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もっとおいしいお話し

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北海道・羅臼(らうす)産の鰤(ぶり)

Vol.3810

生涯、一料理人を貫くためが想いを

『佳肴 季凛』店主兼熱血料理人の

志村弘信が認めます。

今朝

沼津魚市場に行くと

北海道・羅臼産の鰤(ぶり)が

入荷していました。

7キロ台

8キロ台

9キロ台と

目方ごとの山に

仕分けられていました。

もちろん、10キロ台の

ものもあるのですが

数も少ないだけでなく

単価も高いので

沼津に入荷して来ることは

あまりありません。

そんな中

コース料理の西京焼用に

7,9キロのものを

仕入れることにしました。

7キロ台のものにしたのは

使い勝手によるものです。

『佳肴 季凛』に戻り

鰤をまな板に乗せると

ミニふぐがやって来て

「おはようございます、親方♬」

「おはよう。」

「ぶりって、出世魚なんでしょ。」

「そうだよ。

よく知っているじゃん!」

頂きものの三重県安乗産の

鰤(ぶり)で仕込んだ西京漬』

っていうブログを、

4月頃に書いたでしょ。

そこで、色々覚えたもん。」

「おぉ、それは嬉しいねぇ。

鰤と言えば、長野県では

暮れから正月にかけて

鰤を食べる風習があるんだよ。」

「それは、初めて聞いたよ。」

「山間部の長野は

海産物を食べる機会が少なくて

正月くらい、海の魚を

食べたいと思って

日本海で獲れる鰤を

食べるようになったんだよ。」

「ふ~ん。」

「料理方法は、色々あるんだけど

保存も兼ねて、正月の間中

味噌漬にして、焼いて

食べるんだって。」

「それって、西京漬じゃん!」

「っていうか、信州長野は

味噌も特産品だから

信州漬になるね。」

「そりゃ、そうだ!」

「しかも、切身は

かなり分厚いらしいよ。」

「どれくらい?」

「あとで、自分が切身にするけど

その3倍とか4倍で

1切れが3~400グラムに

なるんじゃないかな。」

「って言われても

よく分からないから

切身になった時の様子を

見るようにするね。」

「はいよ~。」

鱗が細かい鰤は

包丁で鱗を取り除きます。

この方法は

すき引きと呼ばれ

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG5185.jpg

身に包丁が入らないように

注意が必要です。

頭を落とし

水洗いをし

身を見ると

乳白色をしているだけでなく

皮下脂肪もバッチリ。

三枚に卸し

腹骨を欠き

腹の部分だけ

外したら

切り分けました。

切身にしていき、

秤にかけると

約90グラムでした。

先程、長野県のお話しをしましたが

この3~4倍が

長野県バージョンとなるので

かなり食べ応えがあるはずです。

このように

切身にしたら

当店の【西京漬】同様

佳肴 季凛 謹製 西京漬け

有機JAS認証済の西京味噌を

ベースにした

お手製の西京味噌と共に

真空パックし、冷蔵庫へ。

形の良い部分を切身にし

尾に近い部分は

お弁当用の南蛮漬にするため

包丁したら

塩を振り

片栗粉をつけてから

揚げました。

このまま漬け込むと

油っぽいだけでなく

味の浸み込みも良くないので

熱湯を回しかけ

油抜きをしてから

しんなりさせた玉ねぎ、

鷹の爪を入れ

土佐酢を注いだら

落としラップをし、冷蔵庫へ。

コース料理の西京焼にする

魚は様々ですが

これからの時季は

鰤と鰆(さわら)の

合わせ技となりそうです。

ただ、先日『鰆(さわら)が【西京漬】の

ラインナップに入らない理由』を

お話ししたように

鰆が一押しになるのは

自覚しています。

量より質の法事の献立

Vol.3805

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

今日は、お昼に、

法事の御席がありました。

ということで、

今日の御席の献立が、

今回のお話しです。

御席にセットしてある小鍋は、

浅蜊(あさり)と野菜の小鍋仕立てで、

見にくいかもしれませんが、

浅蜊は、鍋の底に。

献杯をされたら、

小鍋に火を点け、

先付のふぐ皮に続き、

海老の彩り揚げを、

お出ししました。

海老の衣は、

お茶漬用のあられの

“ぶぶあられ”に色を着けたものです。

法事の御席ですので、

天紙は緑で、

ふち取られています。

コースの最初の方に、

揚物をお出しするのは、

先付、刺身と冷たい料理の

合間にお出しすることで、

料理にメリハリをつけるためです。

小鍋が温まる頃、

刺身用の醤油とお新香をお出しし、

刺身は、

目鉢鮪、〆鯵、湯葉の三種盛でした。

刺身と共に、

食事の昆布御飯をお出しし、

男性には、

普通よりも大きめの茶碗に、

女性には、

先日新調した当店オリジナルの茶碗に、

よそりました。

そして、

鰆(さわら)の西京焼、

鱧(はも)しんじょう蒸しと続き、

夕張メロンのアイスで、

コースが終了です。

すると、ミニふぐがやって来て、

「全部で8品なんだね、親方。」

「そうだけど・・・。」

「ってことは、品数は、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-11.png

ランチメニューの“凛”と、

同じじゃん。」

「食後の飲物はつかないけど、

よく気付いたね。」

「普段から、

色々と見ているからね~。」

「最近のお客さんは、

『品数を増やさず、

質を良くして欲しい』っていう

要望が多いから、

こういう献立にしているんだよ。」

「ふぅ~ん。」

「あと、夕席のページにもあるけど、

色々と用意出来るよ。」

「どんなのがあるの?」

「だから、色々だって。」

「出た!親方得意の

ぶっきらぼうアンサー。(笑)」

「特に多いのが、

今日みたいな刺身を

ふぐ刺のSサイズに替えるものかな。」

「へぇ~。こうなると、

かなり豪華になるね。」

「そうだよ。色々と訊いてくるけど、

特別な食事でも、

考えているの?」

「特にないんだけど、

たまには、贅沢なランチでも

食べたいなぁって、思ったからだよ。」

「いいじゃん、熱烈歓迎で

お待ちしています♬」

昼夜問わず、

料理内容に関しては、

ご予算、ご要望に応じて、

可能な限り対応させて

頂いておりますので、

お気軽にお問い合わせ下さい。

鰆(さわら)が【西京漬】のラインナップに入らない理由

Vol.3800

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

昨日のお話しの中で

触れた鰆(さわら)について、

お話しさせて頂きます。

活魚売場を離れ、

構内を歩いていると、

山口県萩(はぎ)産の鰆(さわら)が、

目に留まりました。

並んでいた鰆は、

自分好みのサイズの鰆で、

それぞれの目方は、

3,7キロ、4,4キロ、

5,3キロ、

4,2キロ、4,1キロ、

4,1キロと、合計6本。

このうち、4,2キロのものを

仕入れることにしました。

鰆の下処理を

始めようとすると、

ジャンボちゃんとふぐ子ちゃんが

やって来て、

「4,2キロってことは、

僕たちの体重の4129グラムと、

ほぼ同じだよね。」

「そうだよ。

良いふぐ(4129)だからね。」

「鰆は、どんな料理になるの?」

「コース料理の西京焼だよ。」

「ふぅ~ん。でも、どうして、

佳肴 季凛 謹製 西京漬け

【西京漬】の中には、無いの?」

「それが、今日のお話しだよ。」

「だから、昨日話さなかったんだぁ。」

「そういうこと。

まぁ、聞いて下され。」

「はぁ~い。」

鰆が【西京漬】の

ラインナップに無い一番の理由は、

鰆の美味しい時季が限られているからです。

一番美味しい時季は、

寒鰆(かんざわら)という

言葉があるように、真冬です。

ただ、一月を初春とも言うので、

この言い方は、

不思議ではありません。

自分が使う鰆のサイズは、

4キロ以上のもので、

このサイズのものは、

晩春から初秋にかけて、

見る機会が少なく、

あっても、かなりスリムな鰆です。

また、4キロを境に、

脂の乗りは、

全くの別ものになります。

いわゆる、とろのような脂ではなく、

魚本来の味わいの脂ですので、

しつこさは全くありません。

そこが、鰆の美味しさの魅力で、

自分もその虜になり、

西京焼の中で、

もっとも好きな魚で、

文句なしの金メダル。

さらに言うと、

『嗚呼、鰆(サワラ)』というお話し等、

s-画像 1056.jpg

鰆については、

これまでに、

何度もお話ししたことがあり、

それらを探していると、

夜が明けてしまうので、

これ以上は、あしからず。

そこまで好きな鰆ですので、

売場に並んでいる時は、

必ず足を止めてしまいます。

包丁で軽く鱗を取り、

頭を落とすと、

乳白色の身をしていました。

乳白色=脂にして、

ニンマリ。

水洗いし、

三枚に卸すと、

身割れなし。

鰆は、魚の中でも、

もっとも身割れしやすい魚なので、

卸す時には、

細心の注意を払うのですが、

水揚げや箱詰の際の扱いが、

悪ければ、身割れすることもあり、

そういう鰆にあたった時は、

泣くしかありません。

ですので、鰆が身割れしないためには、

二つの条件が

重ならなくてはならないのです。

切身にしたら、 普段同様、

有機JAS認証済の

西京味噌をベースにした

お手製の西京味噌と共に、

真空パックし、冷蔵庫へ。

すると、2匹がやって来て、

「親方、お疲れ様♬

鰆愛、凄いじゃん!」

「それだから、

仕入れ、仕込みに始まって、

焼き上げるまでを、

見届けたいから、

リストに入れないんだよ。」

「マジ!?」

「冗談10%、本気90%!」

「ここまでになると、

ふぐ愛といい勝負じゃね?」

「全くの別ものだから、

単純には比べられないけど、

天然のとらふぐは、

チャンピオンだね。」

「やったぁ~!」

鰆であれ、

天然のとらふぐであれ、

納得がいく素材で、

納得がいく料理を仕立て、

お客様が喜んで下さるのが、

自分の道です。

そのためには、

妥協は出来ません。

『西京漬』、コース料理の西京焼、南蛮漬に仕込んだサーモン

Vol.3794

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

今朝は、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: %EF%BC%96%EF%BC%94%EF%BC%90key.jpg

『西京漬』に仕込むため、

沼津魚市場で、

ノルウェー産のサーモンを仕入れました。

【佳肴 季凛】に戻ると、

ふぐネット達がやって来て、

「おはよう、親方♬

仕入れ、ご苦労様でした。」

「おはよう。やっと、

魚の入荷や水揚げが

まともになってきたよ。」

「良かったね。どうして、

ぶりの箱に入っているの?」

「サーモンは、

大きいスチロールで空輸されて来て、

目方を量ってから、

かんぱちや、

ぶりのスチロールに、

小分けされているんだよ。」

「へぇ~、そうなんだぁ。」

「明日のお弁当の仕込みもあるから、

この辺でね。」

「はぁ~い。」

鱗が細かいサーモンは、

包丁を使うすき引きという方法で、

鱗を取り除いてから、

頭を落とし、水洗いしておきました。

サーモンの隣にあるのも、

『西京漬』に仕込む鯖(ノルウェー産)で、

サーモンを卸す前に、

腹骨を欠いてから、

上(かみ)と下(しも)に分け、

脱水シートに挟み、冷蔵庫へ。

腹骨を欠くのは、

苦玉とも呼ばれる胆のうの跡が

残っていると、

食味を損ねるからです。

また、上と下の“連れ”同士にしてあるのは、

鯖はジェリーミートと呼ばれる

身質のものがあり、

紛れないようにするためだけでなく、

身割れしているものが、

ギフト用に回るのを防ぐ目的もあります。

三枚に卸したサーモンは、

切身にしたのですが、

数が多い方がギフト用で、

こちらが、コース料理用のものです。

コース料理用の方は、

いくらか小さめであるだけでなく、

身割れしにくい部位にしてあります。

また、明日のお弁当用の焼物が、

銀鱈の西京焼なので、

尾の部分は、

形を揃えやすいので、

お弁当の南蛮漬に、

仕込みました。

南蛮漬に仕込む時は、

軽く塩をして、

片栗粉を付けてから、

油で揚げ、

この上から、

熱湯をかけます。

油抜きをするのは、

仕上がりがさっぱりするだけでなく、

味を浸み込みやすくするためです。

塩をしてしんなりさせた玉ねぎと

鷹の爪を入れたら、

土佐酢と呼ばれる合わせ酢を注ぎ、

先程の写真のように、

落としラップをしておき、冷蔵庫へ。

そして、ランチの営業が終わったら、

鯖も、

サーモンも、

有機JAS認証済の西京味噌を

ベースにしたお手製の西京味噌と共に、

真空パックしたら、

夜の営業に備え、

休憩を取ったのでした。

青魚好きの方向けの『西京漬』と『鰯の丸煮』のギフトセット

Vol.3792

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

今日は定休日でしたが、

ギフトの箱詰をしました。

最初にしたのが、

『西京漬』のセットの中で、

一番人気の

銀鱈、サーモン、鯖が

各2枚入ったものです

贈り主の方が、

女性でしたので、

このような帯紙をかけると、

熱血君がやって来て、

「おはようございます、親方♬」

「おはよう。」

「休みなのに、ご苦労様です。」

「仕込みをしているわけじゃないから、

そんなでもないよ。」

「SNSの投稿を見ていると、

色んな帯紙を探しては使い、

使っては探しているよね。」

「そうだね。飽きっぽい性分だし、

新しいもの好きだから、

つい楽しんでいるよ。」

「親方らしいね。」

「あはは・・・。

ところで、君が来る前に、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG4391.jpg

こんなギフトを箱詰していたんだよ。」

「これじゃ、中身が

分からないじゃん。」

「って言われると思ったよ。

まぁ、焦りなさんな。

話してあげるから。」

「はぁ~い。」

クッションペーパーを敷いた化粧箱に、

鰯の丸煮

『鰯の丸煮』

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG4485.jpg

6パック詰めたら、

リーフレットを挟み、

銀鱈、

サーモンを各2枚詰め、

最後に、鯖を6枚。

先程のように、

リーフレットを挟んだら、

冷凍庫へ。

お気付きかもしれませんが、

真鰯、鯖と青魚が多めのセットで、

このようにしたのは、

受け取られる方が、

青魚が好きだからです。

こちらのセットに限らず、

オンラインショップに

載っていないものでも、

ご要望、ご予算に応じて、

色々とご用意することが可能ですので、

お気軽にお申し付け下さい。

シルバーウィーク前半の三連休の最終日

Vol.3785
『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信が、

生涯、一料理人を貫くためが想いを、

今日も認めます。

シルバーウィーク前半の

三連休最終日の今日は、

沼津魚市場に

仕入れに行って来ました。

台風14号の影響、

三連休の最終日

という悪条件ながらも、

思った以上に、

入荷があり、

こんな様子を尻目に、

別棟の売場に行くと、

北海道・根室産の真鰯が

入荷していました。

2キロの箱に、

22入りと、小さいながらも、

鮮度も良かったので、

【鰯の丸煮用に、

3ケース仕入れることにしました。

ちなみに、3ケースが

ひとまとめになっており、

このような単位のことを、

水産業界では、甲(こおり)と呼び、

この場合、1甲となります。

“こおり”と呼びづらいので、

「こり」と呼び、

1甲は“ひとこり”となるのですが、

呼びづらいので、

“ひとっこり”と呼んでいます。

さらにいうと、

“2甲(ふたっこり)”、

“3甲(みっこり)”と続き、

“10甲”は、

“とっこり”です。

さらに、“1000甲”は、

ソース画像を表示

“千甲(チコリ)!?”で、

“10000甲”は、

ソース画像を表示

“万甲(まんこり)”ならぬ

“マッコリ!?”。

合計で11000ですので、

「山田君、

ソース画像を表示

座布団11000枚持って来て~!?(笑)」

くだらないことはさておき、

仕入れを終え、

魚市場をあとにしました。

普段なら、仕込みを

優先させるのですが、

お祝の御席のご予約を

頂いていたので、

ルーチンの段取りを終えたら、

仕込みを後回しにし、

全ての盛付、準備を終えたら、

真鰯の仕込みの開始です。

すると、 熱血君がやって来て、

「おはよう、親方♬」

「おはよう。」

「この袋って、

ホイルみたいだね。」

「そうだよ。

アルミブルー袋って言うだんよ。

「へぇ~。普通の袋とかじゃ、

だめなの?」

「だめってことはないけど、

48時間経っても、

氷が長持ちし、鮮度が持つんだよ。」

「へぇ~。」

「この真鰯は、土曜日の水揚げで、

今朝、沼津に着いたんだよ。

二日かかっても、

しっかり氷が残っているでしょ。」

「ほんとだぁ~!」

「簡単に言えば、

凍らない0度だから、

鮮度も落ちないんだよ。」

「すごいね。」

「また、色々教えてあげるから、

この辺でね。」

「はぁ~い♬」

鱗を取り、

はらわたを抜き、

頭を落としたら、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんが

水洗いをしてくれました。

普段なら、焼いてから

出汁を取るための

頭の下処理をするのも、

真由美さんですが、

今日は、

自分がし、

掃除をし、

途中ながらも、

ここまでにしておき、

程なくすると、お客様がご来店。

ランチタイムとは言え、

お祝の御席ということもあり、

さばふぐの唐揚、

サーモンの西京焼、

天然のとらふぐで

仕立てたふぐ刺などをお出し、

夕席のページにもあるように、

ご予算、ご要望に応じて、

色々とご用意が可能です。

お客様がお帰りになり、

片付の目途が着いたら、

真鰯の下拵えの最終チェック。

最終チェックとは、

苦玉(にがだま)とも呼ばれる

胆のうの跡を包丁することです。

それが残っていると、

食べた時に、

美味しさを損ねるからです。

包丁したら、今朝同様、

真由美さんが水洗いしてくれ、

クッキングシートを敷いた鍋に並べ、

水と酢を注ぎ、

蓋と重しをし、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG1959.jpg

火に掛け、火加減は、

超々弱火です。

仕上がるのは、

明日になります。

こうして、

シルバーウィーク前半の

三連休が終わったのでした。

秋らしい『特別会席』

Vol.3784

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

当店のコース料理の

『特別会席』(おひとり121,00円~)は、

御覧のように、

お客様のご予算、ご要望に応じて、

献立を決めさせて頂いています。

その内容は、千差万別ですが、

いわゆる“お任せ”となると、

俄然、力が入ってしまう自分です。

今日の『特別会席』の献立も、

そんな感じのもので、

しかも、“昼特”こと、

昼間の『特別会席』でした。

ということで、今日のお話しは、

タイトルにもあるように、

【秋らしい『特別会席』】についてです。

秋とは言っても、

夏の名残と秋の走りの

端境(はざかい)ですので、

どちらの食材も味わえる

“好いとこ取り”の献立でした。

先付は、

もろこし豆腐で、

名残の食材ということになります。

二品目は、

鱧の天ぷら(夏)で、

鱧料理の中でも、

人気のあるものだけでなく、

個人的にも、夏になると、

ついつい・・・。

夏の食材が続いた後は、

鱧と松茸の土瓶蒸しで、

夏と秋のコラボとも言えます。

日本料理では、

“鱧松(はもまつ)”なる言葉もあり、

ゴールデンコンビとも言っても、

過言ではありません。

また、このような組合わせのことを、

“出会いもの”とも呼んでおり、

同じ季節に出回る

相性が良い食材のことです。

自分が仕立てる土瓶蒸しは、

鱧と、

松茸のみで、

出汁は、焼いてから、

じっくり煮出した

鱧の出汁がベースです。

鱧の出汁は、コラーゲン豊富なので、

美しくなれる、

美味しい食事にして、

文字通りの美食です。

熱々の出汁を注ぎ、

蒸すこと15分弱。

蓋を取り、日本酒を数滴たらし、

三つ葉を散らしたら、蓋をし、

酢橘(すだち)を添え、

お客様の下へ。

松茸はChina産ですが、

多めに入れることで、その点はカバー。

“昼特”ということもあり、

料理の進み具合は早く、

続けざまに、

ふぐ刺(秋~冬)を。

ふぐは、

三重県安乗(あのり)産の天然とらふぐで、

木曜日に卸したものなので、

歯応えと旨味が、ちょうど

黄金比率に達した状態で、

この中の

どれかです。

また、今日は、

生ものを控えている

お客様もいらっしゃったので、

先程のふぐ刺の代わりに、

真空調理で仕立てた

ふぐ刺をお出ししました。

真空調理は低温調理とも

呼ばれているように、

加熱したものです。

ふぐ刺の次は、

季節を問わない

当店の看板の一つでもある

『西京漬』の中でも、

大将格の銀鱈の西京焼でした。

器は、当店オリジナルの

ポーセラーツの器です。

軽い雰囲気がする器ですので、

当初は抵抗があったものの、

最近では、

この器の方が

喜ばれることも多いので、

極力使うようにしています。

西京焼と言えば、

御飯が欠かせず、

秋の御飯となれば、

松茸御飯。

炊き上がったら、

一度お出ししてから、

下げ、

混ぜ合わせたのち、

茶碗に取り分け、

お新香と共にお出し、

セルフでお代わりをして頂くよう、

土鍋ごと、

お出ししておきました。

そして、

国産牛のしゃぶしゃぶを、

小鍋仕立てでお出しし、

しゃぶしゃぶは、

季節感こそないもの

日本料理の中では、

御馳走の一つでもあるので、

『特別会席』の定番でもあります。

具材は、玉ねぎ、えのき

人参、湯葉、くずきりで、

温めた出汁を入れてから、

お出しし、

出汁は、

一番出汁に、

日本酒、塩、

薄口醤油を加えたもので、

つけだれと薬味は、

ぽん酢、ねぎ、紅葉卸しです。

そして、〆のデザートは、

夕張メロンのアイスで、

夕張メロンと言えば、

初夏の頃になると、

その初競りの様子が、

報じられることもしばしばです。

「親方、お疲れ様。」と、

ミニふぐ達。

「お疲れさん。

土鍋で御飯を炊いたから、

今日は、いつもよりも、

神経を使ったよ。」

「どうしてなの?」

「普段、雑穀御飯を、

鍋で炊いているから、

大丈夫なんだけど、

今日は、お出しするタイミングを

考えなくちゃならないし、

仕込みの時とは、

流れが全く違うからね。」

「へぇ~。

それにしても、

今日の献立は、美味しそうだよ。」

「こういう献立は、

かなり短い時季だし、

王道的な食材が揃ったしね。」

「うんうん♬」

実際、あと一か月もすれば、

鱧を用意するのは、

難しくなってしまいます。

そういう儚(はかな)さにして、

季節の移ろいも、

日本料理の魅力ですので、

それを伝える使命も

自分の仕事として、

肝に銘じながら、

日々の仕事に臨む所存です。

とらふぐ、【西京漬】用のサーモン、鱧(はも)で、新しい出刃包丁のデビュー

Vol.3782

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

今朝、沼津魚市場で仕入れたのは、

天然のとらふぐ(福島産)をはじめ、

【西京漬】用のサーモン(ノルウェー産)、

鱧(山口産)などでした。

仕込みを始めようとすると、

熱血君がやって来て、

「おはようございます、親方」

「おはよう。」

「包丁が化粧箱に入っているけど、

どうして?」

「昨日買って来た出刃包丁だよ。」

「へぇ~、いつデビューするの?」

「これからだよ。」

「最初に卸すっていうか、

使う魚が気になるんだけど・・・。」

「予想はつくでしょ?(笑)」

「まぁ~ね。」

「とりあえず、

包丁のことを話すね。」

「はぁ~い。」

買い求めた包丁屋は、

沼津市にある【正秀刃物店】で、

これまでにも、

牛刀(ぎゅうとう)、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-P8210029-1.jpg

ペティナイフなどを買っています。

10日ほど前に、

「親父さんのお店で扱ってる

合出刃(あいでば)って、

どんな感じですか?」と訊くと、

「 うちは合出刃を扱っていないから、

他で買ってもらってもいいよ。 」

「!?、・・・・・。」

ちなみに、出刃包丁には、

大きく分けて、本出刃(ほんでば)と

合出刃があり、自分は合出刃を使っています。

特別な違いはなく、

合出刃を使っているのは、

使い勝手に過ぎません。

普通なら、

「問屋とかに訊いてみるから、

待っていて下さい。」とか、

「何とかしてみるよ。」という返答なのですが、

なかなかの職人気質ですので、

そういう答えもありなのは、

こちらの親父さんなのです。

むしろ、これぐらいの方が

自分としても、妙に納得してしまうのは、

同じ穴の貉(むじな)だからかもしれません。

とは言え、今の出刃包丁では、

不都合を感じており、

どうにかしたかったので、

昨日出向いたのです。

店内に入ると、

出刃包丁を出してくれ、

サイズ、鋼(はがね)の材質などを訊きながら、

手に取ると、

この包丁が気に入り、

「これで、お願いします。」

「はいよ。刃はどうします?」

「付けて下さい。」

刃を付けるとは、

すぐに使えるように、

砥いでおくことです。

そして、昨日の今日ですが、

早速デビューすることになり、

いの一番に使ったのは、

先程の熱血君の予想通り、

とらふぐで、

とらふぐを締めることに使いました。

締めたら、

血抜きをしておき、

まな板の下で、お留守番。

その間に、サーモンの下処理をし、

頭を落とす時にも使い、

水洗いをしておき、冷蔵庫へ。

その間に、

とらふぐ、

鱧、

サーモンを卸し、

切身にしたら、

夕方までには、

有機JAS認証済の西京味噌をベースにした

お手製の西京味噌と共に、

【西京漬】に仕込み、冷蔵庫へ。

自分が手直しをしたとらふぐは、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんが

拭き上げてくれました。

また、魚以外の仕込みが

多かった今日は、

ほぼ休憩無しで仕込みをし、

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終わったのは、5時過ぎでした。

そして、一日の営業が終わったら、

最後は、包丁砥ぎ。

また、新しい出刃包丁に慣れるまでは、

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これまでの出刃包丁とのトロイカ体制で、

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並べると、その違いは一目瞭然です。

旧タイプの出刃包丁にも、

遡ること11年前は、

kimari.jpg

新人で、

その出刃包丁を買い求めた時の様子は、

こちらをお読み下さい。

元々の厚さは違うものの、

先程の写真のように、

刻印が見えないほどになり、

歴史を感じずにいられません。

どちらの柄も、

八角形ですが、

新出刃を見ると、

角張っています。

すり減り、丸みを帯びた

旧出刃を見ると、

自分自身の性格も丸みを

帯びるようになったと感じる

今日この頃で、

時間の経過を感じずにいられません!?(笑)

旧出刃もこれまで同様、

使うのですが、

そんなトロイカ体制もすぐに終わって、

新出刃に代替わりし、

時は経っていくのでしょう。

日本料理の焼物の美味しさ

Vol.3772

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

今朝、御用意したお弁当は、

このようなものでした。

出来上がると、

ふぐネット達が、

「親方、朝からお疲れ様です。」と、

声を掛けてきました。

「今朝は市場も行ってきたから、

少しハードだったよ。」

「そうなの。

改めて、お疲れ様。

色々と、

お弁当の料理を見ていたけど、

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仕上げるのに、段取りとかあるの?」

「特にないけど、煮物から、

仕上げるようにしているよ。」

「へぇ~。」

ちなみに、仕上げた料理を

盛付けてくれるのは、

いつものことながら、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんです。

「親方、焼物は、

銀鱈の西京焼だったけど、

仕上ったのは、最後の方で、

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オーラスが玉子焼だったね。」

「さっきの段取りって話になるけど、

焼物は時間がかかるから、

どうしても、最後になるよ。

あと、玉子焼は、

卵を割るところが始まりで、

付きっきりになるから、

仕上るのは、

最後の方だね。」

「そういうことか~。」

「銀鱈の西京焼って言えば、

自分が若いころ勤めていた料理屋の

お弁当の焼物も、

銀鱈の西京焼だったよ。

その店は、炭火で焼いていたから、

火をおこさなくちゃならなくて、

焼場の担当だった時は、

他の人達よりも、早出だし、

炭火の遠赤外線もあって、

熱くて、熱くて・・・。」

「熱中症になりそう。」

「まぁハードだったよ。」

「わぁ~。」

「献立によっては、

牛肉の照焼も

焼かなくちゃならないから、

そっちの方が大変だったね。」

「どうしてなの?」

「肉の脂が炭に落ちて、

燻(いぶ)るから、

熱さと煙で、

酸欠になりそうだったよ。」

「ひゃ~!」

「その時の焼場ほど、

大変な持場(もちば)は、

なかったな~。」

「そうなんだぁ~。」

「大変だったけど、

そういう経験があったから、

焼物の魅力を知ることが

出来たかもね。」

「どういうこと?」

「その料理屋の前、

鮨屋で働いていたんだけど、

鮨屋は素材のウェイトが高くて、

素材ありきみたいなところがあって、

手を加える和食となると、

仕事そのものが、

別物だったんだよね。

そこで、調味料を使うことで、

素材が料理に変わるってことを、

覚えたんだ。」

「そうなんだぁ。」

「鮨屋で使わないような魚を使ったり、

色んな料理を覚えていくうちに、

焼物の美味しさを知り、

その中でも、

西京焼が一番美味しい焼物だと、

思うようになったんだよね。」

「なるほど。焼くだけに、

ますます熱いような・・・。」

「今言ったみたいに、

焼物は美味しいからね。

和食の場合、焼くっていうのは、

余分な脂と水分を

落とすことなんだよ。

そうすると・・・?」

「そうするとって・・・?

もしかして、問題?」

「イエ~ス。」

「いきなり言われても・・・。」

「じゃあ、ヒントね。

焼くことで、味が凝縮されて・・・。」

「美味しくなるってこと!?」

「BINGO!」

「ほぉ~。」

「さらに、ふっくらとして、

旨味だけが残ると、

油を引いて、

フライパンで焼く料理法よりも、

ずっとヘルシーだよね。」

「うんうん。」

「この焼き方こそ、

日本料理の特徴なんだよ。」

「凄いじゃん!」

「もっと言うとね。」

「ますます熱くなってきたね。」

「焼いているからだよ。」

「・・・・・。」

「焼物って、御飯に合うし、

御飯に合う料理が一番の美味しさ

だと思うんだよ。」

「言われてみると、そうだね。」

「だから、焼物なんだよ。」

「よ~く分かったよ。」

「この後、玉子焼の話をしたかったけど、

今日は、この辺にしておくね。」

「はぁ~い。」

というわけで、別の機会に、

玉子焼については、

お話しさせて頂きます。

お弁当用の煮物と銀鱈の西京焼

『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信が、

生涯、一料理人を貫くためが想いを、

今日( Vol.3770)も認めます。

今日は、

沼津魚市場に行ったものの、

定休日前ということもあり、

特別な仕入れはありませんでした。

『佳肴 季凛』に戻り、出汁を引くなどの

ルーチンの仕込みを終えたら、

明後日のお弁当用の

仕込みをしました。

西京焼用の銀鱈(ぎんだら)に、

串を打ったり、

口取り用の海老の酒煮(さかに)や、

煮物を仕込み、

煮物は、人参、ごぼう、白滝、さつま揚げです。

これらを冷蔵庫にしまおうとすると、

ふぐネット達がやって来て、

「親方、おはようございます♬」

「おはよう。」

「煮物を見ると、

煮汁が一杯あるけど・・・。」

「煮物は、火入れを兼ねて、

煮詰めるからだよ。

海老は、

これ以上、加熱すると、

硬くなり過ぎて、食感が悪くなるから、

煮汁から上げて、盛付けるんだよ。

だから、仕込む時に、かなり煮詰めて、

濃いめの味付けにして、

海老をつけ込んであるから、

よほどのことが無い限り、

平気だよ。」

「へぇ~。普段の料理とは違う

仕込み方をするんだね。」

「そうだよ。」

「こういう仕込みって、

どこで覚えたの?」

「鮨屋から移った2軒目の料理屋だよ。

そこの店は、ランチの営業前に、

毎日、かなりの数のお弁当が出ていて、

最低でも100人前、多いと300とか、

400人前の日もあったよ。」

「ひゃ~、凄過ぎる。」

「その店に移った時には、

びっくりしたよ。

すぐに慣れたけど、

今思うと、懐かしいよ。」

「じゃあ、色んなことが

あっただろうから、今度話してよ。」

「はいよ~。」

とりあえず、ここまで仕込んだのですが、

明日は、揚物の仕込みなどをし、

休日出勤と相成りました。

さらに、魚市場に行くので、

それなりの仕込みを

覚悟はしているものの、

早めに終われるような

流れになって欲しいものです。

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