稀少部位の鮪の串焼
会席料理やふぐ料理をはじめとするコース料理をメインにお出ししている【佳肴 季凛】ですが、単品ものもいくつか御用意しています。その中で、召し上がったお客様の殆どが、虜になってしまうのが、
“鮪の串焼”です。言うまでもなく、使っているのは、天然の生の“本鮪”です。以前、“鮪の串焼”について、お話ししているので、詳しいことは、こちらを。
その中でもお話ししているように、串焼に使うのは、刺身にならないトロの部分や、
血合い下と呼ばれる部分です。
血合い下というのは、この写真で言うと、血合いの部分の下のトロのような部分です。ただ、トロ以上に筋っぽいので、刺身にはならないのですが、その味は、旨味の結集したような部分で、火を通すことで、その真価が発揮されます。
実を言うと、これ以外の部分でも、“鮪の串焼”を作っているのです。その部分が、こちらです。
皮とトロの間にある部分で、先ほどんぽ部分同様、筋っぽいので、そのまま使うことは出来ません。この部分は、スプーンなどで、こそげ取って、鮨屋さんが“ねぎとろ巻き”に使うすき身でもあります。
これを、
1.5センチほどの幅で包丁し、まな板に並べておき、
その幅より、多少大きめに包丁した赤身の部分を巻き、
竹串に刺し、軽く塩をして、焼き上がったのが、こちらです。
薬味は、すり卸した本山葵(富士宮・井の頭産)だけです。素材のみを堪能する料理そのもので、“Simple is best.”とは、まさにこのことです。
鮪が大きければ、それなりに数は取れるのですが、前回お話しした“本鮪”(鹿児島資産)では、一本しか取れません。ちなみに、その時の大きさは、3,5キロでした。
ということは、一本の鮪から取れる量も、限られており、それこそレアものです。
タイトルにもあるように、この“稀少部位の鮪の串焼”の味ですが、秒殺の味としか、言い様がありません。
口に入れた途端、トロの旨味が、広がろうとするやいなや、赤身のコクが、舌にまとわりつく何ともいえない味わいです。そして、食した人を、恍惚の彼方に誘(いざな)う、魔性そのものなのです。
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店主 志村
ほぼ一年ぶりの鹿児島産“本鮪”
ここ最近、【佳肴 季凛】でお出ししている鮪は、
宮崎県・川南産の“本鮪”が多く、どれも身の質は最高です。もちろん、生の天然ものです。さすが、大正から戦前にかけて、豊漁で賑わった産地だけのことはあります。そんな“本鮪”が、未来永劫入荷して欲しいと思っていた今日入荷したのが、
同じ九州の鹿児島産の“本鮪”です。ちなみに、鹿児島産の“本鮪”の入荷は、約一年ぶりで、今日が二回目です。去年入荷した時の記事は、こちらを。
トロの部分は、こんな感じで、
美しい以外の何物でもありません。刺身にはならない血合いも、
らしからぬ美しさです。
それほどまでに、美しい刺身です。
中トロは、
上品なコクを醸し出し、赤身は、
透き通るようなキレを感じさせてくれます。
ここまでくると、食材の域を超えているとしか言い様がありません。あえて言うのなら、貴婦人そのものです。
これ以上語るのは、貴婦人に対して、無礼千万なのですが、その味わいは、貴婦人を超えた上品以外の何物でもありません。そんな貴婦人を産み出した自然に対して浮かぶのは、畏敬の念しかありません。
そして、その貴婦人は、自分如きの一介の料理人を虜にしてしまう本物なのです。
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店主 志村
ちょっと変わった“生しらす”の食べ方
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駿河湾の名産で、今が旬の“生しらす”の食べ方というと、
生姜醤油で食べたり、
ポン酢をかけるなど、“そのまま”食べるのが、一般的で、素材そのものを味わうのが、“生しらす”の魅力の一つでもあります。
ただ、【佳肴 季凛】は日本料理店なので、ちょっと趣を変えて、“生しらす”をお出ししています。そんな料理が、こちらです。
“生しらすの変わり生酢”です。
マッチ棒ぐらいの大きさに包丁した大根と人参を、“立塩(たてじお)”と呼ばれる海水程度の濃さの塩水につけて、しんなりさせます。
この大根と人参に、大根おろし、若布、海藻クリスタル(商品名)を混ぜあわせます。
海藻クリスタルというのは、この写真では、若布の横にある透明の細長いもので、海藻エキスで作られたものです。詳しい説明については、こちらを。
合わせた大根や人参を器に盛り付けたら、その上に“生しらす”を乗せ、胡麻油を入れたドレッシングをかけ、天にスライスしペティトマトをあしらって、出来上がりです。
大根、人参を入れることで、シャキシャキした歯応えが生まれ、“生しらす”の柔らかな食感のバランスが、何とも言えず、“生しらす”の違った一面が、味わえます。
言うまでもありませんが、必要以上に手を加えていないので、“生しらす”の素材感は、失われていません。
“生しらすの変り生酢”は、単品ものとしてだけでなく、会席コースの酢物としてお出ししています。
ただ、“生しらす”の入荷は、天候や潮の流れに、左右されやすいので、いつでもご用意出来るとは限りませんし、鮮度が命の食材ですから、入荷した日しか、召し上がれません。
なので、“生しらす”の入荷があった時は、ある意味幸運だとも言えます。また、そんな“生しらす”で、運試しというのも、ちょっとした一興かもしれません。
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店主 志村
続・巨大魚はコギクザメ?
昨日のお話しの続きです。例の“巨大魚”が、どんな名前なのか、休憩時間に調べてみることにしました。調べる時は、こんな本を開きます。
『日本産魚類大図鑑』という名前の本で、普通の図鑑や事典とは違い、専門家が使う学術書です。日本の周辺に棲んでいる全ての魚を網羅しており、この本に載っていない魚は、「新種の魚発見!」ということになるのです。また、図版と解説の二冊に分かれています。
ところで、一介の料理人である自分が、こんな学術書を持っている理由ですが、水産学部卒の友人からもらったからです。
例の“巨大魚”は“鮫(さめ)”らしき魚ですから、“鮫”が載っているページを開いてみました。
上から、4番目の大きな“鮫”と、よく似ています。その説明が、こちらです。
“コギクザメ”とあり、その下に解説が書かれています。分布に関する記述が、“コギクザメ”と思しき“巨大魚”が獲れた駿河湾と異なっているので、専門家ではない自分としては、結論を言うことは出来ません。
どなたか、ご存知の方がいらっしゃったら、是非教えて下さい。
ところで、月曜日が定休日の【佳肴 季凛】ですが、
来週の月曜日の16日は、夜のみですが、営業いたしますので、ご来店お待ちしております。なお、定休日や営業時間の変更は、Twitterで、呟いていますので、ご覧下さい。
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店主 志村
巨大魚はコギクザメ?
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今朝、沼津の魚市場に行くと、セリが始まる一時間以上も前にもかかわらず、ちょっとした人だかりが出来ていました。
そんな時は、誰しも野次馬根性が働き、つい覗いて見たくなるものです。もちろん、自分も然りです。となれば、近づかないわけにはいきません。
近づいてみると、何やら、褐色の大きな物体、と言うより、魚市場ですから、大きな魚が、横たわっていました。ちょうどその時、最初のセリの開始のアナウンスが流れ、集まっていた人たちが、その場を立ち去り、自分の目に入って来たのは、
風邪の特効薬は・・・
いきなりですが、風邪をひいてしまいました。熱こそはありませんが、のども痛かったので、今日のランチ終了後、念のため、近所のお医者さんへ行き、薬をもらってきました。
そんなこともあり、お客様のお帰りも早かったので、今夜はいつもより早めに閉店させていただきました。
当然、朝もテンションも下がり気味の一日でしたが、市場に着くと、ようやくエンジンがかかり始め、問題無く、仕入れをすることが出来ました。
そんな今日仕入れたのは、“平目”(南伊豆産)や“蛸”(愛知産)でした。写真はありませんが、これ以外には、“小肌(佐賀産)”、“鳥貝(千葉産)”などを仕入れて来ました。
仕込みを始めたものの、いつものテンションとは、やはり違い、燻ぶりかけていたところに届いたのが、
宮崎県・川南産の“本鮪”です。もちろん、生の天然ものです。この鮪を見ると、一気にトップギアに入って、仕込みもはかどり、ランチの営業に備えることが出来ました。
そして、改めて感じたのは、自分にとって、風邪の特効薬は、どんな薬よりも、良い魚をはじめとする、吟味した食材ということでした。自分で言うのもなんですが、かなり単純かもしれません。だからこそ、“熱血料理人”なのかもしれません。
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店主 志村
GWの“本鮪”
GW中ということもあり、沼津の魚市場は、昨日、今日と連休で、仕入れも不規則です。というのも、沼津の魚市場は、東京・築地や静岡などの中央卸売市場との休みと一致していないからです。
東京・築地は、『佳肴 季凛』でお出ししている“鮪”の仕入れ先でもあります。“鮪”と言えば、『佳肴 季凛』の代名詞的な食材の一つでもあるのが、“本鮪”です。
GW前半に入荷した“本鮪”は、
千葉県・銚子産のものです。これまでにも、銚子産は何度か、仕入れているのですが、どれもが素晴らしいの一言に尽きるものばかりです。この“本鮪”も然りです。
また、この銚子産の次に入荷したのが、
南半球のニュージーランド産のものです。銚子産同様、素晴らしいの一言に尽きます。
もちろん“本鮪”以外にも、旬の素材を使ったお料理を、ご用意しています。ちなみに、グリーンピースを使った“うすい豆腐”や、
走りのとうもろこしの入った“白和え”、
そして、昨日お話しした“桜鱒(さくらます)の難波焼”などです。
なお、『佳肴 季凛』は、【母の日】の8日(日)まで、休まず営業しております。春の名残と走りの初夏の味を、是非ご堪能下さい。
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店主 志村
桜鱒(さくらます)の難波焼
5月になり、『旬の素材』も、更新しました。まずは、ご覧下さい。
ご覧のように、今月は“桜鱒(さくらます)”です。そんな“桜鱒”を使った焼物が、今日のお話しです。幾分重複する部分もあるかと思いますが、ご容赦下さい。
その焼物が、
“桜鱒の難波焼”です。ここ最近、夜の会席料理のコースの焼物でお出ししています。ちなみに、難波とは葱の有名な産地で、葱を使った料理には、難波と記されます。
また、日本料理では、有名な産地にちなんで、料理名が付けられることも多く、湯葉を使ったものには、東寺だったり、そばを使ったものには、信州と名前がつけられたりもします。
ちょっとお話しが、脱線しかかってので、元に戻します。“桜鱒”は、
“本ます”とも呼ばれており、その大きさは、一本が1,5~2キロぐらいで、多くの場合、1ケースに2本入っています。もちろん、そうでない時もありますが・・・。
焼物用に仕入れるとはいっても、何よりも重視しなくてはならないのが、鮮度です。鮮度を確認する時は、エラの部分を見ます。
このように鮮やかな赤い色をしていますから、鮮度は申し分ありません。また、身の張り具合や傷の有無なども、仕入れる際の重要なポイントです。そんな吟味して仕入れた“桜鱒”を卸したのが、こちらです。
鮮やかなオレンジ色をしています。また、身割れしやすいので、卸す時には注意が必要です。卸したら、今度は切り身にします。切り身にしたら、脱水シートで挟んでおきます。
半日ほど挟んで、余分な水分が抜けたら、今度は若狭地につけます。若狭地とは、薄口醤油、日本酒、味醂を合わせたものです。ただ、調味料の分量も、料理人によってまちまちで、出汁を加える人もいます。
15分ほどつけたら、串を打ち、焼きます。
両面に、完全に火が入ったら、そこに卵黄をつなぎにした葱を載せ、さらに焼きます。
この卵黄ですが、卵黄だけではありません。
卵黄にサラダ油を加えた“玉子の素”というもので、簡単に言えば、味の無いマヨネーズのことです。コクをつけるため、“玉子の素”の中に、
アンチョビペーストを加え、塩、胡椒で味を調えます。さらに、そこに“難波”である葱を、混ぜ合わせます。
お話しが、多少前後してしまいましたが、お分かりいただけたでしょうか?
さて、この“桜鱒の難波焼”の肝心の味です。“ます”と聞くと、川魚の“虹鱒(にじます)”を思い浮かべ、大して美味しくないように思われる方もいらっしゃるようですが、全くそのようなこともありません。
脂が乗っていながらも、あっさりした味わいは、秀逸の一言に尽きます。旬を迎えたこの時期に、味わっていただきたい魚の一つでもあります。
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店主 志村
いよいよGWですね!
前回に引き続いての真由美です。昨日は、久しぶりにお休みさせていただきました。やっぱり、お休みはいいですね!
お休みと言えば、今週末から、
いよいよ、ゴールデンウィークです。【佳肴 季凛】は、
2日(月)も、通常通り営業致します。連休中は、
8日(日)の『母の日』まで、
休まず営業致します。皆様のご来店、心よりお待ちしております。
また、女性限定の会席料理『春仕度』の延長企画も、今週限りですので、まだ召し上がっていない方は、是非!
女性限定 会席料理『春仕度』(お一人 3,000円)
最後は、Twitterで、つぶやいている志村さんからです。
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店主 志村
フライヤーのおそうじ
真由美です。
今日は、ちょっと風は強かったですが、いい天気でしたね~。仕事をお休みして、外で遊びたくなる気分でした。もちろん、そういわけにはいきませんでしたが・・・。
そんな今日、ランチタイムが終わってから、フライヤーを洗いました。油の汚れ具合にもよりますが、フライヤーを洗うのは、一週間に1回くらいです。もちろん、親方の志村さんもやるのですが、仕込みの都合で、今日は私がやることになりました。
ユニフォームを着替えてから、ゴム手袋をして、長靴を履いて、洗うのですが、力を入れないと、なかなか汚れが落ちないので、ちょっとした大仕事です。
洗い終わったら、今度は排水溝の掃除です。
こまめにやっているので、それほどではありませんが、汗もかくので、いい運動というより、いいダイエット(!?)かもしれません。
終わったあとは、お昼ご飯です。今日は、かき揚げつきの蕎麦です。もちろん、作ってくれるのは、志村さんです。
掃除をして、汗をかいたので、ちょっとはいいかも、と思っていたのですが、しっかり食べてしまったので、ぜ~んぜん効果なし。っていうか、食欲にはかないません。
最後は、いつもお昼ご飯を作ってくれる志村さんからです。
★★★ 期間限定 会席料理 ★★★
こちらのお料理は、女性のお客様限定の会席料理(夕席)“春仕度”です。ご好評につき、4月末まで御用意致しております。
先付に始まり、食事、デザート付の全9品(お一人 3,000円)のコースとなっております。なお、ご予約なしでもお召し上がれますが、土曜日以外のお支度となります。
吟味した食材で奏でる“身体にやさしい、美味しい日本料理”を、召し上がって、楽しい一時をお過ごし下さいませ。
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店主 志村