今週は、全て大型バス
今週は、
水曜日、
木曜日と、バス旅行の団体のお客様がお見えになったのですが、どちらも大型バスでの御来店でした。
一日空いた今日も、団体のお客様が大型バスでお見えになるだけでなく、料理も通常の会席料理と同じものでしたので、
7時前から、仕事を始めました。
その頃、
御座敷では、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、
お席の準備をしてくれていました。
普段なら、前日のうちに準備をしておくのですが、夕べのお客様のお帰り時間が遅かったので、半分までしか準備が出来ずに、今日することになり、いつも以上に慌ただしい始まりでした。
ひととおりの段取りを終えたので、
蒸し物の鱧しんじょう蒸しを盛り付けたら、あんをはり、
蓋をして、
温蔵庫にしまっておきましたが、電源を入れるのは、お客様の御来店時間から逆算して、2時間くらい前です。
言うまでもなく、こうすることで、熱々の蒸し物をお出しすることが出来ます。
そして、デザートのブルーベリーのムース、
酢の物の帆立の辛子酢掛けと、
冷蔵庫にしまう都合で、最後にお出しするものから、順番に盛り付けていくようにしています。
その後、先付の茄子のオランダ煮を盛り付け終えたら、
もう一つの先付のもろこし豆腐を盛り付けようとすると、
宅配便で、
生の南鮪(ニュージーランド産)が届き、状態を確認したら、
もろこし豆腐を盛り付けたら、冷蔵庫にしまう料理は、刺身を除き、全て盛り付け終わりました。
刺身は最初にお出ししないのにも拘わらず、最後に盛り付けるのは、その作業に時間がかかるからです。
先程の南鮪を包丁し終えたら、
蛸(愛知産)、小肌(佐賀産)、湯葉と共に盛り付け終え、冷蔵庫へ。
ここまで終わると、盛り付けの殆どが終わったようなもので、
小鍋を盛り付けたのですが、今日の小鍋は、
浅蜊と野菜の小鍋仕立てでした。
小鍋をセットしたら、
お客様の御来店時間が近くなったら、御飯(昆布御飯)、お新香も並べておき、
打ち水をし、お客様の御来店を待つばかりとなりました。
ちなみに、今日の献立は、
このようなもので、自分は完全に把握しているものの、ホールを担当する真由美さん達は、飲み物のご注文を頂くと、ついうっかりが生じてしまい、間違いのないように、団体のお客様のお席があると、
そうこうしていると、
バスが到着し、一気に嵐が吹き荒れたが如く、バタバタモードに。
御食事が終わり、バスに乗り込むと、
いつものように、皆でお見送りをしたら、店内に戻ると、
再び嵐が吹き荒れ、
長靴に履き替え、
洗い物をしてくれ、自分も他の片付けは勿論のこと、仕込みをはじめ、夜の準備に追われていました。
仕事というものは、数が多くなると、とかく雑になりがちですが、御来店されるお客様にとっては、召し上がったもの、受けたサービスでしか、評価することしか出来ません。
たとえ、数が多くなったとしても、全て同じように仕立てるのが、プロのプロたる所以です。
生身の人間がやることですので、100%となると、難しいのは否定出来ませんが、その誤差を小さくし、限りなく100%に近づけてこそ、プロとしての仕事が、評価されると思います。
たた単に美味しい料理を作る以上に、お客様が納得して下さるものとなると、難しい限りで、「言うは易く行うは難し」という諺そのものですが、それをクリアしてこそ、プロにして本物ゆえ、料理の道は、やはり険し以外の何ものでもありません。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい。
土用の丑の日には、美味(うま)いもの
今日は、
全国的に7月20日で、
土用の入りにして、しかも、土用の丑の日でした。
土用というのは、立春、立夏、立秋、立冬の直前の約18日間のことで、季節の変わり目の目安です。
特に、夏の土用、しかも丑の日には、鰻(うなぎ)を食べるのが、風習となっており、それを広めたのが、江戸時代の平賀源内であるのも、ご存じの方も多いかもしれません。
元々は、鰻というより、運がつくというとことに因み、うどん、梅干し、瓜など、うがつく食ベ物なら、何でもよかったようです。
うのつく食べ物を挙げたら、枚挙にいとまが無く、そんなことに固執するよりは、単純に美味(うま)い物でよかろうと思う自分ですので、土用の丑の日は、今が旬まっ盛りの鱧(はも)しか、浮かぶ余地がありません。
そんな今日は、
沼津魚市場で、
大分県産の鱧(はも)を、
合計で4本、仕入れました。
この鱧は、落ち鱧と呼ばれ、途中で死んでしまった鱧ゆえ、エサがお腹に残っていて、その臭いが回ってしまい、使い物にならないこともあるので、
その場で、内臓を抜いておきました。
そして、『佳肴 季凛』に戻ると、4本の鱧は、
鱧の下拵えには欠かせない骨切りをし、このような状態となりました。
ただ、先程お話ししたように、今日は土用の丑の日ですので、美味いものを食し、運をがつくように、
今朝仕入れた鱧を失敬し、鱧しゃぶにして、“お疲れちゃん♪”
さらに、趣を変え、キムチと共に、
さらに運をつけました。
というよりも、運がついたかどうかではなく、美味いものを食し、幸せな気になったことで、それこそが次へのステップで、明日もさることながら、暑い日々も、頑張れそうです。
ただ、如何せん、この暑さだけには、絶句そのもので・・・。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
『もものお酒』と『ピーチツリー』
この時季は、デザートでお出しする桃のアイスを仕込むため、
山梨県産の桃を仕入れるのですが、
そのままの状態で使わないので、
売り物にならない、所謂アウトレットの桃です。
アウトレットとは言え、甘味と香りは何ら問題なく、それどころか、傷さえなければと思うものが、多いこともあります。
桃のアイスの仕込み方は、前編と後編の2回に分けてお話ししたことがありますが、桃のアイスに限らず、どんな仕込みでも、その時によって色々と変えたりするものです。
ここ最近、桃の下拵えは、
果肉だけにした桃に、
上白糖を合わせて、桃のリキュールを入れてから、蒸し煮にしていました。
この上白糖の分量も、それこそ適当なのですが、適当なのは、桃の甘さに違いがあるだけでなく、最後の味付けの段階で、微調整がつくからです。
ただ、濃いめにすると、微調整も出来ないので、上白糖の量は、少なめにしています。
今お話ししたように、仕込みの仕方は、思いつくままに、繰り返す試行錯誤ゆえのもので、今回はこれまで使っていた桃のリキュールだけでなく、
桃の果汁50%入の『もものお酒』と、
桃のリキュールの王道とも言うべき『ピーチツリー』も、
使ってみました。
『もものお酒』は、
果汁入りですので、乳白色をしており、一方の『ピーチツリー』は、
リキュールそのものの無色、透明でした。
そして、
『もものお酒』と、
『ピーチツリー』を注ぎ、
蒸し煮にし、
このまま冷ましたものでも、デザートそのものであるのは、言うまでもありません。
さらに、
フードプロセッサーに掛け、
ピューレ状にしたら、
一度に使い切ることは出来ないので、分量を量り、真空パックしてから、冷凍しておきました。
冒頭でもお話ししたように、これまではアイスに仕立てて、お出ししていたのですが、今度はムースにして、お出ししてみようと思っていますし、料理は、どこまでいっても試行錯誤の連続で、それも料理の魅力の一つと言っても、過言ではありません。
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今日も明日も、バス
今日は、ランチタイムにバス旅行の団体のお客様が御来店することになっていたのですが、
残りのお席と御来店時間の都合で、
このようなお詫びを掲げさせて頂きました。
道路もさほど混雑しておらず、予定通りに到着すると、
ここからは、一気にバタバタモードとなり、御食事を済ませ、程なくすると、
出発時間となり、いつものように、皆でお見送りをしました。
そして、お客様がお帰りになったとならば、洗い場は、
洗い場は、文字通りの洗浄から、戦場と化し、再びバタバタモードに突入。
そして、掃除をし終えたら、御座敷の一部を、
明日のバスの団体のお客様用に、
セットをしておき、洗い上げた器も仕舞わずに、
番重(ばんじゅう)に、
明日の器を用意しておきました。
明日も、今日と同じ様な状況とはいえ、バスの団体のお客様の御来店時間が遅めとなっているので、早めのお時間なら、お席の御用意が可能ですが、御来店の際には、お席の確認をして頂けると、幸いです。
お手数ですが、宜しくお願い致します。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
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連休明けにして、定休日明け
月曜日が定休日の『佳肴 季凛』ですので、火曜日の今日が、一週間の始まりで、そんな今日は、沼津魚市場に仕入れに行って来ました。
いつものように、いの一番に、活魚売場に行くと、
売場の隅に、
予め注文しておいた鱧(はも)がありました。
この鱧は、大分産のもので、
落ち鱧と呼ばれ、途中で死んでしまったもので、お腹の中にエサが残っていて、その臭いが回ってしまい、使い物にならないようにするため、
その場で、はらわたを抜いておきました。
鱧と言えば、先週は悪天候の影響もあり、入荷が少なかっただけでなく、値段も暴騰していましたが、
大分産を中心に、入荷も安定してきたので、ひと安心し、別の売場に向かうことにしました。
売場に着くと、
島根県産と、
高知県産のものが、
残っており、高知県産の鯵の方が、鮮度も良く、大きさも好みだったので。、1ケース仕入れることにしました。
さらに、別の売場に行くと、貝類などを仕入れる問屋では、
荷物が届いたばかりで、
その仕分けに追われており、
徳島県産の岩牡蠣が並ぶと、
この5個を選り抜き、ひととおりの仕入れを終え、魚市場から帰ることにしました。
連休明けにして、定休日明けということもあるだけでなく、
明日、明後日とバス旅行の団体のお客様が御来店されることもあり、魚だけでなく、
先付のもろこし豆腐、
デザートのブルーベリーのムース、
サラダ素麺の野菜(長葱、茗荷子、茗荷竹、アーリーレッド、赤と青ピーマン、黄パプリカ、人参、アーリーレッド、レッドキャベツ)など、諸々の仕込みがあり、ランチの営業後も、仕込みをしました。
仕込みの目途がついたこともあり、
休憩前に、お昼を食べることにし、三重県熊野から昨日届いた鰹と、
今朝の鯵を使い、“鯵かつ丼”を食べたのですが、鯵は今が旬ということもあり、鰹よりも脂がありましたが、鰹好きの自分としては、どこまでいっても鰹でしかありません。
仕入れに行き、仕込みに追われた一日も、ようやく終わりが近づき、お客様がお帰りになったら、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんと、明日のバスの団体のお客様の器出しをし、一日が終わりました。
仕事は終わっても、“お疲れちゃん♪”なくしては、本当の終わりは来ないのは言うまでもなく、
お昼に続き、再び鰹が参上しました。
朝食を基本的に食べない自分ですので、三食連続で鰹と相成り、これにて打ち止めゆえ、我慢せざるを得ず、連休明けにして、定休日明けの一日を締めた次第です。
心底飽きるまで、何食連続で食せるのか、自分でも気になりますが、未来永劫続けられるような気がしてなりません。
食べ物の好みは、色々あるかと思いますが、そんな食べ物って、ありますか?
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい。
定休日の鰹は、三重県熊野灘産
今日は、定休日でしたが、8時前に、
三重県から届くことになっていた荷物を、
受取りに行って来ました。
『佳肴 季凛』に戻り、
開けて、取り出すと、
鰹が参上なり。
定休日に鰹ということは、勿論のこと、今宵のおかずです。
卸したら、
氷を敷いたバットに乗せ、
FIRE!
焼き目をつけたら、
ひっくり返し、粗熱を取っておきました。
夕方になり、
盛り付け、今宵の食卓に・・・♬
全て刺身にしたわけではなく、残ったというより、
明日のお昼に鰹丼にするため、あえて半身は残しておきました。
ありとあらゆる刺身の中で、ダントツに好きなのが鰹ゆえ、不完全燃焼そのもので、鰹好きの自分としては、断腸の思いと言っても過言ではありません。
ちなみに、自分の鰹好きについては、以前お話ししたことがあるので、それについては、こちらをお読み下さい。
好きなものを残しておくよりは、早めに味わいたい性質(たち)なのですが、別の味わいを堪能するため、丼に仕立てることで、良しにしておきます。
既に食したのですが、美味し鰹。嗚呼、鰹にして、あな鰹。
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お持ち帰りの鯛の焼物
昨日、最後にお話ししましたが、お弁当と共に御用意したのが、
鯛の焼物です。
お客様が取りに見えるのを待っていたので、ラップをかぶせてあるのですが、仕上がったのは、
このようなもので、切身にしたものを焼いてから、盛り付けてあります。
鯛の焼物は以前お話ししたことがありますが、今回改めてお話しさせて頂きます。
鯛は、ご予算の関係から、静岡県沼津産の養殖のもので、
箱に書かれているように、
そのまま締めたもので、お弁当を御用意した2日前の木曜日に、沼津魚市場で仕入れたものです。
持ち帰ったら、
鱗を取り、
三枚に卸してから、
活締めのものですので、身を落ち着かせるため、明くる日(昨日)まで、このまま冷蔵庫にしまっておきました。
切身にしたものを、一番出汁、薄口醤油、日本酒、味醂、赤酒を同割にしたもの20分ほど漬けておき、今朝焼いたのですが、姿で盛り付けるため、
串は打たずに、焼き上げています。
頭と中骨は、
妻楊枝を使い、
ひれを立たせてから、塩をして、焼くのですが、焦げないように、振った塩のことを、化粧塩と呼んでいます。
焼き上がった頭と中骨を盛り付けたのですが、
お持ち帰り用ですので、
器は、
プラスチック製のものです。
2枚目の写真のように、
盛り付けたら、
持ち運びしやすいように、お盆ごと、ラップで包んでおきました。
お近くにお住まいのお客様ですので、お盆は、その日のうちに返して下さいましたので、ご心配なく・・・。
昨日のお弁当も然りですが、ご要望に応じて、可能な限り、色々と対応させて頂きますので、お気軽にお問い合せ頂けると幸いです。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
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サーモンの西京焼入りのお子様用のお弁当
今日は、ご自宅で御祝いのお席を設けるお客様からのご注文で、
お弁当を御用意させて頂きましたが、こちらのお弁当は、大人のお客様用で、一緒に、
お子様用のお弁当も、御用意しました。
御覧のように、サーモンの西京焼に、鶏肉の照焼、玉子焼、あしらいのミニトマト、俵型の御飯と、至ってシンプルなものです。
普段、お子様用のお弁当として、
御用意しているお弁当は、
このようなものですが、焼物が好きなお子様ということで、至ってシンプルな西京焼弁当となりました。
仕上がったら、
お祝いの御席のお弁当ですので、
紅白の紐をかけ、
箱詰めし、お客様が取りに見えるのを、待つばかりとなりました。
また、今日は、お弁当とは別に、
鯛の焼物も、別途でご注文を頂きました。
次回は、お持ち帰り用の鯛の焼物について、お話しさせて頂きます。
特大のサーモン(ノルウェー産)
御中元の『西京漬』の仕込み、箱詰め、
包装、
発送などが、
ルーチンと化していましたが、ピークを越え、普段のペースになりつつあります。
『西京漬』は、銀鱈、サーモンを中心に、鯖も御用意しており、どれも、沼津魚市場で仕入れた魚で仕込んでいますが、サーモンは、
ノルウェー産の養殖で、自分が仕入れるのは、
5キロ台のものが殆どです。
というのも、入荷してくるサーモンの大きさは、5キロ台ですので、自ずとそうならざるを得ません。
サーモンに限らず、養殖の魚は、小さくても大きくても、採算が合わないので、それに見合う大きさで出荷するようになるのです。
とは言え、例外というものは、どこにでもあるもので、一ヶ月近く前、
沼津魚市場に、
普段の大きさを遙かに凌ぐ、特大のサーモンが、4本入荷しており、立ち止まってしまいました。
普段入荷してくるサーモン同様、
4本全てノルウェー産で、それぞれの目方は、
17.6キロ、
17,1キロ、
17,4キロ、
18,4キロと、通常のサーモンの3倍強の目方でした。
3本一度に仕入れるよりは、仕込みの手間は、かなり減るとは言え、切身の大きさなど、色々と厄介な部分があるので、結果として、素通りした次第です。
ただ気になるのが、キロ単価で、往々にして、大きめの魚は、お値打ちになることも多く、この日もそうだったかもしれません。
今度目にすることがあったら、色々と、訊いてみることにします。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
【佳肴 季凛】店主兼熱血料理人の自分が、
このように紹介されております。ご興味、ご関心のある方は、上の写真をクリックして、ご覧下さい。
神奈川県佐島産の蛸(たこ)
沼津魚市場に仕入れに行くと、一番最初に向かうのが、
活魚売場で、今朝も然りでした。
生簀には、
神奈川県産の蛸が、
入荷していました。
ここ最近、時々入荷していたのですが、神奈川県産としか、札に書いてなかったこともあり、あえて気にも留めずにいたところ、売場の担当者に訊くと、三浦半島の横須賀・佐島産とのことでした。
佐島と言っても、殆どの方は、耳にしたこともないかもしれませんが、佐島は、東日本では、ブランドとも言うべき産地の一つで、西日本は、兵庫県明石がトップブランドで、全国区であるのは、広く知られているのは、言わずもがなです。
かれこれ、20年以上前、東京の鮨屋での修行時代、佐島の蛸を築地で仕入れ、仕込んでいたこともあるので、自分にとっては、蛸の原点も言うべき産地と言っても、過言ではありません。
そんな佐島の蛸の味が良いのは、相模湾に面し、蛸の生息に適した磯根に恵まれ、黒潮による栄養豊富な海流がぶつかるため、餌となる鮑(あわび)や栄螺(さざえ)などの貝類、伊勢海老などの甲殻類が多く生息し、それらを餌としているからです。
言わば、グルメと言うべき蛸ゆえ、嫌が応にも、味は良くなるのは、想像に難くありません。
夏場となり、魚全体の入荷が少なくなる“夏枯れ”に備え、物色してみると、
2はいの2,2キロと、
2,4キロのものが、目に留まりました。
自分が仕入れる蛸の大きさは、最低でも2キロ、出来ることなら、2,5キロ以上と決めており、その理由は、味が良いことによります。
また、大きい方が、盛り付けた時に、見た目も良いことも、大きいものを仕入れる理由の一つでもあります。
目をつけた3はいの中で、一番足が太く、良さげだったのが、2はい入荷していたうちの2,2キロの左側のものでした。
仲買人と作戦を立て、セリに臨むと、
2,2キロのものを、セリ落としてもらうことが出来たのですが、最高値だったこともあり、他所の仲買人の札があっても、自分の方に選択権があるので、当初の予定通り、左側の方を選りました。
活きているので、生簀の中で動くこともあっても、選択権は自分にあるので、右に居ようと、左に居ようと、何ら関係ありません。
この蛸が、今朝最後の仕入れとなったので、ブクブクをセットした発泡スチロールに、
蛸を移し、魚市場から帰ることにしました。
『佳肴 季凛』に戻ると、
蛸を取り出し、仕込むための準備に取り掛かりました。
自分の蛸の仕込み方は、大根卸しと炭酸水を使って、ぬめりを取るのですが、その仕込み方については、以前、【真空調理で仕込む蛸(たこ)・前編】と、
【真空調理で仕込む蛸(たこ)・後編】と、2回に分けてお話ししたことがあります。
仕込み方は、それぞれをクリックして頂ければ、お分かりになると思いますが、なかなかの手間とはいえ、
このように仕上がり、一度に使い切ることは出来ないので、先程お話ししたように、“夏枯れ”に備えて、冷凍しておきました。
ところで、昨日は、
横須賀在住の知人から、
偶然にも、
佐島産のボイル済みの蛸を送ってもらい、
ぶつ切りにして、
“お疲れちゃん♪”のお供に食したところ、小さいながらも、茹で加減もなかなかで、普通に売られているボイル蛸とは違う美味しさでした。
ちなみに、普通に売られている蛸は、国産は皆無に近く、モロッコ、モーリタニアなどの外国産で、魚市場などでは、アフリカ蛸と呼ばれています。
食品表示法という法律もあるので、昨今では、地蛸(じだこ)という表記を目にすることはありませんが、くれぐれもお間違えのないようにしてください。
★☆★ 日本料理の匠 ★☆★
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