鱧(はも)しんじょう蒸しの鱧は、静岡県舞阪産
一昨日、今季初の鱧(静岡県舞阪産)を仕入れたことをお話ししましたが、今日は、この鱧で鱧しんじょう蒸しを仕込みました。
フードプロセッサーに、
鱧の身を入れたら、
細かくしたら、
市販のすり身を加えたら、再びフードプロセッサーにかけ、よく混ぜ合わせたら、
玉子の素をつなぎとして加えるのですが、玉子の素とは、卵黄に分離しないようにサラダ油を混ぜ合わせたもので、味のついていないマヨネーズと思って頂ければ、いいかもしれません。
さらにフードプロセッサーにかけ、混ぜ合わせたら、
ここに、
生クリームを少しずつ加えながら、混ぜると、
しんじょう地が出来上がりました。
これを、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、
30グラムの大きさに丸めたら、
一口ぐらいの大きさに包丁した鱧の身を、
皮目を上にして、
刷毛で打粉をしたら、
丸めたしんじょう地に鱧の身を乗せたら、
蒸気が上がった蒸し器で、12分程度蒸したら、
出来上がりました。
お出しする時は、器に盛り、あんを貼り、温めなおしたら、熱々の状態で、三つ葉や葱をちらし、もみじ卸しを天に盛り、お出しします。
魚市場の担当者によれば、鱧の本格的な入荷は、今月末あたりになるとのことで、「梅雨の水を飲んで美味しくなる」と言われているように、梅雨入りの前後に、鱧の入荷が増えてきそうです。
そんなこともあり、『鱧料理』のコースをご用意出来るのは、入荷の状況によるので、未定ですが、詳細などについては、直接お問い合せください。
★★★ 佳肴季凛謹製 西京漬 ★★★
当店では、お中元、お歳暮などの贈り物に最適な『西京漬』をご用意いたしております。
銀鱈、サーモン各3切入 3,480円 ※クール便にて発送可
店主自ら、魚市場で吟味した“銀鱈”、“サーモン”を使用し、お手製の有機西京味噌で仕込んだ逸品です。大切な方への贈り物に、是非どうぞ。
ようやく初入荷の鱧(はも)
今朝は、
沼津魚市場に行って来たのですが、あろうことか、自分宛に届くことになっていた静岡県舞阪産の鱧(はも)が、届いていなかったのです。
これまでに、そのようなことはなく、すぐに送り主である浜松市の魚屋の担当者に電話をしたところ、「送ったはずですし・・・。運送会社も、まだやっていないので・・・。どうしましょうか?」との返答。
届け先を間違ったのかと思い、可能性のある場所を探し回っても、見つからず、途方にくれており、再び電話したところ、「全てこちらの責任ですので、荷物があっても、こちらに送り返すようにしますから、今回は無しでよろしいでしょうか?」と言われ、どうしようもないので、魚市場から帰ることにしました。
【佳肴 季凛】に戻り、しばらくすると、魚市場の職員から電話があり、「季凛さん宛の荷物があるんですけど、どうしましょうか?」と言われ、魚市場の近くにある包装資材店の配達日ということもあり、それらと共に、届けてもらうことにし、事なきを得たのです。
ランチの営業が始まる頃、
鱧が届けられ、
中を確認すると、
活締めにされた鱧が入っていました。
タイトルにもあるように、今季初入荷の鱧で、初入荷がアクシデントとはいえ、無事に入荷したことに、胸をなでおろし、ランチの営業が終わるまで、このままにしておき、営業後、
鱧の下拵えをすることにしました。
活締めの鱧ですので、
頭と、
尾の付根には、血抜きのための包丁が入っています。
ヌメリを取り、はらわたを抜き、
水洗いし、
卸したら、
鱧の下拵えのメインイベントとも言うべき骨切りをしました。
今日の鱧は、
鱧しんじょう蒸しに仕込むので、骨切りを終えたら、
尾などの細い部分の身と、
皮を分けておき、
身の部分は、揚物などに使うため、このまま冷蔵庫へ。
本格的な入荷はもう少し先になりそうですが、当店の『鱧料理』もそろそろと言った感じで、季節も春から夏へと移ろい始めました。
今季初の秋刀魚(さんま)をはじめ、諸々
今朝は、沼津魚市場に仕入れに行ってきたのですが、
この売場に、
北海道・根室産の秋刀魚が、入荷していました。
当初、今季の秋刀魚も不漁と言われていたのですが、先週の終わりぐらいから、水揚げが増え、今週になって、相場も秋刀魚らしいものになり、特売の目玉となっているスーパーもありました。
そうなると、脂の乗りも良い秋刀魚が多く入荷するのですが、秋刀魚に限らず、魚は良いものが無いときほど高く、良いものが多いほど安くなるのが、相場の常なのです。
箱の上には、
13入と書かれた札があり、中を確認すると、
まずまずの大きさでしたので、今季初の秋刀魚を1ケース仕入れることにしましたが、秋刀魚以外にも、今朝は、
島根産の鯵(あじ)、
大分産の鱧(はも)、
茨城・霞ヶ浦産の白魚、
佐賀産の新子などを仕入れました。
また、魚市場の帰りには、
宅配便の営業所に立ち寄り、
東京・築地から届いた鮪(まぐろ)を受取り、【佳肴 季凛】に戻り、
仕込みをする前に、
鮪を確認したところ、予定通り青森・大間産の生の本鮪でした。
昨日発注した時点で、産地や目方は分かってはいても、実際の身の状態は、見るまでは分からないので、何度仕入れても、この時は、居心地の悪いこと、この上ありません。
諸々の魚を仕入れたものの、今日のお話しの主役は秋刀魚ですので、そこに話題を戻すことにしましょう。
新子の下拵えを終えたら、
秋刀魚のそれに取り掛かることにしたのですが、
秋刀魚は焼物にするので、頭を落とし、はらわたを抜いておきました。
水洗いは、
女将兼愛妻(!?)の真由美さんに任せ、水洗いし終えたら、
三枚に卸してから、
秋刀魚の難波焼にするため、長葱を芯にして、串を打っておきましたが、秋刀魚の難波焼については、こちらをお読み下さい。
そして、お昼の賄いは、
クオリティ・チェックを兼ね、
お昼の賄いにし、
自分も、
真由美さんも、骨まで堪能し、今夜の会席料理の焼物では、
秋刀魚の難波焼として、お出ししました。
自然相手ゆえ、魚の水揚げ、入荷は、その時の天候次第なのですが、旬のものを味わうのが、四季を愛でる日本人の性にして、それを表現する日本料理こそ、日本人のよりどころで、その心を大事にしていきたいものです。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、9月6日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
週末は、大間の鮪、天然とらふぐ、鱧の揃い踏み
今朝は、仕込みの前に、
宅配便の営業所に行き、
東京・築地から届いた鮪を、受取りに行って来ましたが、今日の鮪は、
青森県大間産の生の本鮪でした。
そんな今日は、ふぐ料理、鱧料理、特別会席などの御予約を頂いていたので、
ランチの営業の合間を見ながら、ふぐちりを盛り付けたりしたのですが、今日の特別会席のメインは、趣を変え、
今日の本鮪の中とろと赤身の部分を使い、しゃぶしゃぶに仕立てることにしました。
これまでにも、
すっぽん鍋仕立ての生の本鮪、天然のとらふぐ、鱧のしゃぶしゃぶこと、とんでもないしゃぶしゃぶをお出ししたことがあるように、仕立て方は、ほぼ同じ感じで、生の本鮪と一緒に添えた野菜は、
白菜、長葱、水菜、榎、くずきり、豆腐でした。
言うまでもなく、鮪は刺身でお出しするのが殆どですので、
ふぐ料理のお客様には、中とろと赤身を、先付の一品としてお出しし、特別会席のお客様には、
帆立(北海道産)、湯葉と共に盛り付け、冷蔵庫にしまっておいたのですが、鱧料理の刺身は、
生の本鮪だけ盛り付けておきました。
このようにするのは、落とし(湯引き)に仕立てた鱧を冷蔵庫にしまうと、ゼラチン質が固まっていまい、食感を大きく損ねるからで、落としに仕立てるのは、お客様が御来店してからです。
その後、ふぐ料理と、
特別会席でお出しするふぐ刺を引き終え、冷蔵庫にしまったら、
水槽から、
鱧を取りだし、
締め、
神経を抜き、
卸し、骨切りをしてから、落とし用に包丁しておきました。
ところで、水槽の鱧を取り出すのに、ざるを上下にしてあるのは、鱧は長い魚ですので、網で捕まえにくいだけでなく、追いかけ回し、興奮させてしまうと、噛み付かれる恐れがあるので、頭と尾の方から、挟み撃ちするように、ざるに追い込むようにしています。
最後に、ふぐちりの土鍋と、
生の本鮪のしゃぶしゃぶの土鍋を、厨房に用意し、夜の営業時間となったのですが、御来店時間が重なっていたこともあり、バタバタモードはMAXに達し、怒濤のような時間が流れたものの、無事に一日を終えることが出来、
同じく無事に、“お疲れちゃん♪”
かくして、大間の鮪、天然のとらふぐ、鱧と、『佳肴 季凛』の三役とも言うべき食材が揃い踏みした週末の一日は、更けていったのでした。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、9月6日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
台風は来ないながらも、怒濤のような半日
台風19号と20号と、二つの台風が近づいているのにも関わらず、今朝の沼津魚市場の魚の入荷状況は、
予想していたよりも、
少ないということはありませんでした。
そんな様子を尻目に、
活魚売場に行くと、
南伊豆・妻良産のめいち鯛が入荷しており、めいち鯛は、夏の終わりから初秋のごく限られた時季が旬の魚で、この時季の高級魚の一つでもあります。
とは言っても、自分には入り用ではなく、この時季の自分の入り用と言えば、
鱧(はも)で、
今朝は、和歌山と大分産のものが入荷していました。
今日は、活かしの鱧は必要なかったので、
落ち鱧と呼ばれ、生簀などで死んでしまった大分産のものを、3本仕入れることにし、その場で、
はらわたを抜いてから、別の売場に行くことにしました。
このように、はらわたを抜いておく理由ですが、落ち鱧は、お腹の中にエサが残ったまま死んでしまっていることもあり、その臭いが回ってしまい、使い物にならないようにするためです。
別棟の売場に行くため、外に出ると、
地元の船は漁に出ておらず、富士山を見ると、
笠雲と呼ばれる雲が頂上にかかりつつありました。
笠雲が頂上にかかると、雨が振ることが多く、天気予報の降水確率も、昼前後から60%でしたので、台風の直撃はなくとも、雨が降る可能性が高いことを覚悟しながら、魚市場から帰ることにし、富士市に入ると、
頂上は、笠雲に隠れてしまいました。
そして、『佳肴 季凛』に戻ると、
ランチタイムに、バスの団体のお客様がお見えになるので、座敷では、女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、御席の準備をしていました。
こんな状況でしたので、魚の仕入れは最低限にし、ひととおりの段取りを終えたら、
最後に出すデザートの桃のムースにはじまり、
山掛け、
先付のもろこし豆腐などを盛り付けたら、冷蔵庫にしまい、その後、
蒸物の鰯つみれ錦糸蒸しを盛り付け、あんをはり、蓋をしたら、熱々のままお出しするため、
温蔵庫にしまい、大方の盛り付けを終えました。
その後、小鍋の盛り付けを女将兼愛妻(!?)の真由美さんに任せ、自分は、
鱧を卸すことにしたのですが、このような状況ゆえ、
骨切りはせずに、冷蔵庫へしまい、再びバスのお客様用の料理の準備をすることにしました。
バスの団体のお客様は、幹事や乗務員の方に、途中で連絡して頂くようにお願いしてあり、大体の御来店時間の目安もつくので、頃合いを見ながら、
準備をすることが出来、御来店を待つばかりとなりました。
そして、到着される頃には、
富士山に笠雲がかかっていたように、既に雨が降り始めており、そんな中、
バスが到着し、一気にバタバタモードに。
御食事を終える頃には、雨ということもあり、
玄関前まで、バスが移動し、お客様が乗り込むと、
お見送りをしました。
そして、店内に戻ると、片付けをすることにしたのですが、夏休み中ということもあり、
下の娘が片付けを手伝ってくれ、仕込みを終えた自分が洗い場にまわり、
真由美さんだけでなく、
娘の奮闘もあり、
思ったよりも早く、片付けを終えることが出来、台風が来なかったものの、怒濤のような半日が、無事に終わったのでした。
最後になりましたが、今日で、当ブログ『もっと美味しいお話し』は、2300回目の節目の更新となりましたが、これからも、お付き合いのほど、宜しくお願いします。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、9月6日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
和歌山県産の鱧(はも)と青森県大間産の本鮪
休市日でしたが、今朝は、沼津魚市場に仕入れに行って来ました。
活魚売場に行くと、
生簀に、
自分の買い番の札と共に、
和歌山県産の鱧が2本入っており、
そのまま移し、
持ち帰ることにしましたが、休市日でも、仕入れに来る人達もいるのは、いつものことです。
そして、帰る途中、
宅配便の営業所に立ち寄り、
築地から届いた鮪(まぐろ)を受け取り、『佳肴 季凛』に戻りました。
『佳肴 季凛』に着くと、
鱧を水槽に入れることのですが、
2本のうちの1本は、そのまま入れ、もう1本は、
夕方卸すので、ザルに入れた状態で、水槽で泳がしておきました。
夕方になり、
水槽から取り出し、
締めてから、
卸し、
落としに仕立てるため、包丁しておきました。
落としにして、冷蔵庫にしまっておくと、皮が硬くなるだけでなく、パサパサした感じになり、食感を大きく損ねるので、落としに仕立てるのは、お客様がお見えになってからです。
ですので、
今朝入荷した生の本鮪だけ盛り付け、
冷蔵庫にしまっておき、お客様がお見えになったら、
落としにしたて粗熱が取れた鱧、小肌(佐賀)、湯葉と共に盛り付けて、お出ししたのですが、こちらの四種盛りは、鱧料理の御客様のものです。
また、もう一つの刺身は、
特別会席の刺身でしたので、三種盛りでしたが、特別会席ということもあり、
ハーフサイズのふぐ刺をお出しし、今日のふぐは、静岡県舞阪産の天然のとらふぐでした。
大間など津軽海峡産の本鮪が入荷し始める時季は、夏の終わりからで、お盆を過ぎ、一時のうだるような暑さも和らぎつつあり、季節も少しずつ、秋に近づいており、それと共に、食材も変わり、四季を愛でる日本料理の良さを感じる今日この頃です。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、9月6日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
お盆休み明けの沼津魚市場
昨日、一昨日と連休させて頂いていましたが、自分が通う沼津魚市場も、
14日から15日まで連休で、【佳肴 季凛】同様、今日がお盆休み明けでした。
いつものように、一番最初に活魚売場に行くと、
売場の担当者は、
大分県産の鱧の仕分けに追われており、この隅に、
自分が注文しておいた鱧(はも)があり、『47-9』というのは、自分の買い番で、大分県産のものが5本ありました。
生簀を見ると、
殆どが蛸で、大きさも小さめでしたので、自分は素通りし、貝類専門の売場を覗くと、
栄螺(さざえ)と蜆(しじみ)が中心で、帆立や浅蜊などもありませんでした。
他の売場も、入荷は少なく、
別棟の売場も、
普段の半分くらいでしたが、この売場で、
『西京漬』用のサーモン(ノルウェー産)を、
仕入れ、この売場では、
北海道産の秋刀魚(さんま)が、
沼津魚市場に、
今季初めて、入荷していました。
ここ2,3年不漁が続いており、今年も不安視されており、水揚げの状況が気になるばかりで、参考のために、値段を訊いたところ、青息吐息・・・。
お盆休み明けで、沼津魚市場は、今日だけ開いて、明日休みで、築地などの中央市場は、今日と明日だけ開いて、明後日の日曜日が休みということもあり、どうしても荷動きも悪くならざるを得ない状況ながらも、自分の仕入れには、さほど影響がなかったのが、唯一の救いでした。
通常通りの入荷状況となるのは、週が明けてからとなりそうで、天候と共に、秋の気配となりそうです。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、9月6日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
お盆に、昼鱧
今日から、お盆休みの方もいらっしゃるかと思いますが、【佳肴 季凛】は、先日お話ししたように、14日まで通常通り営業しています。
そんな今日は、
『山の日』なる祝日らしいのですが、土曜日ということもあり、
沼津魚市場は、
休市日でした。
ただ、東京・築地などの中央市場は、
お盆休み前の連休ということもあり、
開市日でした。
お盆休みがあるのにも関わらず、『山の日』を作った考えは、未だに不可解で、これ以上、休日を増やすと、流通に支障をきたし、食そのものの根幹をなし崩しにするようでならず、現在の休日を減らすか、週休二日を、即座にやめて欲しい限りでなりません。
先程、お話ししたように、普段通う沼津魚市場は、
休市日でしたので、ガラ~ン。
薄暗いながらも、
活魚売場に行くと、
前もって注文しておいた鱧が、[47ー9]と自分の買い番書かれた札と共に、生簀に入っていました。
お分かりかと思いますが、[徳島 ① 0,6]という札は、徳島県産の鱧が1本(0,6キロ)という意味です。
そして、中を確認したら、
そのまま、発泡スチロールに移し、
魚市場から帰ることにしたのですが、休市日とは言え、お盆休み前ということもあり、
問屋が集まる売場では、
注文分の荷物の仕分けに追われていました。
魚市場から帰る頃には、
周辺には、かなりの車が、駐車場に止まっていました。
『佳肴 季凛』に戻り、ひととおりの準備をし終えたら、
“昼鱧”の料理の盛り付けをすることにし、刺身は、生の本鮪(塩釜)だけ盛り付け、
湯葉と新子(佐賀)はバットに入れ、冷蔵庫にしまい、全ての料理の準備が出来たら、
鱧を締め、
神経を抜いたら、
骨切りをし、
落とし用に包丁しておきました。
お客様がご来店されたら、
落としに仕立て、
このように盛り付け、お出ししました。
お盆休みということもあり、魚市場は開いていても、鱧の入荷や在庫が少なくなるので、鱧料理をご希望の際には、お手数ですが、予めお問い合せ下さい。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、9月6日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
鱧、車海老、岩牡蠣入りの天丼
以前、鱧と車海老の天丼を賄い用に作り、
その作り方についてお話ししたことがありますが、先日、さらにバージョンアップし、
鱧、車海老に岩牡蠣を追加をした豪華版の天丼を作り、賄いで食べてみました。
結論から言えば、というより、結論を語るまでもなく、天下御免して、問答無用の美味しさだったのは、言うまでもありません。
その作り方ですが、鱧は、沼津魚市場で仕入れた大分産のもので、
骨切りをはじめ、
常の通り下拵えしたものです。
車海老ですが、
すし種などを主に扱う“小物屋”と呼ばれる問屋で仕入れ、
鹿児島県奄美大島産(養殖)で、
鱧も車海老も、活きたものが理想的なのですが、賄いゆえ、その辺りは、泣く泣くというか、まあまあということにしておきます。
ちなみに、養殖の車海老の最大の産地ですが、一番が沖縄県で、ついで鹿児島県となっており、この両県で、全体の半分くらいの生産量があります。
車海老は、頭を取り、殻を剥いたら、
背わたを取り除き、揚げた時に丸まらないように、包丁目をいれ、伸ばしておきます。
頭も素揚げして、天丼に使うことも考えましたが、クオリティ・チェックのため、
串に刺してから、
焼いて食べたのですが、安定の美味しさに、天ぷらというか、天丼の仕上がりに期待が持てました。
お昼の賄いでなければ、この暑さゆえ、泡などで、グビグビっと喉を潤したい気分だったのは、言うまでもありません。
メイン食材の最後たる岩牡蠣は、
貝類を専門に扱う売場で、
仕入れた宮崎県産のもので、
このような大きさのもので、
1ケースに50個入っている小さめのものです。
殆どの場合、岩牡蠣を仕入れる時は、出来る限り大きなものを仕入れるのですが、鱧、車海老同様、賄いですので、
数も6個で、そこそこということにしておきました。
また、宮崎県産の岩牡蠣を仕入れた時は、
徳島県産のものも仕入れたのですが、比べると、その大きさは一目瞭然で、
徳島県産のものは、プリップリで、身を5つに包丁してからお出ししました。
剥いた岩牡蠣は、
塩をひとつまみ入れた熱湯で、
軽く霜降りをし、
粗熱が取れたら、
氷水から上げておきました。
このような下拵えをするのは、
打粉をしやすくするためです。
これらを揚げるだけとなり、期待は高まるばかりで、そのワクワク感を抑えて、全神経を集中し、
車海老、
岩牡蠣、
鱧、
ついでの茄子とピーマンを揚げ、準備が整いました。
揚げ上がる頃合いを見計らいながら、
照焼のたれと一番出汁を同割にしたものを沸かし、
炊きたてのつや姫(山形県産)に掛け、
車海老をはじめ、天ぷらを天丼のつゆにくぐらせ、
鱧、
車海老、
岩牡蠣、
夏野菜の代表格の茄子とピーマンも盛り付けたら、
仕上がりました。
いつもは、自分と女将兼愛妻(!?)の真由美さんの分だけですが、
この日は、法事の御席もあったので、ホールスタッフのバイトもいたので、3人分、用意しました。
冒頭でお話ししたように、あまりの美味しさに、3人とも無言になってしまいましたが、鱧、車海老、岩牡蠣が全て揃わなくとも、時季が終わるまでに、鱧と岩牡蠣で、あと一度くらい食べて、秋を迎える準備をしないと・・・。
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、9月6日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。
鱧(はも)と新子(しんこ)
夏が旬の魚は少なく、その中の代表選手とも言うべき魚が鱧で、その美味しさは、他の魚にはなく、夏から秋にかけての美食であるのは、広く知られており、この時季、普段通う沼津魚市場で、自分が最も多く仕入れる魚です。
沼津魚市場で、鱧を最も多く扱うのが、
活魚売場ですが、余程のことがない限り、自分が一番最初に向かう売場で、今朝も然りでした。
そんな今朝は、
予め注文しておいた活かしの鱧(山口産)を、
確認し、
売場の状況を見てみると、
大分産の活かしの鱧が並んでおり、その前には、
同じく大分産ではありますが、落ち鱧と呼ばれ、輸送中に死んでしまった鱧がありました。
お分かりかと思いますが、落ち鱧は、活かしの鱧と一緒に送られてきたもので、この中から、
4本入で1,85キロのものを選り、仕入れることにしました。
また、生簀の前には、
佐賀産の小肌と、
その幼魚の新子が、
並んでおり、生物学的つまり標準和名では、どちらもコノシロで、全く同じものです。
ただ、魚を専門に扱う人達の間では、コノシロに限らず、魚は大きさによって、呼び名が変わるだけでなく、市場価値も変わるのが一般的です。
また、名前が変わると、出世魚と思われていますが、コノシロの場合、成長するにつれ、値段が安くなるので、出世魚と呼ぶことは出来ません。
ちなみに、出世魚というのは、歴史上の人物の豊臣秀吉の立身出世にちなんだもので、出自は農民ながらも、最終的には、武士の最高権威まで上り詰めた出世を、地で行ったような生涯だったのは、広く知られていることです。
さらに言うと、豊臣秀吉は、日吉丸、木下藤吉郎、羽柴秀吉、豊臣秀吉と4回名前が変わっているので、厳密に言うと、名前が4回変わらないと、出世魚とは呼ぶことが出来ません。
新子は、梅雨入りした頃から入荷し、
お彼岸を過ぎると、成長してしまい、限られた時季のものです。
また、新子の仕込みは、小さいゆえ、
かなり骨が折れますが、酢締めにする魚ですので、小肌も新子も、仕込みの仕方は、全く同様で、新子の仕込み方については、こちらをお読み下さい。
そして、酢から上げた新子を、昆布で挟み、
冷蔵庫へ。
そして、今夜の鱧料理のコースの刺身で、
お出ししましたが、その内容は、
生の本鮪(塩釜)、
鱧(山口)、
蛸(神奈川・佐島)、
新子(佐賀)でした。
新子や小肌は、日本料理よりも、鮨屋で使う頻度が高い魚で、出始めの時の値段は、目が飛び出るほどの高さで、一時的な相場とは言え、ありとあらゆる海産物の中で、もっとも高いかもしれません。
一番最初に、築地に入荷する時は、その時にもよりますが、100グラム入のものが、3パックというような少なさで、そういう時のキロ単価は、“福沢諭吉”が数枚にもなったりもします。
そのような値段ですので、築地にしか入荷しないので、国内で、300グラムしかないということになり、それこそ、レアものなのです。
ただ、出回り始めると、かなりのお値打ちで仕入れることが出来、最高値と最安値の差は、同様に一番で、何十倍どころか百倍を越える場合もあります。
自分にとって、料理の道の始まりは、鮨屋でしたので、新子が出始めると、妙な胸騒ぎがし、毎年、新子の値段が落ち着くと、
新子丼を作り、賄いで食べ、旬の味を堪能しています。
となると、明日辺りは・・・。(笑)
☆★☆ ラジオエフ 『うまいラジオ』に出演中 ★☆★
毎月第一木曜日 昼2時頃から、ローカルFM局ラジオエフの番組『うまいラジオ』で、旬の魚について、店主兼“熱血料理人”の自分が、熱く語ります。
次回は、9月6日(木)の予定です。
放送エリアは限られますが、お時間のある方は、是非、お聴き下さい。