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もっとおいしいお話し

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氷詰めした目鯛(めだい)のその後

Vol.4114

いらっしゃいませ


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし


天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


今日(8月14日)は

先日仕入れた地物の目鯛(めだい)

についてお話しします。 



今朝、目鯛(めだい)を卸そうとすると

熱血君が

「おはよう、親方🐡

市場が休みなのに

このメダイは・・・?」

「この目鯛は

連休前の10日(木)に

仕入れたものだよ。」

「それでも

持つものなの?」

「持ったから

あるじゃん。」

「出た、得意のぶっきら棒トーク!」

「ぶっきら棒で

悪うござんしたねぇ~。(笑)

これを読んでごらん👆


「ここまですると

持ちが良くなるなんだぁ~。」

「特に、このお盆休みは

台風も来ていたし

8月の頭から

気を揉んでいたんだよ。」

「どっちにしても

良かったね。」

「そうだね。」 


三枚に卸したら


腹骨を欠き

皮に包丁目を入れたら


バーナーで

FIRE🔥 


水気ふき取ったら

キッチンぺーパーで挟み

冷蔵庫へ。

そして、ランチタイムに

目鯛のカルパッチョに

仕立てました。 


また、尾に近い部分は

生で使うには

不向きなので

お弁当の西京焼用に

仕込みました。


目鯛の隣にあるのは


ランチメニューの西京焼や

【西京漬】用です。


とりあえず、

この目鯛と手持ちの魚で

お盆休み期間を凌ぐことが出来ました。

ただ、明日から

沼津魚市場は開きますが

台風の影響で

週末ぐらいまでは

魚の入荷は

あまり期待出来ません。

それでも、どうにか

切り抜けられれば・・・。



「台風7号さん

上陸してもいいけど

おとなしくしてね。

そんじゃ、また🐡」 by ふぐとらちゃん


☆★☆ 【コエタス】 ★☆★

当店のお取り寄せや

通販の商品などを

召し上がった方々が

【コエタス】というサイトで

投稿して下さっています。

ご興味、ご関心がある方は

是非、御覧下さい。

氷詰めした地物の目鯛(めだい)

Vol.4110

いらっしゃいませ


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今日(8月10日)は


氷詰めにした目鯛(めだい)について

お話しします。 


今朝、沼津魚市場に行くと

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG5314.jpg


地物の金目鯛(きんめだい)の

仕分けをしている最中でした。


金目鯛の外道(げどう)として

水揚げされる魚の一つが

目鯛(めだい)で


仕分け前ということで

運良くGET!

台風6号と7号の影響はあったものの

昨日、一昨日に比べて

地物や

活魚の入荷もそれなりにありました。 


【佳肴 季凛】に戻ると

「おはよう、親方🐡

魚あったみたいで

良かったじゃん。」

と、ミニふぐちゃん。

「おはよう🐡

とりあえずは良かったよ。」

「目鯛って

僕達みたいに

目がパッチリしているから

何か可愛い感じがするんだよねぇ~。

どう、どう?」


「まぁまぁね・・・。」

「つれない返事だなぁ。」


目鯛は鱗(うろこ)が細かいので

包丁で鱗を取り除き

この方法を

すき引きと呼んでいます。 


鱗を取り終えたら

頭を落とし

水洗いをしたら


尾びれを

切落します。

普段なら

尾びれを取ることなく

卸すのですが

今日はお盆休みに備えて

氷詰めしておくことにしました。


中骨に

細い針金を通し

血を抜きます。 


こうすることで

鮮度が落ちにくくなるからです。 


腹の部分の水気をふき取り

キッチンペーパーで

包んだら

弱めの真空パックをし



氷詰めにし

冷蔵庫へ。 



「目鯛ちゃん

良い子でお寝んねしてね~。」


氷の中ですので

温度は凍らない0度ですので

普通に冷蔵庫にしまうよりも

持ちが良くなります。


仮に、この目鯛が無くても

困らないようにはしてあるのですが

備えあれば憂いなしということで・・・。 


お盆の間は

14日(月)も

通常通り営業しておりますが


台風による悪天候のため

急遽お休みさせて頂く

可能性もございますので

前もってのお問い合わせをお願い致します。 


「もぉ~

暑過ぎて、暑過ぎて・・・💦

そんじゃ、また明日」 by 熱血君 



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台風6号&7号の影響

Vol.4108

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今日(8月8日)は


台風の影響で

ガラ~ンとしていた沼津魚市場の様子

についてお話しします。


自分のFacebookの投稿を見た熱血君が


「ねぇ、親方🐡 

ここって市場?」

と、訊いてきました。


「そうだよ。

台風画像

台風6号と7号の影響で

魚無し・・・😢」 


6号の影響で

九州方面の魚はなく



👆 両隣のこちらの売場は 👇


送りと呼ばれ

全国各地から送られて来る魚が

並べられる売場で

いくらか並んでいる魚の産地は

関東以北の三陸や北海道です。


一方の7号の影響を

受けていた売場は👇


伊豆半島周辺の魚の売場は

皆無・・・。


沼津近隣の魚の売場は

伊豆方面よりも

少しはましでした。 

とは言っても

普段の2割弱。 


活魚売場は

地物だけでなく

送りの魚もあるのですが

地物や

三陸の平目(ひらめ)


常磐の伊勢海老が

数える程度。 




別棟の売場に行っても


ガラ~ン。 


特に、この売場は

九州方面の魚をメインに扱う問屋の売場で

開店休業状態。


「7号は今週末

来そうだけど

魚とか大丈夫なの?」

「魚は大丈夫だよ。

アレで冷凍したものがあるじゃん。」

「あぁ~、アレね。」

アレについては

あえて、ここでは書きませんが

気になる方は

直接お訊ね下さい。 


ただ、魚の入荷と水揚げは

週末にかけて

じわじわと減っていきます。

しかも

12日(土)から14日(日)までは

沼津は休みです。

さらにさらに

7号の影響は

その3連休の後もありそうなので

気が気でなりません。 

先程お話ししたように

自分の場合

さほど困ることはありませんが

こういう状況になって

一番たいへんな思いをするのは

漁師達です。

台風が去っても

海が荒れているだけでなく

川から流れたゴミや流木で

漁に出ることが出来ません。

さらには土砂、真水が流れ込むと

魚が潜ってしまうため

荒れてはいなくても

操業不可能です。

長ければ

半月も仕事になりません。


そういう状況をマスコミは

伝えるべきですし

人によっては

「良い休息が出来たと思えば・・・。」

みたいなことを

軽々しく言う始末。


操業出来ないというのは

収入が無いことを

意味しています。


そういう厳しい条件の下で

仕事をするのが

漁師であり

農家なのです。

一次産業なくして

食は成り立ちません。


食料自給率を見れば

一目瞭然です。

漁師や農家がいなくなったら

日本の食は

立ち行かなくなります。

日本人ひとりひとりが

食というものを

もっと考えるべきなのです。


食の最前線である魚市場というより

漁港に通う以上

自分は声を出し続けますし

それが出来るのも

地方の料理人の使命なのです。


先程お話ししたように

魚の仕入れについては

心配ありません。



ただ、天候次第では

営業の変更の可能性もあるので

ご来店をお考えの方は

お手数ですが

お問い合わせをお願いします。 


「明日はお弁当の注文があるんだね。

そんじゃ、また🐡」 by ふぐとらちゃん


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THE鱏(えい)⑥~エイの肝~

Vol.4105

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志村弘信です。


これまでに


第1回


第2回


第3回



第4回


第5回

とお話ししてきた

エイのお話しですが

鳴いても笑っても

今日(8月5日)で

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG5060-1.jpg

最終回となりました。

そんな最終回は

エイの肝についてお話しします。 


エイを卸す時は

最初に肝=肝臓を取り出します。 


取り出したら

氷水に落としておきます。


「とうとう今日で

最終回になったエイだけど

今日も色々教えてね。」

と、ふぐとらちゃん。

「はいよ~。」


「早速だけど

どうして氷水に入れておくの?」


「活〆(いけじめ)にしたから

血が回りにくいけど

血抜きのためだよ。」

「ふぅ~ん。

で、どういう風に仕込むの?」

「肝と言えば

鮟肝(あんきも)だから

それと同じ様に

仕込んでみるよ。」

「あんきもかぁ~。

脂が乗っていると

美味しいんでしょ?」

「まぁね・・・。」

「テンションっていうか

トーンが低いけど

どうかしたの?」

「実はさぁ

肝、白子、魚卵の類って

あんまり好きじゃないんだよ。」

「え゛~っ

苦手なの?」

「苦手じゃないけど

食べても食べなくても

いい感じなんだな、これが。」

「うに丼、いくら丼なんて

聞いただけで

よだれ5リットル・・・🤤」

「でも、物の良し悪しは良し悪しは

分かるから

問題ないよ。」

「それならいいけど・・・。」

「でも、内臓の類で

唯一美味しいと思うのが

天然のとらふぐの白子だよ。」


「何それ~?」

「あれだけは別格。

天然のとらふぐの白子の味を知ったら

他の白子やら、肝、魚卵が

束になっても

叶わないからね。」

「そんなに美味しいの?」

「天然のとらふぐの白子は

ありとあらゆる海産物の中で

値段もトップクラスに高いものだし

味こそ値段だからね。」

「じゃあ、正月の

大間のまぐろとかは?」

「あれは

半分やらせみたいな部分があるし

年末年始相場だから

例外だよ。」

「そういうの抜きで

別ものなんだね。」

「そうだよ。」

「チャンスがあったら

食べてみたいなぁ。」


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-P4190022.jpg

「ほら、こんなのも🐡」

「わぁ~お!

やっぱ、ふぐオタクだけあって

ふぐの話は止まんないね。」

「そりゃそうさ。

そんなことより

エイの肝を話さないとね。」

「そうだよ、そうだよ。」


包丁した肝は


盆ざるに乗せて

軽く塩を振っておき


塩が溶けたら

水洗いし

さらに、日本酒で洗います。


水分を拭き取ったら


アルミホイルで巻き

串で数か所

穴を開けたら

日本酒、薄口醤油と共に

真空パック。

そして


スチコン
(スチームコンベクションオーブン)で

70度で50分程加熱したら

氷水で一気に冷まします。


十分に冷めて

封を開けると

あまりの脂の強さゆえ

固まらず・・・。


なので、

80度50分の設定で

加熱すると

こんな感じに。

ただ、持った感触からして

最初の加熱と変わらない感じで

多少は固まったものの

完全にレバーペースト状態。



「脂が強いと

こんな風になっちゃうんだね~。」

「そうなんだよ。」

生の状態の時は

普通の魚の肝と同じ感じにしか

思っていませんでした。


が、しかし

最終的には

とんでもない脂の乗り具合

ということが判明。 


「ここまで脂が乗る

魚の肝って

あるものなの?」

「多分

カワハギの形態写真

皮剥(かわはぎ)くらいかな。」

「へぇ~

カワハギでも

同じことをやったことがあるの?」

「こういうのは無いけど

ホイルの乗せて焼いたら

溶けちゃったよ。」

「でも、ここまで脂が乗るなら

他の使い道って

無いのかなぁ。」

「肝油って

聞いたことある?」

「あるよ、肝油ドロップでしょ?」

「あれは、肝油って書くけど

原材料を見れば分かるけど

化学的に合成された作りものだよ。」

「えっ、違うの?」

「違うよ。

あんなに量産

出来るわけないじゃん。」

「そっかぁ。」

「ただ、深海鮫の肝のエキスが原料の

サプリメントもあるよ。」

「へぇ~。」

「ヘミングウェイって

聞いたことある?」

「あるよ、『老人と海』の作者でしょ。」

「おっ、物知りじゃん。」

「えへへ・・・。

それ以外は知らないけどね。」


「ありゃ。

あの話に出て来る主人公の老人が

肝油を飲み干して

元気の源って言うシーンがあるんだけど

それくらい肝油って

注目されていたんだよ、実は。」



「そうなんだぁ~。

で、このエイの肝の味は

どうなの?」


「脂が強すぎて

単独じゃ無理だね。

それこそ、烏賊(いか)の身と合わせて

塩辛みたいにすれば

いけるかもよ。

烏賊じゃなくても

貝類とか海老なんかでも

いいかもね。」

「んまそうじゃん。

で、親方はやってみたの?」

「味そのものの良さは認めるけど

個人的にはパスだね。」

「じゃあ、どうするの?

折角、作ったのに・・・。」

「もったいないから

何でもありの

賄いカレー行。」

「でも、コクがありそうじゃん。」

「そうだね。

カレーにしたら

食べてみなよ。」

「うん。

エイ肝カレー🍛

面白そうじゃん!」


ということで

全6回に渡って

お話ししたエイですが

こういうレアな魚に出会えるのも

自ら魚市場に出向いているからのことです。


しかも

ホームグランドの沼津魚市場は

漁港が併設されており

こういチャンスに恵まれています。 


そういう魚の魅力を伝えるのは

もちろんのことで

和食文化の象徴でもある

魚菜食文化の素晴らしさを伝えるのが

料理人の使命でもあり

料理人は、漁師などの

一次産業に従事する人達の

代弁者でなくてはならないのです。



食の大切さ、食の安心などと

御託を並べるのは

簡単なことですが

一次産業が無ければ

命を支えることは出来ません。

選挙が近づくと

魚市場にスーツ姿で長靴を履いてくる

候補者がいますが

そんなフリなんぞせず

一週間でいいから

漁師の手元でもやってみるべきです。

今の日本の食料事情は

いわゆる先生達の

無為無策の結果以外の

何物でもありません。 

これ以上の無為無策を防ぐためにも

吠え続けます。


「おっ、西瓜のアイスじゃん🍉

そんじゃ、また明日」

宮崎県のマグロ漁師と話してみた

Vol.4100

いらっしゃいませ


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今日(7月31日)は

宮崎県のマグロ漁師と

話した様子について

お話しします。 


今朝、沼津魚市場から帰って来て

仕込みをしようとすると


「おはよう、親方🐡

今週も休日出勤なの?」

と、ミニふぐちゃん。



「そうだよ。

先週も今週も

火曜日が休市だからねぇ。」

「そうなの!?

生鮮食品を扱うのに

そんなんでいいの?」

「良くはないよね。

働き方改革だとか

何ちゃらだとかで

休みを増やすことが

いいと思っている“先生”が多いからね。」

「そっか~。

日本の人口が減っているんだから

少しでも働いた方が

いいのにねぇ~。」

「そうだよ。

はた(傍)=周りを楽にするのが

働くことで

仕事だからね。」

「働くって

そういう意味なんだぁ。

じゃあ、働き改革とか

言っている“先生”達の仕事は

周りを楽にしているようには

見えないけど・・・。」

「まぁ、見えないね。

選挙が仕事だと

思っているからじゃないの。」

「そうかも。」

「職人としての腕を磨くのが

本当の働き方改革だから

サクサクやるよ。」

「良いこと言うじゃん、親方!

で、今日は何を仕入れて来たの?」

「さっきのタカベに


岩牡蠣でしょ


あとは鰹節とか・・・。」


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG4814.jpg

「岩ガキ、いつもより

ちっちゃくね。」

「天ぷらにするから

小さいのだよ。」

「ふぅ~ん。」

「半月前に仕入れた特大のは

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG3868.jpg


徳島のだけど


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG3596.jpg

ほら。」

「デカっ!」

「そういえば

宮崎の岩牡蠣じゃないけど

今朝、宮崎のマグロ漁師が来ていたから

話をしてみたんだよ。」

「おぉ~っ

マグロ漁師って聞くと

ザ・海の男って感じだよね。

折角だから、その話をしてよ。」

「はいよ~。」

「そもそも

知り合いなの?」

「いや、初めてだけど・・・。」

「えっ!?」

「市場に行くと

おはようから始まって

知らない人でも

何となく話をしたりするんだよ。」

「へぇ~

何か不思議な空間。」


ということで

時計の針を

巻き戻します。 


先程のタカベや岩牡蠣を仕入れた後

魚市場の岸壁を歩いていると

マグロ漁師が

水揚げの準備をしているところでした。


こちらが

漁船の名前(第八富美丸)です。


宮崎の漁船が

沼津で水揚げしている理由には

いくつかあります。


漁場(ぎょば)と呼ばれる

魚を獲った場所が

沼津に近いことです。

沼津でマグロ類を水揚げする漁船には

宮崎だけでなく

和歌山の漁船もあります。 

それらが

伊豆七島周辺で操業し

それなりの規模の魚市場となると

沼津しかありません。 

なので、沼津なのです。


マグロに限らず、魚は

水揚げ地が産地で

沼津は著名な漁港なので

高値になりやすく


そういうことも

沼津で水揚げする理由の

一つでもあります。


ちなみに、その例が

生のマグロ類の水揚げ全国一位の

和歌山県那智勝浦です。 


今朝の漁船の船員は

わずか2人。

時間にも余裕があったので

気になることは

何でも訊きたくなる性分ですので

👇に訊いたことを

並べてみます。


Q1:宮崎を離れて

   操業する期間

  A1:約2週間


Q2:どうやって寝るのか

  A2:船内のベッド


Q3:ベッドのサイズ

  A3:約50センチ 

    (波に揺られて

     落ちないため)


色々訊いたのですが

ここには書けないことも

いくつかありました。

中には

漁業の厳しい現実も話してくれ

選挙が仕事の“先生”達に

言いたいことばかりです。 


ちなみに、選挙が近くなると

市場にやってくる“先生”候補者もいて

常々思うのは

「何で、スーツで来るの?」



そうこうしていると

水揚げを始めたので

その場を離れ

フォークリフトに

乗せられたマグロ(きはだまぐろ)は

秤にかけられた後
(ピンボケで🙇)

売場に並べられていきました。 


今日のように

漁師と話が出来るのも

漁港が併設されている

魚市場に通っているからこそです。


そのためには

自らのアンテナを錆びさせることなく

日々の仕事に

臨まなくてはなりません。

それと同時に

漁業、農業という業種の良さを

伝え続ける姿勢を

持ち続けます。


「今日はね

親方は

換気扇の掃除もしたんだよ。

休日出勤、お疲れ様でした🐡」 

THE鱏(えい)⑤~エイの天ぷら~

Vol.4098

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今日(7月29日)は

例のエイの天ぷらについて

お話しします。



出汁を引くなどのルーチンの段取りを終えたら

今日がいつもと違ったのは

海老と大葉の天ぷらを

揚げたことです。


天ぷらを見たふぐとらちゃんが

「おはよう、親方🐡

んまそ~、揚げたてじゃん

食べていい?」

「おはよう🐡

絶対ダメの写真素材 - ぱくたそ

ダメ~!(笑)」



「そっかぁ~

◆¥ちゃんと☆▼ちゃんの

昼ごはんだしね。

でも、少し多いけど・・・。」

 ※  ◆¥ちゃんと☆▼ちゃんとは 

   娘達のことです


「多いのは

自分と真由美さんの分だよ。」

「ありゃりゃ・・・、残念。」


天ぷらが

娘達の昼ごはんの

海老天丼になったのは

お弁当用の海老の酒煮(さかに)を

仕込んだだけでなく


油を処分するため

フライヤーの掃除をした時に

油を抜くため

一度温めたからでした。



掃除の殆どをしてくれるのは

女将兼愛妻(!?)の真由美さんですが


自分も最終確認や

換気扇の掃除もするので

自分と真由美さんの比率は

3,5:6,5くらいです。

この比率に関しては

様々なご意見が

あろうかと思いますが・・・。(苦笑) 




「海老天丼も

んまそうだけど

そう言えば

この間のエイの天ぷらも

んまそうだったけど・・・。」


「そうそう

なかなかだったよ。」


ちなみに、この間のエイについては

先週の土曜日から

4回ほどお話ししています。


第1回



第2回



第3回


第4回


なので、

今回の天ぷらが5回目です。


よくここまで

引っ張ったかと思うと

我ながら感心というか

半ば呆れていますが・・・。


天ぷらにする時は

こちらの身を使いました。

天地に分け


大きめの部分は

西京焼にし 


残りの部分を

このような切身にしました。


普通に天ぷらを揚げるように

打粉(うちこ)をしたら


衣のくぐらせ

揚げたのですが


夕飯のおかずということで

南瓜(かぼちゃ)

大葉も揚げ


天ざるそばに。


肝心の天ぷらにしたエイの味ですが

一昨日のエイの西京焼同様

お客様にお出ししても

全く問題ないレベルでした。


これまでエイについてお話ししているように

エイのようなレアな魚に出会えるのは

自ら、沼津魚市場に仕入れに

行っているからです。 


産地ならではの恩恵にあずかり

その魅力を伝え続けるよう

日々の仕事に臨み続けます。


「明日のお弁当の焼物は

サーモンの西京焼なんだね。

そんじゃ、また🐡」 by 熱血君 

THE鱏(えい)④~エイの西京焼~

Vol.4096

いらっしゃいませ


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志村弘信です。


今日(7月27日)は

エイシリーズの4回目にして

エイの西京焼についてお話しします。


今日の昼ごはんは

西京焼の盛込(もりこみ)御膳でした。


「盛込ってことは

魚が一種類じゃないんだよねぇ。」

と、ミニふぐちゃん。


「そうだよ。

例のエイと

胡椒鯛(こしょうだい)のかまだよ。」


例のエイについては

こちらをお読み下さい👇


下処理を終えたエイのうち

骨付の部分は

汁物にしたのですが


骨の無い部分は


半分に包丁してから


切身にし


有機JAS認証済の西京味噌を

ベースにしたお手製の西京味噌と共に

真空パックしました。


このお手製の西京味噌は


当店の『西京漬』を仕込んでいるものと

全く同じものです。



画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG4555.jpg


5日経った今日の状態👆


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG4556-1.jpg


「焼き上がりが

きれいなんだけど

味噌は・・・?」

と、ミニふぐちゃん。

「洗い流すんだよ。」

と、答えました。


「洗っても

味が抜けないの?」


「ちゃんと味が入っているから

平気だよ。

ただ、手早くやらないと

駄目だけどね。」


ちなみに、西京漬を美味しく

上手に焼くコツについては

こちらをお読み下さい👇


読まなかった方のために

分かりやすく説明します。



袋の4つの辺のうち


3つを


切ると


袋に手を入れることなく


袋から取り出せます。

こうすると

身割れさせる確率

大幅にダウンです。


この方法は

他の食品についても

応用が出来るので

是非お試し下さい。

実は、特許出願中!?


きれいに洗い流し

水分をふき取ると

繊維質が集まったような身で


反対側も

同じように

繊維質が集まっています。 


このようになるのは

エイは胸びれを使い

波打つように泳ぐからで


このように筋肉が発達する魚が

平目です。

ただ、平目の場合

身全体ではなく

縁側(4本の細長いもの)が

それにあたります👇

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG8113.jpg

(過去のブログより)

先程のイラストのように

エイは泳ぐ時

空を飛んでいるように見えます。


エイを漢字で書くと

海鷂魚、鱝、鰩、鱏などで

中でも海鷂魚という

漢字の鷂はハイタカという

鷹(タカ)の一種のことです。


また、エイは尻尾が長く

燕尾(エンビ、エビ)と呼ばれていて

転じて、エイと呼ばれるように

なったと言われています。

エイに限らず

魚の名前は

意外と単純です。 


水気をふき取ったら

串を打ち

焼くと


「この照り具合が

何とも言えないね~。

んまそう♬」


串を抜き

盛付けると



「ここまでになると

エイとは思えないよ。

十分、逸品で通用するね、親方。」

「まぁね。」


冒頭の写真のように

胡椒鯛(こしょうだい)のかまも

盛込むと


西京焼御膳の出来上がりです。



「ここまでやると

西京焼マニアの本領を

120%で発揮しているじゃん!」


「そうかねぇ。

とりあえず、余程のことが無い限り

大体の魚は西京焼にして

試しているよ。」

「そういうのを

マニアって言うの!

で、味はどうなの?」


「筋肉質だから

歯応えもいいし

脂もあるから

十分美味しいよ。



フレンチのシェフが

ムニエルにしているって言ってたけど

ちゃんと使えるよ。」

「言ってたって

どういうこと?」

「Facebookで繋がった

伊豆高原のペンションの

オーナーシェフがコメントしてくれたよ。


これ、これ。」


「SNSオタクだけのことはあるね~

さすがだね、親方。」

「褒められているんだか

けなされているんだか・・・。(笑)」

「まぁまぁ、その辺は・・・。」


昨日もお話ししたように


エイのような変わり種に出会えるのは

自ら、沼津の魚市場のように

漁港が併設されている魚市場に

行っているからです。

そういうチャンスを逃すのは

もったいとしか言えません。


さらにさらに

生産地ならではの恩恵にあずかり

その魅力を伝えることが出来るのは

料理人しかいませんし

地方だから為せるのです。


豊洲のように

世界中の海産物が集まる市場で

珍しい魚を目にする機会は

限られてしまいます。

そこにはない魅力を伝え

漁師をはじめ

一次産業に携わる人たちが喜び

それをお客様にお出しするのが

我が道にして


天然素材の魚を中心に使い

マクロビオティック(玄米菜食)の

考えを取り入れた

“身体に優しい

美味しい日本料理”を作り続けます。



「ここ最近の親方が

気温を上げているんじゃね。(笑)

そんじゃまた、明日🐡」  by ふぐとらちゃん

THE鱏(えい)③~すっぽん仕立てのエイで、お肌ツルツル&プルプル~

Vol.4095

いらっしゃいませ


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし


天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


今日(7月26日)は

エイで取った出汁について

お話しします。


その前に

第1回


第2回


をお読み下さい。



「この汁物が

例のエイなんでしょ?」

と、熱血君。


「そうだよ。」

「色も澄んでいるし

見た目とは

想像がつかない感じだね。」


「どんな食材についても

言えることなんだけど

仕込み方で

仕上がりが違うんだよ。


何はともあれ

御覧(ごろう)じろ。」


「はぁ~い♬」



下処理を終えたエイです👇 



これを鍋に入れ


日本酒


水、一番出汁を加えます。


この時の分量は

日本酒1に対し

水1、一番出汁1です。


強火で一気に加熱すると


アクが浮いて来るので


丁寧にすくいます。


この時の火加減は

強火のままです。 


アクが出なくなってきたら

弱火から中火ぐらいにし



濃口醤油


味醂(みりん)


赤酒(あかざけ)で


味を調えます。

この時点で

火加減はごく弱火です。


最後に

千切りにした生姜を加え


10分程したら

火を止めます。


鍋ごと冷蔵庫にしまっておくと

溶けだしたゼラチン質が

固まり


それこそプルップル。


「これを食べれば

コラーゲン豊富で

お肌ツルツル、プルップルじゃね。」

と、熱血君。 

「軟骨魚類のエイは

コラーゲン豊富だからね。」

「コラーゲンとゼラチンって

違うものなの?」

「基本的には同じで

コラーゲンに熱が加わって

らせん状の分子構造が外れたのが

ゼラチンなんだよ。」

「そうなんだぁ。

コラーゲンって

肌にいいって聞くけど

どうなの?」

「そりゃ、あるよ。

エイみたいに

ゼラチン質が豊富な食材が

すっぽんなんだけど

すっぽんは間違いね。」

「間違いないって

豪語していいの?」


「歌舞伎役者の女形が

すっぽんを食べた次の日は

化粧の乗りが違うって言ってたし

自分が若い頃勤めていた店に

ある女優が来て

すっぽんをよく食べていたよ。」


「その女優って、誰なの?」

「お客さんのプライバシーになるから

言えないけど

その人の役は

ドラマのタイトルにもなっているよ。」


「え~っ、誰だろう。

・・・・・。

あっ、分かった!

☆■¥◎※◇▼かな・・・。」

「正解!

今から20年くらい前だけど

まぁ、綺麗だったね

それこそ、お人形さんみたいだったよ。」

「へぇ~

その人が食べていたなら

間違いないと思うよ。」

「すっぽんって言えば

このエイの仕込み方を

すっぽん仕立てって

言うんだよ。」

「すっぽんを使っていないのに?」

「すっぽんみたいに

くせが強い食材の出汁を取る時

たっぷりの日本酒と水で煮出すんだけど

これを、すっぽん仕立てって

呼ぶんだよ。」

「へぇ~。」

「くせが強いってことは

旨味も豊富だから

ちゃんとした仕込みさえすれば

美味しい出汁が取れるんだよ。」

「だから、強火で煮出すの?

親方も煮出したら

少しは角が取れて

丸くなって

美味しい出汁が出るんじゃね。(笑)」



「そうだよ。

最初はどす黒いくらいに濁るけど

それが出切っちゃえば


これでもかってくらいに

澄んだ出汁で

性格と同じくらいピュアだよ。

こらぁ~、何を言わせるんだよ~。(笑)」


「あはは、間違いなぁ~い

親方あるある♬」

「さっきの写真じゃないけど

アクが出るまで取り続けて

出切ったら

火を弱めるんだよ。

そのままだと

出汁が濁るからね。」


「だから、澄んだ出汁が

取れるんだね。」

「そういうことだね。」


「軟骨って言ってたけど

コンドロイチンと軟骨は

関係があるの・・・?」

「コンドロイチンは

ひざ関節にある軟骨を守る成分で

体内にあるコンドロイチンは

歳を取るにつれ

減っていくから

食品で補う必要があるんだよ。」

「じゃ、エイの軟骨成分って

願ったり叶ったりみたいなものじゃん。」

「そうだね。

サプリメントなんかは

サメ由来とか謳(うた)っているけど

あくまでも、由来であって

そのものじゃないことが多いんだよ。」

「え゛~っ、それって何なの!?」

「悪く言えば、アレだね。

ただ、あういう広告宣伝の下に

小さい字で

そのものじゃないようなことがあるよ。」

「どんな風に?」

「しじみ○○とか

すっぽん〇○って

聞いたことある?」

「あるけど・・・。」

「原材料を見ると

そのものじゃなくて

それらのエキス

しかも由来って

書いてあるんだよ。」

「それじゃ、違うじゃん。」

「そうだよ。

作る側も作る側だけど

それを見抜けないっていうか

知識がないことも

問題なんだよ。」

「なんだかなぁ~。」

「サプリメントは作り物だから

それに期待する方が良くないんであって

ちゃんとした食材を食べればいいんだよ。」

「そうだよね~。

じゃなきゃ

あんなに大量生産できないもんね。」

「そういうこと。

だから、食べることが

本当の薬なんだよ。」


画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG4294-1.jpg

「うんうん。

やっと食べられるね。」

「どうだい?」

「エイって

こんな味なんだぁ。

ぜ~んぜん、くせは無いし

美味しいよ😋」


「ただ、軟骨の部分も柔らかくて

食べられるけど

口にあたる感じがするかもしれないから

普通の骨みたいに外した方が

いいかもね。」

「このコリコリ感が

僕は好きだな・・・♬」



「これに葱(ねぎ)を散らすと

ほら。」

「わぁ~、完全な一品じゃん!」


「期待以上の美味しさで

自分も驚いているんだよ、実は。


こういう食材に出会えるのも

自分で魚市場に行っているからだし

それ以上に

何でも食べないと

気が済まない性分だからねぇ。


偏見や先入観で使わない

食べないじゃ

プロの料理人じゃないね。」


「だから、最近は

色々と珍しい魚を

使ったりしているんだね。」



「そういうこと。

魚の本当の美味しさを伝えたいし

漁師をはじめ

一次産業に従事している人が

良くならないと意味ないんだよ。


口じゃ、食の安全とか

食が大事みたいなことを

選挙の度に言うけど

一週間でいいから

漁業でも農業を

やってみろって思うね。


最終的には

ちゃんとしたものを食べて

病気になりにくい身体になることが

一番だね。」


「あぁ~、それって

親方が言っている

“マクロビオティック(玄米菜食)

をベースにした

身体に優しい

美味しい日本料理”じゃね?」


「そうだよ。

よく分かっているじゃん。」

「これだけ熱~く語っていたら

誰だって

頭に入るよ。


親方の熱さが

この暑さを煽っているっていう

都市伝説もあるみたいだけど・・・。」


「どうかねぇ。

自分の熱さで

熱中症になると困るから

この辺にしておくよ。」


「はぁ~い、お疲れ様~♬」 


エイについては

まだ3回分くらい

話したいことがあるので

お付き合いの程

宜しくお願いします。


「この次は

どんな料理なんだろう。

そんじゃ、また明日・・・🐡」 by ミニふぐちゃん 

直しを終えた出刃包丁

Vol.4093

いらっしゃいませ


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし


天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


今日(7月24日)は

直し終えた出刃包丁について

お話しします。


今朝、沼津魚市場から戻ると

「おはよう、親方🐡

仕入れ&休日出勤、お疲れ様~。

これはクロダイ?」

と、ミニふぐちゃん。


「おはよう🐡

そうそう。


地物だから

今朝、水揚げのだよ。」

と、返しました。 


「これから、締めるんでしょ?」

「そうだよ。」



出刃包丁を用意すると

「普段使っている包丁と違うじゃん。」

と、言うので


「そうだよ。この間

胡椒鯛(こしょうだい)を卸した時に

出刃包丁を刃こぼれさせちゃったから

今度から

骨を叩くような時は

ステンレスのを使うことにしたんだよ。」

「そうだったねぇ。

かなり派手にやらかしたもんね。」

その時の様子が

こちらです👇 


頭と


尾びれの付根に


氷入りの海水に落としたまま


神経を抜きました。



氷入りの海水に浸けるのは

体温上昇による身焼けを

防ぐためです。


また、神経を抜くことで

死後硬直が遅れ

鮮度を保つことが出来ます。


黒鯛の下処理をする前に


たかべの仕込みをすることに。


たかべの鱗を取るため

使ったのが


小出刃(こでば)で

鱗を取ります。

たかべは

酢で締めてから


昆布に挟み、冷蔵庫へ。


たかべの後は

再び、黒鯛です。


鱗を取り

はらわたを抜いたら

頭を割るのですが

この時もステンレスの出刃を使いました。


水洗いを終え

卸すのに

出刃包丁を用意すると

「ここで、出番だね。」

「そうだよ。

刃こぼれは勘弁だからね~。」


「でも、どんな風に

直してもらったの?」

「こんな感じ。


刃こぼれした所なんて

ナイフの画像のようです

3ミリも欠けちゃったし

包丁とは思えない姿で

悲しくなるよ。」

「確かに、そうだよね~。」


卸し身を見ると

「クロダイって

きれいな白身なんだねぇ。」

と、ミニふぐちゃん。 


「皮を引くと

模様が赤いから

見栄えもするんだよ。

過去画像からだけど、どう?」

「こんなにはっきりした

赤なんだぁ。

いいじゃん、いいじゃん♬」 


ところで、最初にお話ししたように

休日出勤をしたのは

明日のお弁当の仕込みもあっただけでなく

明日が休市日だったからです。

魚の仕込みが終わったら


煮物など

お弁当の仕込みをしました。


なので

女将兼愛妻(!?)の真由美さんの

手助けは欠かせませんでした。



その頃

包丁を砥いでいると


「魚の仕込みが多かったから

出刃包丁の揃い踏みだね。」

と、ミニふぐちゃん。


「そうだね。

出刃包丁も戻ってきたし

包丁屋さんにも

色々と教わったから偉くなったよ。」


「めでたし、めでたしじゃん!」


包丁を刃こぼれさせてしまったことで

新しいことを知ることも出来ました。 


そう思うと

自らの勉強不足を知っただけでなく

アラフィフを超えとは言え

まだまだ精進の余地

大いにありです。


「明日はお弁当から

一日が始まるね。

そんじゃ、また🐡」  by ふぐとらちゃん

THE鱏(えい)②~料理人生3分の1世紀で、初めて卸したエイ~

Vol.4092

いらっしゃいませ


マクロビオティック(玄米菜食)

基本に据えた 

“身体に優しい美味しい日本料理”

を信条とし


天然のとらふぐ、西京漬(西京焼)を

こよなく愛す

【佳肴 季凛】の店主兼熱血料理人の

志村弘信です。


今日(7月23日)は

初めて卸したエイについて

お話しします。


先ずは

昨日のお話しをお読み下さい。


料理人になって

約30年になりますが

エイを卸したことがありません。

というよりも

触れたことはあっても

魚市場で

触った程度です。


虫の息状態で

持ち帰ったので

とりあえず、締めるため

えらに包丁を入れました。 

実は、この直前というか

持ち帰った時に見たのが


お腹から

赤ちゃんエイが

出て来たことでした。



もし、釣り上げた時に出て来たら

海に返してあげることが出来たと思うと

残念でなりません。


エイは胎生魚(たいせいぎょ)と呼ばれ

稚魚=赤ちゃんを産みます。

エイは軟骨魚類に属し

軟骨魚類の70%が

胎生魚です。


さらに、軟骨魚類とは

エイ、サメ、ギンザメの仲間が含まれ

全身の骨格が

軟骨で形成されています。



また、この様子からして

赤ちゃんエイは

尻尾の方から

出て来るようですが


人間だったら

逆子になるので

生き物というものは

種によって違いがあり

面白いものです。 


締めたら

氷で冷やします。


「親方、どうして

色が変わっちゃったの?」

と、ふぐとらちゃん。


「それこそ

血の気が失せるってことかな。」

と返すと

「なるほどね~。」


また、氷で冷やすのは

自身の体温上昇によって

身が焼けるのを防ぐためです。 



肛門から包丁を入れたら

肝=肝臓を取り出します。 


聞いたところでは

エイの肝は珍味とのこと。

取り出したら

氷で締めておきました。


この時、注意しなくてはならないのが

普通の魚と違って

苦玉(にがだま)とも呼ばれる胆のうが

肝臓の中に隠れている点です。


初めて卸すので

その位置が分からず

包丁したことで

分かりました。 


エイの表面には

ぬめりが多いので

熱湯をかけてから

金たわしで

こそげ取ると

まるで、烏賊(いか)の親分🦑


お腹の部分も同様にしたのですが


ぬめりが取りにくく

断念しました。


内臓を取り除いたら

ひれを切り落とし

ひっくり返します。


尻尾に沿って

包丁を入れたら


頭というか顔の部分に沿って


包丁を入れます。

魚なのに

尾びれではなく

尻尾と呼ぶのも

初めてのことです。 


顔の部分は固くて

丸いので

ラケットのようで

これまた魚らしからぬ形。 


顔の硬い部分を外すと

こんな感じで



どうやら、これらが

使えそうな部位です。

初めてですので

全てが手探りなので

こういう言葉しか出て来ません。 





左右半分に分けたら


骨に沿って

包丁を入れていきました。


この動きは

平目(ひらめ)を卸す時と

全く同じです。

身の雰囲気も

平目の縁側と

似たり寄ったり。

ちなみに、平目の縁側は 

ひれを動かすための筋肉で

👆この手前4つの部分です。


エイも平目のように

平べったい魚で

左右のひれを使って泳ぐので

似たような構造になるのは

当然かもしれません。 

お腹の方の白い方は

背の黒い部分よりも薄いので

このままにしておきました。 


尻尾は

ぶつ切りにしたのですが

軟骨ゆえ

すんなりと、ぶつ切りに出来ました。


すると、ふぐとらちゃんが

「普段の魚の仕込みとは違って

かなり苦戦しているみたいだけど・・・。」

と、言ってきました。


「そうだよ。

卸し方もだけど

身の状態も

全く違うからね。」

「例えば?」


「皮は加熱しても

硬そうだから

霜降りをして

皮の下処理をすることにしたよ。」

「へぇ~。」


沸騰したお湯で



霜降りをしたら

氷水の中へ。 


粗熱が取れたら

女将兼愛妻(!?)の真由美さんと

薄皮を取ることにし


背はいくらか薄いのですが


腹の方は

手で取るには厄介な感じだったので

骨抜きの出番。

この厚さでは

食感を損ねるので

しないわけにはいきませんでした。 




骨付の身を見ると


「やっと、下処理が終わったね。

で、どういう風な料理に

仕込むの?」

と、ふぐとらちゃん。


「そうだねぇ~。

骨付の身は煮付にするのが

一般的って聞いたことがあるけど


ゼラチン質も多いし

淡泊な味だから

すっぽん鍋みたいにしようと

思っているんだよ。」


「へぇ~。

想像もつかないなぁ~。」

「仕込む自分だって

そうだよ。」

「でも、親方

一般的って言ったけど

エイ自体がキワモノに近いから

一般的という言い方は

正しくないんじゃね?」

「言われてみれば

確かに、そうかも・・・。」 


とりあえず、下処理が終わり

ひと段落。


エイという魚を知ってはいたものの

仕込む機会に恵まれるとは

予想もしていませんでしたが

こういうことが為せるのも

自ら魚市場に行っているだけでなく

さらに、変な探索心があるからです。


見ず知らずの食材に触れることが出来るのは

料理人にとっては

有難いことで


そのチャンスはもちろんのこと

命ある食材を粗末にしないための

心持ちで仕事に臨み続けます。



「おっ、出刃包丁が戻って来て

良かったじゃん。


じゃ、明日はエイは

お休みだね。」 by ミニふぐちゃん

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