ジャンボサイズの天然真鯛(まだい)
今日の夕方、お客様から電話があり、「真鯛(まだい)を8枚釣ったんですけど、そのうちの1つの6キロオーバーのものを貰ってほしいんですけど、いいですか?」と、言われました。
断る理由は一切無く、心待ちにしていると、お客様が届けてくれたのですが、魚市場に通っている自分とはいえ、なかなか目にすることが出来ないサイズですので、
共に、写真を撮ることにし、この真鯛は、静岡県沼津産でした。
真鯛に限らず、大きい魚はワイルドそのもので、心惹かれるのですが、“ふぐに魅せられし料理人”の自分にとっては、
4キロを越える超特大サイズの天然とらふぐこと、“ジャンボちゃん”こそ、ワイルドにして、心惹かれる魚以外の何ものでもありません。
先程の真鯛を抱えた写真をFacebookに投稿したところ、天然とらふぐの仕入れ先の一人の愛知県の魚屋さんに、「凄い違和感ですね!(笑)いつもと違う・・・。」と、コメントされました。
そのコメントに自分は、「 さすが、〇〇さん!ネタに近いので、ワクワク感、ドキドキ感、そして肝心の萌え燃え・・・❤は、皆無です。でも、これがおかずで食せるのは、嬉しいですよ~♬先ずは鯛丼で・・・。」と返信しました。
既に今週の献立は決まっており、コメントへの返信にもあるように、この真鯛はおかず、つまり賄い行きとなるので、嬉々としながら、下拵えをすることにしました。
真鯛のような魚は、鱗(うろこ)引きで、鱗を取り除くのですが、6キロを越えるものとなると、
コンタクトレンズの代用にもなりそうな大きさで、かつてはコンタクトレンズを使っていた自分としては、うなずけるサイズでした。
鱗を落としたら、頭を落とすため、
まな板に乗せたところ、そのワイルドな大きさを再確認しました。
頭を落とし、水洗いをしたら、
半身だけ卸し、
片身は、
骨付きのままにしておきました。
これだけ大きいと、色んな料理に仕立てることが出来、しかも、頂きものゆえ、おかず行きとなると、小躍りせざるを得ません。
先ずは、明日のお昼に鯛丼に仕立て、骨付きの身や、
頭、かまの部分は煮付にする予定で、柵取りをしながらも、皮を引かなかった身を厚めに包丁し、
早速しゃぶしゃぶに仕立て、“お疲れちゃん♪”
大きな魚こそ、味わいが深いことを再確認し、箸と盃が進むのを我慢し、その楽しみは、明日の鯛丼、煮付に取っておくことにしました。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日の昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、10月4日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
ソウシハギ
先週、沼津魚市場に行った時のことです。いつものように、活魚売場に行き、
生簀を覗くと、
見慣れないながらも、皮剥(カワハギ)や馬面剥(ウマヅラハギ)に似た魚が入荷しており、
名前を確認すると、
沼津近郊で水揚げされたソウシハギでした。
これまでにソウシハギの名前や特徴については、耳にしたことがありますが、実際に見るのは初めてのことで、ソウシハギは、内臓にパリトキシンと呼ばれる毒があります。
ただ、身には毒がないので、食用可能な魚ですが、フグ類の取り扱いのように、免許は不要です。
調べたところ、パリトキシンは、フグ毒のテトロドトキシンの70倍のとも言われており、かなりの強毒ではあるものの、沖縄県、奄美大島などでは一般的な食用魚でありながらも、基本的に内蔵を食べないこともあり、過去の中毒例などは、少ないようです。
ちなみに、ソウシハギを漢字で書くと、草紙剥や藻姿剥で、草紙剥の方は、身体の文様が草紙(江戸時代などの再生紙)にいたずら書きしたように見えることに由来し、藻姿剥の方は、海にいるとき海藻のように見えて姿を隠していることに由来しているとのことでした。
多くのフグ類同様、身に毒はないとされていますが、馴染みの少ない魚ゆえ、食べるとなると、二の足を踏まざるを得ません。
ソウシハギに限らず、身体の一部に毒がある魚は、意外と多かったりしますが、こういう類の魚を目にすることが出来るのも、魚市場に通っているからこそのことで、食材に対する見聞を広められるのは、料理人としては、良いことなのは、確かです。
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初秋の沼津魚市場
今朝は、沼津の魚市場に仕入れに行って来ましたが、当ブログにお付き合いの方は、魚市場に行く時、いの一番に向かうのが活魚売場で、
今朝も然りでした。
ただ、9月も半ばに差し掛かったこともあり、入荷状況にも、秋の気配が感じられ、思うような魚も無く、素通りしたのですが、この時季になると、
地元の戸田(へだ)で、トロール漁(底引き網漁)が始まるので、御覧のように、色鮮やかな様相となり、赤いものが目につくように、かなり多くの海老(えび)、蟹(かに)の類が、水揚げされます。
そんな様子を尻目に、貝類専門の売場に行くと、
夏が旬の岩牡蠣(宮崎産)が、
並んでおり、
これらの手前には、
韓国産の真牡蠣が並んでおりました。
真牡蠣は、秋から春にかけて出回る牡蠣のことですが、国産が入荷する前に、韓国産のものが入荷するのが、例年のことです。
また、生食のものではなく、
加熱用のものです。
生食用と加熱用の違いは、鮮度によるものだと思われがちですが、出荷する前の殺菌の仕方の違いにあります。
時季的に、小さいのですが、とりあえず仕入れて、状態を確認することにしました。
つい先日まで、猛烈な暑さだったのですが、ここに来て、ようやく涼しくなっただけでなく、魚市場に入荷する魚も、秋を感じるようになり、季節は、少しずつ移ろいでいます。
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今季初の秋刀魚(さんま)をはじめ、諸々
今朝は、沼津魚市場に仕入れに行ってきたのですが、
この売場に、
北海道・根室産の秋刀魚が、入荷していました。
当初、今季の秋刀魚も不漁と言われていたのですが、先週の終わりぐらいから、水揚げが増え、今週になって、相場も秋刀魚らしいものになり、特売の目玉となっているスーパーもありました。
そうなると、脂の乗りも良い秋刀魚が多く入荷するのですが、秋刀魚に限らず、魚は良いものが無いときほど高く、良いものが多いほど安くなるのが、相場の常なのです。
箱の上には、
13入と書かれた札があり、中を確認すると、
まずまずの大きさでしたので、今季初の秋刀魚を1ケース仕入れることにしましたが、秋刀魚以外にも、今朝は、
島根産の鯵(あじ)、
大分産の鱧(はも)、
茨城・霞ヶ浦産の白魚、
佐賀産の新子などを仕入れました。
また、魚市場の帰りには、
宅配便の営業所に立ち寄り、
東京・築地から届いた鮪(まぐろ)を受取り、【佳肴 季凛】に戻り、
仕込みをする前に、
鮪を確認したところ、予定通り青森・大間産の生の本鮪でした。
昨日発注した時点で、産地や目方は分かってはいても、実際の身の状態は、見るまでは分からないので、何度仕入れても、この時は、居心地の悪いこと、この上ありません。
諸々の魚を仕入れたものの、今日のお話しの主役は秋刀魚ですので、そこに話題を戻すことにしましょう。
新子の下拵えを終えたら、
秋刀魚のそれに取り掛かることにしたのですが、
秋刀魚は焼物にするので、頭を落とし、はらわたを抜いておきました。
水洗いは、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんに任せ、水洗いし終えたら、
三枚に卸してから、
秋刀魚の難波焼にするため、長葱を芯にして、串を打っておきましたが、秋刀魚の難波焼については、こちらをお読み下さい。
そして、お昼の賄いは、
クオリティ・チェックを兼ね、
お昼の賄いにし、
自分も、
真由美さんも、骨まで堪能し、今夜の会席料理の焼物では、
秋刀魚の難波焼として、お出ししました。
自然相手ゆえ、魚の水揚げ、入荷は、その時の天候次第なのですが、旬のものを味わうのが、四季を愛でる日本人の性にして、それを表現する日本料理こそ、日本人のよりどころで、その心を大事にしていきたいものです。
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台風20号の風強し
昨日に引き続き、今朝も沼津魚市場に行って来ましたが、
“送り”と呼ばれる陸送便の魚も、
地物の魚も、台風19号と20号の影響はありながらも、それなりの入荷がありましたが、台風20号の影響もあり、
地元の漁船は漁に出られず、停泊していました。
ただ、沼津港の外港と内港を結ぶ航路から進入する津波などの波から守るための大型水門のびゅうおの水門が、

閉じられているので、
時化が収まるまで、漁に出ることは出来ません。
通称“浜”と呼ばれ、漁港が併設されている沼津魚市場には、周りに風を遮るものはなく、
折からの強風ゆえ、
岸壁周辺の扉は、閉まっていました。
また、別棟の売場だけでなく、
個人の問屋の入口の扉も、
半開きで、時折吹く強風は、
このような感じでした。
こんな状況でしたが、今朝の仕入れは、
小肌の幼魚の新子(佐賀)、
岩牡蠣(宮崎)、
白魚(茨城・霞ヶ浦)などで、自分の仕入れには、大きな影響もなかったのが幸いで、二日連続で仕入れに行った自分への労いを兼ね、
新子をお供に、“お疲れちゃん♪”
8月末になると、新子もそれなりの大きさになり、光物特有の味わいを堪能出来るようになるだけでなく、走りの頃に比べ、値段もかなり落ち着き、そうなると、

新子丼にして食べるのが、例年のことで、その時を心待ちにしている今日この頃です。
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頂き物の鰹(かつお)
昨日の昼過ぎ、釣り好きの知人から、「志村さん、カツオ釣ってきたんですが、1本もらってもらえませんか?」というメールがあり、すぐさまに、折り返しの電話をし、程なくすると、
この鰹を持って来てくれ、仕事柄、目方が気になるり、秤にかけると、
3,1キロで、
朝釣ったものゆえ、鮮度は抜群で、
背の尾びれに近い部分は、青みがかっており、反対の腹側の同じ箇所を触ると、鮮度が良いこともあり、ザラザラしていました。
以前お話ししたことがあるように、自分は、刺身というより、ありとあらゆる食べ物の中で、鰹がもっとも好きですので、嬉々としながら、その場で頭を落とし、水洗いしてから、
卸し、
半身を、
背と腹に分け、皮目の部分だけ、FIRE!
そのまま冷蔵庫にしまい、御客様がお帰りになったら、
鰹を包丁し、
ホールスタッフ、
女将兼愛妻(!?)の真由美さん、
そして、自分用に、刺身を盛り付けました。
一日の労をねぎらい、
ハイボールで喉を潤したら、
熱燗にシフトし、“お疲れちゃん♪”
ちなみに、一年365日、自分は熱燗で、冷酒を飲むことは、殆どありません。
明くる日の今日のお昼は、ちぎった海苔をちらした酢飯に、
包丁した鰹を乗せ、
万能葱、茗荷、大葉、胡麻をちらし、天に卸し生姜をあしらったら、出来上がり、
これが自分の分で、一方の真由美さんのが、
こちらでした。
鰹丼にする時は、
酢飯となじみやすいように、鰹の切身は、刺身の半分くらいの厚さです。
居ても立ってもいられない気分で、
卸し生姜入りの醤油を上から掛け、
食べ始めたのですが、これだけあると、食べるというよりも、穿(ほじ)ると言った方が、妥当かもしれません。
案の定、終わりに近づくにつれ、酢飯に比べ、鰹の方が多くなり、
酢飯が終わっていたので、
替え玉ならぬ替え飯ということで、白御飯を追加投入。
大満足のうちに、
完食し、夜は夜で、
最後の鰹を肴に、“お疲れちゃん♪”と相成り、頂き物の鰹を堪能したのでした。
ところで、この鰹を下さった知人のFacebookに、鰹の釣行日記が投稿されており、鰹好きの自分としては、お話ししないわけにはいかないので、お話しさせて頂きます。
朝4時に、
地元の富士市の田子の浦港から出港し、
漁場(ぎょば)である焼津沖まで、
船を走らせること、
約2時間、漁場に着き、ここからが真剣勝負の始まりです。
知人によると、「通常この時期、御前崎付近でよくカツオが獲れますが、今年は台風も多く、駿河湾にカツオが多く入っている様です。船に乗っているみんなで鳥山を見つかればその下にカツオやマグロがいますが、今年は海鳥がほとんどいない為、駿河湾に散らばった漁船の無線情報で、一気に船が集まります。漁場につくと、仕掛けを投入してから約10秒ほどで勝負がつきます。カツオ釣りの場合は1回で12時間近く船に乗ることもあります。」とのことで、
運良く、
GET!
そして、自分の下へ辿り着き、大好きな鰹を堪能した次第で、知人のYさんに、この場を借りて、お礼を申し上げると共に、機会があれば、また鰹がYさんの釣竿にかかるよう、鰹の神様に手を合わせておきました。
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この時季、当店では、夏季限定ランチコース『涼し夏(すずしげ)』(1,500円 全7品)を、御用意しております。

当店オリジナル料理の“サラダ素麺”をメインにした、清涼感溢れるコースとなっており、食後のお飲物付です。
お盆休み明けの沼津魚市場
昨日、一昨日と連休させて頂いていましたが、自分が通う沼津魚市場も、
14日から15日まで連休で、【佳肴 季凛】同様、今日がお盆休み明けでした。
いつものように、一番最初に活魚売場に行くと、
売場の担当者は、
大分県産の鱧の仕分けに追われており、この隅に、
自分が注文しておいた鱧(はも)があり、『47-9』というのは、自分の買い番で、大分県産のものが5本ありました。
生簀を見ると、
殆どが蛸で、大きさも小さめでしたので、自分は素通りし、貝類専門の売場を覗くと、
栄螺(さざえ)と蜆(しじみ)が中心で、帆立や浅蜊などもありませんでした。
他の売場も、入荷は少なく、
別棟の売場も、
普段の半分くらいでしたが、この売場で、
『西京漬』用のサーモン(ノルウェー産)を、
仕入れ、この売場では、
北海道産の秋刀魚(さんま)が、
沼津魚市場に、
今季初めて、入荷していました。
ここ2,3年不漁が続いており、今年も不安視されており、水揚げの状況が気になるばかりで、参考のために、値段を訊いたところ、青息吐息・・・。
お盆休み明けで、沼津魚市場は、今日だけ開いて、明日休みで、築地などの中央市場は、今日と明日だけ開いて、明後日の日曜日が休みということもあり、どうしても荷動きも悪くならざるを得ない状況ながらも、自分の仕入れには、さほど影響がなかったのが、唯一の救いでした。
通常通りの入荷状況となるのは、週が明けてからとなりそうで、天候と共に、秋の気配となりそうです。
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鱧、車海老、岩牡蠣入りの天丼
以前、鱧と車海老の天丼を賄い用に作り、

その作り方についてお話ししたことがありますが、先日、さらにバージョンアップし、
鱧、車海老に岩牡蠣を追加をした豪華版の天丼を作り、賄いで食べてみました。
結論から言えば、というより、結論を語るまでもなく、天下御免して、問答無用の美味しさだったのは、言うまでもありません。
その作り方ですが、鱧は、沼津魚市場で仕入れた大分産のもので、
骨切りをはじめ、

常の通り下拵えしたものです。
車海老ですが、
すし種などを主に扱う“小物屋”と呼ばれる問屋で仕入れ、
鹿児島県奄美大島産(養殖)で、
鱧も車海老も、活きたものが理想的なのですが、賄いゆえ、その辺りは、泣く泣くというか、まあまあということにしておきます。
ちなみに、養殖の車海老の最大の産地ですが、一番が沖縄県で、ついで鹿児島県となっており、この両県で、全体の半分くらいの生産量があります。
車海老は、頭を取り、殻を剥いたら、
背わたを取り除き、揚げた時に丸まらないように、包丁目をいれ、伸ばしておきます。
頭も素揚げして、天丼に使うことも考えましたが、クオリティ・チェックのため、
串に刺してから、
焼いて食べたのですが、安定の美味しさに、天ぷらというか、天丼の仕上がりに期待が持てました。
お昼の賄いでなければ、この暑さゆえ、泡などで、グビグビっと喉を潤したい気分だったのは、言うまでもありません。
メイン食材の最後たる岩牡蠣は、
貝類を専門に扱う売場で、
仕入れた宮崎県産のもので、
このような大きさのもので、
1ケースに50個入っている小さめのものです。
殆どの場合、岩牡蠣を仕入れる時は、出来る限り大きなものを仕入れるのですが、鱧、車海老同様、賄いですので、
数も6個で、そこそこということにしておきました。
また、宮崎県産の岩牡蠣を仕入れた時は、
徳島県産のものも仕入れたのですが、比べると、その大きさは一目瞭然で、
徳島県産のものは、プリップリで、身を5つに包丁してからお出ししました。
剥いた岩牡蠣は、
塩をひとつまみ入れた熱湯で、
軽く霜降りをし、
粗熱が取れたら、
氷水から上げておきました。
このような下拵えをするのは、
打粉をしやすくするためです。
これらを揚げるだけとなり、期待は高まるばかりで、そのワクワク感を抑えて、全神経を集中し、
車海老、
岩牡蠣、
鱧、
ついでの茄子とピーマンを揚げ、準備が整いました。
揚げ上がる頃合いを見計らいながら、
照焼のたれと一番出汁を同割にしたものを沸かし、
炊きたてのつや姫(山形県産)に掛け、
車海老をはじめ、天ぷらを天丼のつゆにくぐらせ、
鱧、
車海老、
岩牡蠣、
夏野菜の代表格の茄子とピーマンも盛り付けたら、
仕上がりました。
いつもは、自分と女将兼愛妻(!?)の真由美さんの分だけですが、
この日は、法事の御席もあったので、ホールスタッフのバイトもいたので、3人分、用意しました。
冒頭でお話ししたように、あまりの美味しさに、3人とも無言になってしまいましたが、鱧、車海老、岩牡蠣が全て揃わなくとも、時季が終わるまでに、鱧と岩牡蠣で、あと一度くらい食べて、秋を迎える準備をしないと・・・。
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生の本鮪と新子の二色丼
昨日、新子(佐賀産)についてお話ししましたが、明くる日の今日、挟んでおいた昆布を外し、
このように並べ、冷蔵庫に戻しました。
既に昨日、
【鱧料理】の刺身でお出ししたのですが、一日経った方が、昆布の旨味も加わり、塩と酢がなじみ、酢締めの魚の美味しさが深まります。
昨日仕入れた新子は、今季初ということもあり、クオリティ・チェックは欠かせませんし、ついついやりたくなるのが、賄い用の新子丼です。
ただ、一昨日、東京・築地から入荷した塩釜産の生の本鮪の手くずもあったので、両方を使った丼を作ることにしました。
酢飯を器に盛り付けたら、
胡麻を振り、
ちぎった焼海苔を盛り付けたら、
新子と、
生の本鮪を乗せました。
賄いですので、手くずですが、理想を言えば、とろと赤身をバランスよく乗せたいのは、言うまでもありません。
そして、
細かめの賽の目に包丁した胡瓜と、
刻んだ大葉を散らし、
卸したての本山葵を盛り付けたら、
仕上がりました。
新子も、
生の本鮪も、
見ているだけで、うっとり・・・。
丼と共に、
オクラ、ミニトマト、モロヘイヤ、もずくを入れた御椀も用意しました。
汁物にミニトマトというと、意外かもしれませんが、程よい酸味がアクセントとなり、夏らしい味わいを感じぜずにはいられません。
ちなみに、味噌汁に入れても、同じ様な味わいがあり、この時季ですと、家庭菜園で出来過ぎてしまったミニトマトを粗末にすることもないので、是非やって頂きたいものです。
土佐醤油に、本山葵を入れ、
混ぜ合わせたら、
少しずつ掛け、
食べ始めると、瞬く間に恍惚の彼方に葬られ、
跡形もなく、至福の時に浸ったのでした。
新子が主役で、生の本鮪が脇役と、役回りが逆転してしまいましたが、走りということもあり、今度は、新子ONLYで、旬を味わう予定です。
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鱧(はも)と新子(しんこ)
夏が旬の魚は少なく、その中の代表選手とも言うべき魚が鱧で、その美味しさは、他の魚にはなく、夏から秋にかけての美食であるのは、広く知られており、この時季、普段通う沼津魚市場で、自分が最も多く仕入れる魚です。
沼津魚市場で、鱧を最も多く扱うのが、
活魚売場ですが、余程のことがない限り、自分が一番最初に向かう売場で、今朝も然りでした。
そんな今朝は、
予め注文しておいた活かしの鱧(山口産)を、
確認し、
売場の状況を見てみると、
大分産の活かしの鱧が並んでおり、その前には、
同じく大分産ではありますが、落ち鱧と呼ばれ、輸送中に死んでしまった鱧がありました。
お分かりかと思いますが、落ち鱧は、活かしの鱧と一緒に送られてきたもので、この中から、
4本入で1,85キロのものを選り、仕入れることにしました。
また、生簀の前には、
佐賀産の小肌と、
その幼魚の新子が、
並んでおり、生物学的つまり標準和名では、どちらもコノシロで、全く同じものです。
ただ、魚を専門に扱う人達の間では、コノシロに限らず、魚は大きさによって、呼び名が変わるだけでなく、市場価値も変わるのが一般的です。
また、名前が変わると、出世魚と思われていますが、コノシロの場合、成長するにつれ、値段が安くなるので、出世魚と呼ぶことは出来ません。
ちなみに、出世魚というのは、歴史上の人物の豊臣秀吉の立身出世にちなんだもので、出自は農民ながらも、最終的には、武士の最高権威まで上り詰めた出世を、地で行ったような生涯だったのは、広く知られていることです。
さらに言うと、豊臣秀吉は、日吉丸、木下藤吉郎、羽柴秀吉、豊臣秀吉と4回名前が変わっているので、厳密に言うと、名前が4回変わらないと、出世魚とは呼ぶことが出来ません。
新子は、梅雨入りした頃から入荷し、
お彼岸を過ぎると、成長してしまい、限られた時季のものです。
また、新子の仕込みは、小さいゆえ、
かなり骨が折れますが、酢締めにする魚ですので、小肌も新子も、仕込みの仕方は、全く同様で、新子の仕込み方については、こちらをお読み下さい。
そして、酢から上げた新子を、昆布で挟み、
冷蔵庫へ。
そして、今夜の鱧料理のコースの刺身で、
お出ししましたが、その内容は、
生の本鮪(塩釜)、
鱧(山口)、
蛸(神奈川・佐島)、
新子(佐賀)でした。
新子や小肌は、日本料理よりも、鮨屋で使う頻度が高い魚で、出始めの時の値段は、目が飛び出るほどの高さで、一時的な相場とは言え、ありとあらゆる海産物の中で、もっとも高いかもしれません。
一番最初に、築地に入荷する時は、その時にもよりますが、100グラム入のものが、3パックというような少なさで、そういう時のキロ単価は、“福沢諭吉”が数枚にもなったりもします。
そのような値段ですので、築地にしか入荷しないので、国内で、300グラムしかないということになり、それこそ、レアものなのです。
ただ、出回り始めると、かなりのお値打ちで仕入れることが出来、最高値と最安値の差は、同様に一番で、何十倍どころか百倍を越える場合もあります。
自分にとって、料理の道の始まりは、鮨屋でしたので、新子が出始めると、妙な胸騒ぎがし、毎年、新子の値段が落ち着くと、

新子丼を作り、賄いで食べ、旬の味を堪能しています。
となると、明日辺りは・・・。(笑)
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