桃(もも)のアイス 後編
前回に引き続き、桃のアイスの作り方のお話しです。
アイスの素を作るのに、桃の煮汁を、
鍋に移し、
上白糖と、
蜂蜜を加えたら、
水でふやかした板ゼラチンを入れ、火にかけ、ゼラチンが溶けたら、裏漉し、
ピューレ状の桃を、
合わせ、ボウルごと氷水をあてながら、冷まし、
風味づけの桃のリキュールと、
レモンの果汁を入れました。
前回お話ししたように、初めて作るということもあり、甘味の分量、味のバランスは、大体の目安で、結果的に、もう一息の味でしたので、
桃のジュースの大御所的存在でもある『不二家 ネクター』と上白糖を合わせ、
アイスの素に加えると、ようやく味全体がまとまりました。これを、
アイスクリームマシンにかけると、
このような状態になり、ようやく完成しました。作りおきして、冷凍しておいても、風味は落ちていってしまうので、今回仕込まなかったアイスの素は、
真空して、冷凍庫にしまいました。こうすることで、新鮮な桃の美味しさを、いつでも味わうことが出来ます。
今更ですが、『佳肴 季凛』でお出ししている料理は、基本的に、先付からデザートに至るまで、全て自分が手作りしたものですが、時には、既製品を使うこともあり、数少ない例外については、こちらをお読み下さい。
ただ、作り方、レシピをこんな風に、公開していいものかと思われるかもしれませんが、自分は、一切の躊躇(ためら)いもなく、お話ししているのには、大きな理由があります。
自分に限らず、どんな料理でも、それを作るための技術は、師事した親方、先輩、同僚、時には、後輩にも教えてもらったことの上に、成り立つもので、100%のオリジナルはあり得ません。だとしたら、自分が覚えた技術を、人に教えてあげることは、義務と言っても、過言ではないはずです。
どんな形であれ、自分の料理をモチーフにした料理が生まれたのならば、自分の料理が評価されたことの証明で、さらに、その料理を食べたお客様が、美味しいと言ってくれたとしたら、二重の評価を受けたことになり、料理人冥利に尽きること、この上ありません。
そんな想いを抱きながら、明日からも、料理の道を、歩き続けます。
★★★ 夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』 ★★★
当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。
当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
桃(もも)のアイス 前編
これまで、色んなアイスを作ってきましたが、今日初めて作ったのが、
桃のアイスです。これまで、作る機会が何度もあったのですが、なかなかタイミングが合わず、ここまで来てしました。
使った桃ですが、
このようなもので、味はちゃんとしているのですが、
商品にはならないB級品で、
桃の生産量が、全国1位の山梨県産のもので、2位が福島県で、3位が長野県です。なお、桃の生産量は、この3つの県で、約7割となっています。
その作り方ですが、皮を剥いてから、
適当な大きさに包丁しておきます。この桃を仕込むのに、
鍋に、白ワインを入れ、
沸騰させ、アルコール分を飛ばします。ちなみに、このワインは、
フランス産の『フォルタン シャルドネ』です。
沸騰したワインを、桃の入っているバットに入れたら、
10分程度、蒸し煮すると、
このようになり、ボウルに移して、
煮汁ごと冷まします。冷めたら、
煮汁と果肉に分けておきます。果肉を、
フードプロセッサーにかけると、
桃のペーストが、出来上がり、
桃の煮汁(写真 左)とペースト(同 右)は、このようになり、下拵えはとりあえず終わりました。この後、アイスの素を仕込むのですが、それについては、次回とさせて頂きます。
★★★ 佳肴季凛謹製 贈答用 西京漬 ★★★
当店では、お中元、お歳暮などの贈り物に最適な『贈答用西京漬』をご用意いたしております。
銀鱈、サーモン各3切入 税別 3,480円 ※クール便にて発送可
店主自ら、魚市場で吟味した“銀鱈”、“サーモン”を使用し、お手製の有機西京味噌で仕込んだ逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
摘果蜜柑(みかん)の果汁搾り
毎年この時季になると、お客様から頂くのが、
摘果した蜜柑です。そして、いつものように、これを使って、蜜柑のアイスを作ります。
作る時は、先ず果汁を搾るのですが、
半分に包丁してから、
一つずつ手作業で搾ります。これだけの数になると、女将兼愛妻(!?)の真由美さん一人では、それこそ、夜が明けてしまうので、こんな時は、
アルバイトにも、手伝ってもらいます。特に、今日はランチの営業をしながらの仕事でしたので、
お客様の料理をお出しながらの作業でした。
包丁しては、
それぞれに渡すという人海戦術の作業でした。それでも、3人がかりで搾れば、
ランチの営業時間内に終わらすことが出来、
蜜柑の果汁が、約7リットル取れました。アイスに仕込むのは、明日以降の予定ですが、これだけあると、しばらくの間、アイスの仕込には、不自由しそうにありません。
蜜柑のアイスのクリームソーダ
Facebookと、Twitterをご覧下さい。日々の様子が、ご覧になれます。
今日は、定休日です。定休日といっても、仕込みをしなくてはならないことも多いので、休みらしい休みを、ここ一ヶ月、取ったことがありませんでしたが、今日は、仕込みも一切無く、完全なオフにすることが出来ました。
休みだからといって、ブログも休みにする理由もないので、更新します。
ここ最近、【佳肴 季凛】でお出ししているアイスは、“蜜柑(みかん)のアイス”です。
もちろん、手作りです。ちなみに、作り方は、こちらをご覧下さい。
普段は、このまま召し上がっていただくのですが、この“蜜柑のアイス”を使って、ちょっと面白いものを作ってみました。
まず、グラスに氷を入れ、
ウオッカベースの飲み物である“樽ハイ”を注ぎます。
これに、“蜜柑のアイス”を盛り付け、
ミントをあしらえば、タイトルにもある“大人のクリームソーダ”の出来上がりです。大人と記したのは、アルコールである“樽ハイ”を使っているからです。まさに、デザートとお酒のコラボレーションです。
甘くて、飲みやすいので、お酒好きの方には、ぴったりの“締め”です。ただ、口当たりが良過ぎるので、注意が必要です。ビールタンブラーぐらいの量が、“締め”には、いいかもしれません。
また、この“大人のクリームソーダ”は、お品書きには書いてありませんが、飲んでみたい方は、ご来店の際に、ご注文して下さい。
★★★ 冬の特別献立 ★★★
女性のお客様に限り、会席料理“冬ごもり”(女性限定)を、御用意致しました。
(お一人 3,500円 食事、デザート付 全9品)
なお、“冬ごもり”は、ご予約なしでも、お召し上がり頂けますが、11月22日~12月21日までの金、土曜日以外の御用意となっております。
吟味した素材が奏でる冬の味覚の数々を、味わいながら、楽しいひと時をお過ごし下さい。
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店主 志村
柿のコンポート
ここ最近のTwitterは、ふぐ絡みですが、先ずは覗いてみて下さい。
そんな前置きはともかく、深まりゆく秋の果物と言えば、
“柿”。日本人が好む味わい、風味は、秋そのものとしか言い様がありません。ちなみに、この“柿”は、
山梨県産です。
時季だからと言って、当店は日本料理店である以上、デザートとして、そのままお出しすることは、出来ないので、どうしても一手間。場合によっては、幾つものの手間が、必要です。
そんな手間をかけたのが、
“柿のコンポート”です。見た目は、切った“柿”を盛りつけただけのように見えますが、一手間を加えてあります。
その作り方ですが、皮を剥いた“柿”を、レモンの搾り汁と塩を入れた水に入れます。
その後、この“柿”を、てんさい糖、日本酒、水で作ったシロップと一緒に、
真空パックします。そのまま、2、3日すれば、出来上がりです。
コンポートというと、煮て作るのが一般的ですが、この“柿のコンポート”は、煮ていないので、やわらかくなく、食感は生の“柿”そのもので、素材感のある味わいです。一手間加えた素材を、是非味わってみて下さい。
★★★ 冬の特別献立 ★★★
女性のお客様に限り、会席料理“冬ごもり”(女性限定)を、御用意致しました。
(お一人 3,500円 食事、デザート付 全9品)
なお、“冬ごもり”は、ご予約なしでも、お召し上がり頂けますが、11月22日~12月21日までの金、土曜日以外の御用意となっております。
吟味した素材が奏でる冬の味覚の数々を、味わいながら、楽しいひと時をお過ごし下さい。
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店主 志村
2011.11.1|デザート 野菜・果物(フルーツ) |permalink|コメントはまだありません
夕張メロンのアイス
Twitterを、ご覧下さい。日々の様子が、覗けます。
一から十まで、と言うより、千まで、自分で手作りをしないと気が済まない性分ですから、デザートも当然手作りです。
『佳肴 季凛』では、よほどのことがない限り、お品書きに“季の果”と記してあるムースやコンポートだけでなく、アイスの2種類のデザートをご用意しています。ちなみに、アイスは時季によっていろんなものを作っているので、“季のアイス”としてあります。
そんな“季のアイス”は、先日までは、“西瓜のアイス”で、その後にお出ししているのが、
“夕張メロンのアイス”です。
“夕張メロン”と言えば、
鮮やかなオレンジ色の果肉が一番の特徴で、その品質は、作付・栽培・選果・出荷をJAに一元化することで実現されたもので、厳選されたブランドメロンの代名詞の一つでもあります。
そんな“夕張メロン”を使ったアイスの作り方ですが、半分に包丁してから、種を取り除くのですが、種の周りの部分は、甘味が詰まった部分なので、
ザルを使って、果汁を絞ります。果肉は、適当な大きさに包丁してから、
フードプロセッサーにかけ、
“夕張メロン”のジュースにします。これを使って、アイスにするのですが、基本的な作り方は、以前作った“マスクメロンのアイス”と、同じなので、そちらをお読み下さい。
出来上がった“夕張メロンのアイス”の味ですが、芳醇としか言い様がありませんし、贅の極みとも言えます。そんな“夕張メロンのアイス”を、是非味わってみて下さい。
★★★ 夏期限定 鱧(はも)会席 ★★★
只今、夏期限定コースとして、鱧料理をご堪能いただけるコースをご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
『鱧づくし』 (ランチ) 、 『鱧彩々』 (夕席)と銘打ちました。
この時期美味しい鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は、【鱧会席】のページをご覧下さい。
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店主 志村
人参(にんじん)のムース
Twitterを、お読み下さい。営業時間の変更や仕入れの様子が、ご覧いただけます。
いきなりですが、
“人参”です。ごくごく普通の人参です。人参と言えば、誰もが知っている野菜の一つです。そんな人参を使って、作ったのが、
“人参のムース”です。今日デビューした【佳肴 季凛】の新しいデザートです。
その作り方ですが、先ず人参の皮を剥いて、蒸して、裏漉して、・・・・・。というのではなく、“人参”のジュースを使っています。こちらが、そのジュースです。
“人参”のジュースとは言っても、ごく普通のものではありません。
このジュースの原料の“人参”を作っているのが、販売者のところに名前が書いてある富士宮市の【なごみ農園】の宮田さんで、【佳肴 季凛】の提携農家の一人でもあります。
マクロビオティックを基本に据えている当店の提携農家の方ですから、無農薬・有機栽培の野菜を作っているのは、言うまでもありません。
話しが前後してしまいましたが、その作り方です。
鍋にマスカルポーネチーズを入れ、そこに卵の黄身を混ぜ合わせます。
よく混ざったら、そこに豆乳を入れて、のばしていきます。ご覧のように、豆乳は、有機のものです。
その中に、上白糖を加えたら、水でふやかしたゼラチンを入れます。
そうしたら、その鍋を火にかけ、ゼラチンを煮溶かします。溶けたら、裏漉して、ボールごと氷水にあてて、冷まします。
今度は、そのボールの中に、白ワインとレモンの絞り汁を加え、
かき混ぜながら、“人参”のジュースを入れていきます。完全に混ざったら、
泡立てた卵白と、ホイップした生クリームを加え、均一になるよう混ぜ合わせ、固まりかけてきたら、
流し缶に流し、冷蔵庫で冷やし固めます。ただ、今回は、初めて作ったこともあり、仕上がりの量に、誤差が出てしまったので、余ったムース液は、ラップで茶巾に絞って、固めることにしました。
さて、この“人参のムース”の味ですが、もろに“人参”の味はしませんが、口に入れ、溶ける瞬間に、“人参”の風味が、程よく残ります。“人参”らしくて、“人参”らしくない味わいという感じかもしれません。
逆に、“人参”そのものが主張してしまうと、一口入れただけで、“人参”嫌いになってしまうような気分になってしまいます。
“人参のムース”のように、野菜を使った料理や、季節の果物を使ったデザートは、その素材の持ち味や存在感をいかしながら、作らなくてはならないのが、何よりも難しいものです。
そして、そこを容易に見極められるようになりたいのですが、なかなかそこに到達出来ないのは、まだまだ修業が足りないことの証ゆえ、明日もまた、料理の道に精進するしかないのです。
★★★ 期間限定 会席料理 ★★★
2月、3月限定、しかも女性のお客様限定の会席料理(夕席)“春仕度”ですが、4月末まで御用意致しております。
先付に始まり、食事、デザート付の全9品(お一人 3,000円)のコースとなっております。
なお、ご予約なしでもお召し上がれますが、土曜日以外のお仕度となります。
吟味した食材で奏でる“身体にやさしい、美味しい日本料理”を、召し上がって、楽しい一時をお過ごし下さいませ。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
もっと面白い記事へのモチベーションUPの為、ランキングに参加しております。
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店主 志村
沢山搾りました!
真由美です。
ここ最近、『佳肴 季凛』でお出ししているデザートは、
“苺のムース”と、
“オーガニックココアと豆乳のアイス”です。どちらも、親方である志村さんの手造りです。私ではありません。お客様の中には、デザートは私が作っていると思っている方も多いようですが・・・。
そんな私でも、デザート作りの手伝いぐらいはします。
先日のことです。みかんを沢山もらったので、搾ることになりました。と言うより、搾るように言われたのですが・・・。
みかんを半分にしてから、搾ったのですが、こんなに沢山あると、仕事しづらいので、
踏み台に乗って、搾ることにしました。それでも、なかなか終わらないので、
バイトさんにも手伝ってもらうことにしました。
二人でやったので、何とか終わらせることが出来ました。
みかん100%の果汁です。こんなにも搾れたので、一杯飲んでみました。
酸味もそれほどなく、美味しかったです。
この果汁が、どんなデザートになるか楽しみです。というより、そのデザートの味見が一番楽しみな私です。
最後は、志村さんからです。志村さんのTwitterもご覧になってください。
★★★ 期間限定 会席料理 ★★★
2月、3月限定、しかも女性のお客様限定の会席料理(夕席)“春支度”を、御用意致しました。
先付に始まり、食事、デザート付の全9品(お一人 3,000円)のコースとなっております。
なお、ご予約なしでもお召し上がれますが、土曜日以外のお支度となります。
春には、まだ早いですが、吟味した食材で奏でる“身体にやさしい、美味しい日本料理”を、召し上がって、楽しい一時をお過ごし下さいませ。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
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店主 志村
P.S あと冬期限定ランチの“佳肴”も、まだ召し上がれるので、是非こちらもどうぞ。
(全9品 4,200円)
林檎(りんご)のアイス
Twiiterも、お読み下さい。リアルタイムの『佳肴 季凛』がご覧になれます。
昨年の暮れから、デザートとしてお出ししているのが、
“林檎(りんご)のアイス”です。
いうまでもありませんが、このアイスに欠かせないのが、りんごです。今回使ったのは、広く知られた品種の“ふじ”です。
まず、りんごをきれいに洗ってから、
芯をくり抜きます。それを、オーブンに入れて焼きます。
大きさにもよりますが、200度で、20分というのが、目安です。このままでも、十分美味しく、とりわけ、焼いた時に出るりんごの果汁の濃厚さは、言葉では表現出来ません。
それから、皮を剥き、残った芯や種を取除いたのが、こちらです。
さらに、これをフードプロセッサーにかけ、りんごのピューレにします。これとは別に鍋の中に、マスカルポーネチーズと卵黄を入れ、良く混ぜ合わせます。
普通は、これを牛乳で伸ばすのですが、マクロビオティックを基本に据えている当店では、豆乳で伸ばしていきます。
勿論、この豆乳も、無農薬・有機栽培の大豆で作られたものです。そこに砂糖、ふやかしたゼラチンを入れ、溶けたら、漉します。専門用語でいうところの“アングレーズソース”の出来上がりです。
そこに、風味付けのために、りんごのリキュールを入れます。
さらに、その中に、先程のりんごのピューレを入れ、良く混ぜ合わせます。
これが、冷めたら、泡立てた卵白と生クーリームを入れます。
これで、“アイスの種”の出来上がりです。
今度は、この“アイスの種”をアイスクリームマシンに入れます。
20~30分ほどで固まったら、出来上がりです。
この“りんごのアイス”ですが、焼くことでりんごの旨味が凝縮されるだけでなく、りんごの酸味が和らぎます。
ここからは、あえて自分の独断と偏見で、お話しさせてもらいますが、これまで作ったアイスの中でも、もっともプロの料理人らしいアイスが、この“りんごのアイス”です。
手間ひまをかけることによって、りんごというごくありふれた食材が、格調高い逸品に仕上がっているのが、その何よりの理由です。
これまでにも、何度かお話ししたことがありますが、日本料理店のデザートといえば、かつては走りや旬の果物を切ってお出しするのが、常でした。
しかしながら、最近ではフレンチやイタリアンの影響もあり、デザートも献立を構成する一品と考えられるようになってきました。
ただ、あまりに手をかけすぎたり、本来の良さが失われては意味がありませんので、シンプルでありながらも、奥深い表現を組み込むことも重要です。
また、手造りすることによって、オリジナリティーを出すことが出来るだけでなく、コストを抑えることも出来ます。
料理人の中には、「既製品やフルーツを切るだけで十分。」と言う人も、多くいますし、それはそれで間違っているとは、思いません。
ただ、自分としては、数あるお店の中から、わざわざ『佳肴 季凛』に足を運んでいただく以上、デザートだけでなく、どんな料理にも、出来る限りの手間ひまをかけたいものです。
そうは言っても、思うような一品というのは、なかなかどころか、全然と言っていいほど浮びません。でも、この道を選んでしまった以上、或る種の“諦めの境地”で進むしかありません。
★★★ 期間限定 特別ランチ ★★★
冬期限定で、ふぐ料理【 “ふぐ皮刺し”、“ふぐの唐揚げ” 】
をご堪能出来る、特別ランチコース(全9品)を御用意致しました。
ランチで忘年会を、お考えのお客様向けのコースです。
もちろん、ふぐは、自らの目利きで仕入れた天然のとらふぐです。
この時季ならではの本物の味を、是非ご賞味下さい。
皆様のお越しお待ち申し上げております。
(全9品 4,200円)
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
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店主 志村
2011.1.6|デザート 野菜・果物(フルーツ) |permalink|2件のコメント
果汁100%ベースの西瓜(すいか)のアイス
Twitterでは、お昼の時点で呟いていたのですが、今日仕込んだのが、
“西瓜(すいか)のアイス”です。
ただ、西瓜というのは、デザートやお菓子等に仕立てるのが難しい食材で、本やネットで見ても、これと言ったものもなかったので、知り合いのフレンチのシェフに、聞いてみることにしました。
「シェフ、西瓜を使って、デザートを作ったことある?」
「無いんです。」
「じゃ、何か思い浮かぶものは?」
「これと言ったものも浮びませんよ。」
「そうだよね。西瓜は簡単に言えば、野菜っていうだけじゃなく、甘い水の塊だからねぇ~。」
「それに、あの青臭い香りがネックだし、あと考えられるのは、コンポートにするくらいでしょうけど、それじゃ面白みも無いですからねぇ~。」
「う~ん、何かやってみるよ。」
「期待してますから。」
といったやりとりで終わったのでした。
とりあえず、包丁をしてから、考えることにしました。
眺めていても、仕方がないので、“マスクメロンのアイス”も、もうすぐ終わるので、駄目もとでアイスを作ることにしました。また、英語で言えば、西瓜は“ウォーターメロン”ですから、“メロン”つながりで、上手くいくかもしれないという妙な願掛けもあったので、アイスにしたのです。
半分に包丁した西瓜は、適当な大きさに包丁してから、
フードプロセッサーにかけてから、
種と繊維質を取除くため、笊で漉したのが、
西瓜の果汁です。
ここで悩んだのが、コクをつけるために、ヨーグルトや生クリームなどを使うのか、それとも素材感を生かすのか、ということでした。ただ、マクロビオティックを基本に据えている『佳肴 季凛』ですし、「素材に勝る味付けは無し」の格言こそが、料理の真髄ですから、自分は後者を選択しました。
ただ、今回は失敗するかもしれない前提での仕込みですから、使う砂糖も上白糖にしました。また、手探り状態での仕込みでしたので、写真がないのもご容赦下さい。
この果汁を少し取り出してから、水でふやかしたゼラチンをいれ、煮溶かします。この時、西瓜特有の青臭さを抑えるために、
オレンジのリキュールである“コワントロー”を入れます。ちなみに、切ったままの西瓜にかけても、美味しく食べられるので、機会があれば是非試してみて下さい。西瓜が、ワンランク上の味に変わります。
そこに砂糖を加えた果汁を混ぜて、アイスの種を作ります。これをアイスクリームマシンにかけます。
固まりかけてくると、こんな感じになってきます。
ここまで固まったら、
バットに取り、冷凍庫に入れて固まれば、完成です。と言うより、今回は成功でした。
その味ですが、果汁を固めたわけですら、西瓜そのものです。ほのかに感じられる西瓜の青臭さが、爽やかさだけでなく、後を引く香りでもあります。
また、淡いピンク色ゆえ、清々しさも感じられ、酷暑とも言える、今年の夏の暑さを忘れさせてくれます。まだまだ、この暑さは続くようですが、くれぐれもご自愛下さい。
★★★ 夏期限定 鱧(はも)会席 ★★★
只今、夏期限定コースとして、鱧料理をご堪能いただけるコースをご用意して、皆様のお越しをお待ち申し上げております。
『鱧づくし』 (ランチ) 、 『鱧彩々』 (夕席)と銘打ちました。
この時期美味しい鱧の味を、是非ご賞味下さいませ。
詳細は、【鱧会席】のページをご覧下さい。
最後までお読みいただきまして誠に有り難うございました。
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店主 志村