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もっとおいしいお話し

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爆弾低気圧を尻目に、三重県熊野灘産のトンボマグロこと、鬢長鮪(びんちょうまぐろ)

今朝、沼津魚市場に行くと、

このところの爆弾低気圧の影響で、

構内は、

ガラ~ン。

別棟の売場に行くと、漁港が併設されている魚市場ですので、

今朝も風が強く、

シャッターも、このような状態でした。

こんな状況ゆえ、自分好みの魚はなく、冷凍ものをはじめ、皆無で、仕入れは、完全にゼロで、このようなことは、初めてのことですし、自然相手ゆえ、こればかりは、致し方がありません。

その後、『佳肴 季凛』に戻り、仕込みをしていると、

宅配便で予期せぬ荷物が届き、その時に頭を過(よ)ぎったのは、あることでした。

あることとは、天然のとらふぐの仕入先の一つである三重県熊野の魚屋さんと、先日、鬢長鮪(びんちょうまぐろ)の話をしたことです。

その時、「実は、生のビンチョウを食べたことがないんだよね。」と言うと、「え゛っ!?マジですか?それなら、この間のお返しもしていないし、ここ最近、水揚げがあるので、機会があれば、送りますので、おかずにしてみて下さい。」というやり取りをしたばかりで、

中を確認すると、

案の定の鬢長鮪。

すぐに卸すことにしたのですが、初めて卸すとなれば、色々と興味があり、その名前の由来は知っていても、実際に手にするとなると、別です。

鬢長と呼ばれるように、

体長の半分くらいある胸びれを、鬢つまり、左右の髪の毛に例え、その長さが名前の由来です。

また、鬢長鮪は、通称とんぼまぐろとも呼ばれており、胸びれの長いことに由来しています。

卸していると、

有鱗域(ゆうりんいき)と呼ばれる鱗のある箇所が広いことが分かり、

結果として、 味を見る前に、勉強になりました。

頭を落とし、血が流れると、マグロ類は幼魚でも、独特の臭いがするのですが、その臭いは軽く、

骨格も、明らかに違いました。

卸したら、

血合いを外し、

皮を引けば、下処理が終わりました。

鮪と言うと、赤い身を思い浮かべるのが一般的ですが、生の鬢長鮪は、この淡い赤というか、ピンク色がその特徴で、結果として、血の臭いを感じないゆえに、この色になります。

また、頭や中骨などのあらの部分は、

焼いてから出汁を取るため、下処理をし、血合いの部分は、

醤油に漬けてから、

干しておき、焼くと、独特の風味が薄れ、濃厚な赤身の美味しさを味わうことが出来、結果として、ごみ箱行になったのは心臓以外の内臓だけで、素材を可能な限り大事にするのが、料理人であると思っているので、どんな食材でも、ぞんざいにすることは出来ません。

刺身用にくれたものですので、ランチの営業が終わったら、

鬢長鮪丼にし、生の鬢長鮪の美味しさを堪能したら、

近所の常連さんに、

ホワイトデーを先取りして、

刺身にして差し上げ、殆どの器は、お客様に持参して頂いたものです。

そして、最後の最後の刺身として、

娘達の夕飯のおかずにし、キロの鬢長鮪は完売となり、贈り主の魚屋さんのお陰で、自分は“いい男”になることが出来ました。

人それぞれ、色んな人付き合い、考え方がありますが、縁あって知り合った以上、その繋がりが長く、良いものであるよう、お互いを慮(おもんぱか)る付き合いをし、その縁を大事にしていきたいものです。

糠漬(ぬかづけ)の木樽

休みであっても、毎日欠かせないのが、

糠床(ぬかどこ)の手入れで、

御覧のように、元々は日本酒用の木の樽です。

漬ける野菜は、その日によって異なりますが、

今日は、大根、胡瓜、人参で、漬け込んだら、

必ず周りを拭き取るようにしています。

美味しい糠漬を作るコツは、ともかく混ぜることで、冬場で一日に1~2回、夏場で同じく2~3回で、夏場はこれ以上でもかまいません。

あとは、仕上った状態を味見して、塩分を調節し、水分つまり糠床の硬さを加減するだけです。

とは言え、注意していても、真夏は、急に味が変わることもあり、そういう時は、糠床を捨てて、新しい糠を加えたりしており、何年やっても、一筋縄ではいかないのが糠床で、それこそ生き物相手ゆえ、気を抜くことは出来ません。

ですので、糠漬の味をお客様に褒められると、他のどんな料理も嬉しく、今お話ししたように、一筋縄ではいかないだけでなく、ここまでの糠床にするのは一朝一夕では出来ないからです。

ところで、手入れの度に、きれいにしていても、周りについた糠が乾いてしまい、それが糠床に落ちると、味だけでなく、糠床の劣化に繋がるので、

木樽を洗うことにし、

糠床を鍋に移したら、

木樽をシンクに入れ、

水を注ぎ、そのまま放置しておき、落ちやすくなったら、

たわしで洗い、

蓋と共に乾かしておきました。

乾いたら、

鍋から、

糠床を移し、

きれいになった木樽で、

糠漬を漬け始めました。

ところで、糠漬に興味がある方に、何度も差し上げたことがあり、今後も、そのような方がいらっしゃれば、喜んで差し上げたいと思っておりますので、糠漬にチャレンジしたい方がいらっしゃれば、お気軽に声を掛けて下さい。

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すっぽん鍋がメインにして、二種類の刺身と焼物入りの『特別会席』

『特別会席』(おひとり 9,500円~)というコース料理は、お客様のご要望に応じて、献立を立てており、『特別会席』については、これまでに色々とお話ししているので、こちらをお読み下さい。

そんな今日、『特別会席』の御予約を頂いたので、今日のお話しは、ブログ版の献立です。

御席に着き、乾杯をされたら、料理をお出しすることにし、先付は、

南京豆腐(南瓜の豆腐)でした。

冷たいものをお出ししたら、温かいものをお出し、温かいものをお出ししたら、冷たいものをお出しすることで、料理の減り張りがつくと考えているので、先付の次は、

殆どの場合、温かい料理として、揚物をお出ししており、『特別会席』ということで、天然のとらふぐの唐揚げです。

また、乾杯の飲物がビール、最近ではハイボールのように、濃厚な味わいのものが合うので、かなり前から、このような出し方をしています。

揚物の次が、

ふぐ刺で、ふぐは唐揚げ同様、天然のとらふぐで、どちらも、三重県安乗(あのり)産でした。

今度の温かい料理は、

国産牛のサーロインのたまり焼で、

焼肉用の焜炉(こんろ)で焼いてあり、リンク先は和牛ですが、このような仕立て方です。

冷温の繰り返しは続き、今度の冷たい料理は、ふぐ刺の次ゆえ、その2の刺身で、

葉血引(はちびき)、蛸(たこ)、小肌(こはだ)、湯葉の四種盛りで、葉血引は西伊豆産、蛸は神奈川・佐島産、小肌は佐賀産です。

そして、刺身(その2))の次にお出ししたのが、今日のコースのメインとも言うべき料理が、

すっぽん鍋で、日本料理では、メインディッシュという考え方は本来ないのですが、御席にしばらくの間ある以上、メインというのもありなのかもしれません。

すっぽん鍋と時を同じくらいにお出ししたのが、

国産牛のたまり焼に次ぐ、その2の焼物で、銀鱈の西京焼で、当店のお取り寄せ商品『西京漬』の定番でもあります。

後は、〆のすっぽん雑炊を待つばかりに等しく、すっぽん鍋を召し上がり、土鍋をお下げしたら、雑炊の準備をはじめ、取皿とお新香と共に、

酢の物のすわい蟹をお出しし、

掛かっているのは、当店謹製のオリジナルの『野菜感溢れるドレッシング』で、

程なくお出ししたのが、〆のすっぽん雑炊でした。

そして、デザートのシャインマスカットのアイスが大トリで、

今夜の『特別会席』の全ての料理が終わったのですが、冒頭でもお話ししたように、『特別会席』はお客様次第で、如何様にも仕立てることも可能で、当店の料理の全てについても然りですので、お気軽にお問い合わせ下さい。

お持ち帰り(テイクアウト)のふぐ雑炊

ふぐ料理の〆と言えば、

ふぐちりの後のふぐ雑炊ですが、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG5810.jpg

途中でお腹が一杯になってしまい、御飯の量を減らしたりして、仕立てることもあります。

中には、雑炊をパスしたい方もいらっしゃり、そういう時は、

雑炊を手鍋で作ったら、手鍋ごと氷水で冷まし、

十分に冷めたら、持ち帰り用の容器に移します。

それこそ、レアケースゆえ、容器もその時にあるものを使わざるを得ないので、このようなものになってしまい、蓋をする前にラップで包んだら、

段ボールを下敷にし、葱と共に、ビニール袋に入れ、

お客様にお渡ししました。

ふぐ雑炊は、ふぐちりを召し上がった方のみの御用意の特別枠のお料理となりますので、ご理解の程、宜しくお願いします。

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バレンタインデーのふぐ色々

定休日前の日曜日は、沼津魚市場に仕入れに来ることは少ないのですが、

昨日、静岡県由比の魚屋さんに注文しておいたさばふぐが入荷するので、

仕入れに行って来ました。

6本しかなくても仕入れたのは、来週の日曜日にお弁当の御注文を頂いており、その時の揚物に使うだけでなく、会席料理などのコース料理の追加料理として、

さばふぐの唐揚げの御注文を頂くこともあり、冷凍庫の在庫も少なくなっていたからです。

さばふぐさえ仕入れれば、仕入れは終わったようなものですが、明後日の火曜日は、魚市場が休みだけでなく、今日、明日の海上の天気が芳しくない予報だったので、休み明けに使う魚も不安だったので、

構内を歩いていると、地物の目鯛(めだい)や、

鯥(むつ)に混じって、

葉血引(はちびき)が1本(1,8キロ)だけあり、

仲買人に希望の値段を伝え、近所の喫茶店で、

コーヒー・ブレイク。

バレンタインデーということもあり、オーナー兼パティシエールから、お菓子のプレゼント付でした。

その後、売場に戻ると、

葉血引をセリ落としてもらうことが出来、

さばふぐと共に、持ち帰ることにしました。

普段ですと、『佳肴 季凛』に戻ったら、出汁を引くなどの常の仕込みをするのですが、魚の下拵えをするのですが、今日は、

“昼ふぐ”をはじめ、 ランチや夕席の御予約を頂いていたので、

その盛り付けをしただけでなく、

お取り寄せ用の『ぽん酢』の発送の準備をし、

『鰯の丸煮』と共に、

箱詰めし、冷蔵庫へ。

冷蔵庫にしまう料理の盛り付けを終えたら、魚の仕込みの開始で、

佐賀産の小肌(こはだ)の下処理を終えたら、

さばふぐに取り掛かりました。

唐揚げ用に仕入れたさばふぐは、

背びれと尻びれを切り落し、頭の付根に切り込みを入れたら、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんに、身だけにしてもらい、このような仕事をぐる剥きと呼んでいます。

その後、真由美さんが 葉血引の鱗を取ってくれている間に、

自分は、

さばふぐの水洗いを終え、唐揚げ用に包丁し、

真空パックしてから冷凍し、同時に、

常の下処理を終えた葉血引は真空パックしてから、氷詰めにし、冷蔵しておきました。

魚の仕込みを終えたら、

まな板周りを掃除してもらっている間に、

“昼ふぐ”の料理を盛り付けたのですが、

今日に限らず、当店のふぐ料理のふぐは、全て天然のとらふぐで、今日の産地は、三重県安乗(あのり)でした。

ランチの営業が終わり、休憩し、夜は夜で、バージョンアップした会席料理ということで、

浜鯛(はまだい)、蛸(たこ)、小肌、湯葉の四種盛りと共に、

ハーフサイズのふぐ刺を準備し、夜の営業時間を待つばかりとなる頃、

バレンタインデーということで、常連さんがチョコレートと共に、

ふぐが描かれたタオルと、

ふぐのキーホルダーを下さったのですが、以前、自分で購入し、既に使っているものが、

魚だけに、3枚に卸しかけている状態で、この代わりを欲しかったところに、頂いたので、妙に得した気分で、このキーホルダーを購入した時のことについては、こちらをお読み下さい。

そんなこんなで、バレンタインデーにまつわるふぐの一日が終わったのでした。

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ランチの主菜の鯖(さば)の西京焼

一年を通じて御用意している当店のランチメニューは、

“季”(おひとり 1,500円)と、

“凛”(同 2,800円)があり、

どちらも、会席料理のように、コース仕立てとなっています。

また、どちらも、月替わり、週替わりで献立が変わることはなく、仕入れや仕込みの状況次第となっているだけでなく、お客様のご要望に応じて、可能な限り対応させて頂いております。

ところで、“季”は、コース仕立てではありますが、どちらかと言うと、

昼御飯のような感じですので、主菜という名前で、焼物や揚物をお出ししており、先週からお出ししているのが、

鯖の西京焼です。

鯖は、当店の『西京漬』のページには載っていないものの、

通販サイト『そのまんま通販』のページには、載っており、リーズナブルなお値段ゆえ、お食事された方が、おかず用にお買い求め頂くこともしばしばです。

鯖は、

冷凍のノルウェー産で、フィレーと呼ばれ、卸し身になっているものを、

半分に包丁した後、

前日から挟んでおくと、

このように水が出るのですが、使う度に脱水シートの威力には、関心しています。

西京味噌と共に真空パックしたら、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG8232.jpg

冷蔵庫にしまい、3日後に仕上り、状況を見ながら、冷凍しておき、いつでも御用意することが出来ます。

鯖が苦手な方もいらっしゃるので、御予約無しで御来店させれても、他の食材に代えることも出来ますが、状況によっては、お待ち頂くこともございますので、当日でも、御予約をお勧めしております。

お手数ですが、くれぐれも宜しくお願い致します。

宅配便の時間指定のシール

今日は、

お取り寄せの商品を発送したのですが、中身が、

『西京漬』と、

『鰯の丸煮』の冷凍ものと、

『ぽん酢』が冷蔵、『胡麻だれ』が常温であるだけでなく、

ご自宅用ということもあり、

一つの箱で、

お客様のご了承の下、冷蔵便で発送しました。

先程の写真のおまけとあるのは、

当店のお取り寄せのおまけアイテムの賄いのカレーです。

商品の箱詰めなどは、自分の担当で、伝票などの事務仕事は、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんの担当ですが、伝票などを書き終えたら、

送り状と共に貼る時間指定のシールの整理をしていました。

時間指定のシールでもっとも使うのが、

午前中のシールで、2枚1合わせになっているのですが、急いでいる場合、手に取ったものから使うので、中途半端になっているものが多くなってしまいます。

その次に使うのが、

19時~21時の最終便のもので、これも中途半端になっているものが多く、中途半端が使う頻度を表していることになります。

これら以外を使うことは少ないのですが、お取り寄せの場合、代引で発送することも多いので、指定通り発送しています。

何時何分までという厳密な指定は出来ませんが、お取り寄せの商品をご購入の際には、その旨をお伝え頂けると幸いです。

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鰆(さわら)の西京焼入りのランチの会席料理

昼席、夕席問わず、コース料理をメインとしており、献立(料理内容)は、その時の仕入れと仕込み次第です。

ただ、御予約の時点で、ご希望の料理、ご予算だけでなく、前回の料理などを仰って頂ければ、料理については、可能な限り対応させて頂いております。

昼席、夕席とお話ししましたが、中でも昼席の場合、ランチ、昼ごはんの感覚ですので、御飯のお供になるものをご要望されるケースが多く、当店の場合、西京焼で、先日お話しした『銀鱈の西京焼入りの会席料理』も、その一つです。

とは言え、お昼でも、アルコールを飲まれる方もいらっしゃり、夕席のように、料理をお出しするだけでなく、かなり変則的にお出ししたりもします。

そんな献立が、今回のお話しです。

最近では、昨今の社会状況を鑑み、前日までのご予約の場合、

個室に御席をご用意しており、御席にセットしてあるのは、

鰻鍋で、鰻の蒲焼を鍋にすると意外と思われる方も多いかもしれませんが、泥鰌(どじょう)を使う柳川(やながわ)と同じように仕立てる料理で、昔からの仕事の一つでもあります。

お客様が御席に着き、準備が整ったら、

先付のふぐ皮をお出しし、この次が、

鯵フライで、会席料理の献立の揚物には、意外というより飛び道具のように思われるかもしれませんが、不思議とこういうもの方が、喜ばれることも多いのです。

鯵フライは惣菜やおかずというイメージがありますが、鮮度の良い、脂の乗った鯵で仕立てたものは、そのようなものを払拭するには容易く、鯵フライに限らず、知っている料理を美味しく仕立た方が、お客様の評価が高いこともあり、当店でお出ししている鯵フライについては、こちらをお読み下さい。

昼呑みの御席ですので、料理の流れは、夜のそれ同様か、それ以上のんびりで、「ランチのお客様の合間で構わないよ。」とも言われているので、こちらとしても、助かること、この上ありません。

そうこうしていると小鍋を召し上がり始め、頃合いを見ながら、

刺身をお出しし、刺身は、葉血引(はちびき)、小肌(こはだ)、帆立、湯葉の四種盛りでした。

通常なら、この後、焼物をお出しするのですが、お食事は焼物と共に、最後で召し上がりたいとのご要望でしたので、

蒸し物の鰯つみれ錦糸蒸しをお出しし、お食事は、お客様のお声掛けを待つことにし、既にランチのラストオーダーの時間になっており、仕込みを色々としていました。

仕事さえなければ、昼夜を問わず、呑みたい性分というか生態ですので、こちらのお客様のお気持ちは、SNS風で言えば、「超いいね!」や、それを表すスタンプそのものです。

そして、お客様のご要望として、

焼物の鰆の西京焼と共に、

昆布御飯をお出ししましたが、これらも肴にしてしまうのが、酒呑みのDNAで、その気持ち、先程同様、「超いいね!」でした。

暖房の効いた個室で、お腹一杯となれば、〆に冷たいものも肴にしたいのが、酒呑みで、デザートは、

シャインマスカットのアイスでした。

当店のように、コース料理をメインにしていると、意外と制約を感じられるのはよくあるのですが、どこまでいっても、召し上がるのは、お客様ですので、ご要望をお申し付けして頂けると助かるゆえ、お気軽にお問い合わせ下さい。

最後になりましたが、今日で、当ブログの更新が3200回目となりました。今後とも、お付き合いの程、宜しくお願い致します。

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刺身を使った丼用の野菜の下拵え

昨日お話ししたように、昨日の昼ごはんは、

頂き物の平目(ひらめ)で仕立てた平目丼でした。

自分が作る刺身を使った丼の場合、薬味やあしらいなどをいわゆる“増し増し”にするのですが、ただ刻んで盛り付けるだけでは、美味しさにはかけ離れたものですので、必ずひと仕事を加えています。

ひと仕事とは言っても、日本料理の基本の下拵えでしかなく、鮨屋がこの道のスタートで、そこから日本料理の道に転がり、日本料理の仕事の奥深さを知った時、「目から鱗」という諺を感じたものでした。

もっとも、昨日の平目丼は、仕事を施したとは言え、かなり端折ったのは、

先日作った葉血引(はちびき)丼と比べれば、一目瞭然で、葉血引とは、

このような魚で、下処理の仕方は、通常の魚とほぼ同じですが、詳細については、こちらをお読み下さい。

さて、今回使った野菜は、

2色の人参、胡瓜、アーリーレッド、茗荷(みょうが)、大葉で、人参と胡瓜は桂剥きしてあります。

人参と、

胡瓜は、千切りし、このような包丁の仕方を、妻打ちとも呼んでいますが、DVを意味する言葉ではなく、DVが流布する前からある言葉です。

胡瓜、

アーリーレッド、茗荷も包丁したら、

立塩(たてじお)と呼ばれる海水程度の濃さの塩水に浸け、しんなりさせておき、大葉は、

千切りにした後、晒し、水気を切っておきます。

ここ

立塩に浸け、しんなりした野菜はざるに上げ、水気を絞り、

大葉と共にボウルに入れたら、

土佐酢で軽く洗い、これを地洗いと呼んでおり、日本料理では、汁や液体のことを、地(ぢ)と呼んでおり、土佐酢とは合わせ酢のことで、このように仕込んだものです。

こうすることで、余分な水分が抜け、料理の味と馴染みやすくなり、これこそが、日本料理の仕事の丁寧さで、似たような仕事の鮨屋にはない仕事で、冒頭でお話ししたことになります。

下拵えが整ったら、黒米入りの酢飯を器によそったら、刻みを乗せ、

包丁した葉血引と、

野菜を盛り付け、

胡麻、紅蓼(べにたで)、

天に摺り下ろした本山葵をあしらったら、野菜増し増しの葉血引丼の出来上がりです。

丁寧な仕事を施した料理は、最終的には味の違いとなるので、仮に、おかずや賄いでも手抜きは出来ません。

何故なら、料理を作るのが料理人ではなく、美味しい料理を作るのが料理人だからで、このことは、自分が師事した親方に、事あるごとに教わったことです。

親方無しの子分無しの独り仕事をしていると、いい加減な手抜き仕事を、いくらでもすることが出来ますが、自分では嘘や誤魔化しはお見通しですし、お金を頂く以上、それだけは出来ません。

「三つ子の魂 百まで」、「雀 百まで踊り忘れず」とはよく言ったもので、これからも愚直に、日々の仕事に臨んでいきます。

伊豆・戸田(へだ)産の平目(ひらめ)と舞鯛(ぶだい)

昨日、Facebookで知り合いになった同業の方から、

伊豆・戸田(へだ)産の平目(ひらめ)と舞鯛(ぶだい)をもらいました。

平目は3キロ弱のものが1枚で、

舞鯛は1キロぐらいのものが3本で、舞鯛と書くのは、泳いでいる姿が、舞っているように見えることに由来し、不細工な顔付きから不鯛、武張ったそれから武鯛とも書かれたりもします。

また、基本的に、魚の名前を漢字や平仮名で書くことにしているのは、料理に仕立てるがための魚だからで、片仮名で書くと、魚そのものつまり、生き物になってしまい、食材でなくなってしまうからです。

この状態というか、はらわたを抜かずに、明くる日の今日まで冷蔵庫にしまっておくと、鮮度が落ちるので、

鱗を取り、頭を落としてから、水洗いと最低限の下処理だけをしておきました。

そして、今日、

平目は5枚に卸し、手前の4本の細いものは鰭(ひれ)を動かすための筋肉である縁側で、刺身にするため、皮も引いておき、一方の舞鯛は、

卸してから、血合い骨を抜き、

柵取りしたら、

適宜包丁したら、薄塩をし、片栗粉を付け、揚げてから、油抜きをしたのち、

南蛮漬に仕込み、冷蔵庫へ。

平目は、

近所の常連さんに、

器を持参して頂き、刺身に仕立てて差し上げました。

そして、今日の自分と女将兼愛妻(!?)の真由美さんの昼御飯は、

もちろん平目丼で、その美味しさを堪能したのは言うまでもありません。

頭や中骨のあらは、出汁を取るために、

焼いておき、頂き物の平目と舞鯛は、めでたしめでたしとなったのでした。

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