても、生の本鮪に限らず、本物の素材を、とことん追い求め、お客様にお出し出来るよう、自ら“人生の三種の神器”と呼んでいる努力、忍耐、工夫を怠ることなく、日々の仕事に、邁進していきます。