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もっとおいしいお話し

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シルバーウィーク前半の三連休の最終日

Vol.3785
『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信が、

生涯、一料理人を貫くためが想いを、

今日も認めます。

シルバーウィーク前半の

三連休最終日の今日は、

沼津魚市場に

仕入れに行って来ました。

台風14号の影響、

三連休の最終日

という悪条件ながらも、

思った以上に、

入荷があり、

こんな様子を尻目に、

別棟の売場に行くと、

北海道・根室産の真鰯が

入荷していました。

2キロの箱に、

22入りと、小さいながらも、

鮮度も良かったので、

【鰯の丸煮用に、

3ケース仕入れることにしました。

ちなみに、3ケースが

ひとまとめになっており、

このような単位のことを、

水産業界では、甲(こおり)と呼び、

この場合、1甲となります。

“こおり”と呼びづらいので、

「こり」と呼び、

1甲は“ひとこり”となるのですが、

呼びづらいので、

“ひとっこり”と呼んでいます。

さらにいうと、

“2甲(ふたっこり)”、

“3甲(みっこり)”と続き、

“10甲”は、

“とっこり”です。

さらに、“1000甲”は、

ソース画像を表示

“千甲(チコリ)!?”で、

“10000甲”は、

ソース画像を表示

“万甲(まんこり)”ならぬ

“マッコリ!?”。

合計で11000ですので、

「山田君、

ソース画像を表示

座布団11000枚持って来て~!?(笑)」

くだらないことはさておき、

仕入れを終え、

魚市場をあとにしました。

普段なら、仕込みを

優先させるのですが、

お祝の御席のご予約を

頂いていたので、

ルーチンの段取りを終えたら、

仕込みを後回しにし、

全ての盛付、準備を終えたら、

真鰯の仕込みの開始です。

すると、 熱血君がやって来て、

「おはよう、親方♬」

「おはよう。」

「この袋って、

ホイルみたいだね。」

「そうだよ。

アルミブルー袋って言うだんよ。

「へぇ~。普通の袋とかじゃ、

だめなの?」

「だめってことはないけど、

48時間経っても、

氷が長持ちし、鮮度が持つんだよ。」

「へぇ~。」

「この真鰯は、土曜日の水揚げで、

今朝、沼津に着いたんだよ。

二日かかっても、

しっかり氷が残っているでしょ。」

「ほんとだぁ~!」

「簡単に言えば、

凍らない0度だから、

鮮度も落ちないんだよ。」

「すごいね。」

「また、色々教えてあげるから、

この辺でね。」

「はぁ~い♬」

鱗を取り、

はらわたを抜き、

頭を落としたら、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんが

水洗いをしてくれました。

普段なら、焼いてから

出汁を取るための

頭の下処理をするのも、

真由美さんですが、

今日は、

自分がし、

掃除をし、

途中ながらも、

ここまでにしておき、

程なくすると、お客様がご来店。

ランチタイムとは言え、

お祝の御席ということもあり、

さばふぐの唐揚、

サーモンの西京焼、

天然のとらふぐで

仕立てたふぐ刺などをお出し、

夕席のページにもあるように、

ご予算、ご要望に応じて、

色々とご用意が可能です。

お客様がお帰りになり、

片付の目途が着いたら、

真鰯の下拵えの最終チェック。

最終チェックとは、

苦玉(にがだま)とも呼ばれる

胆のうの跡を包丁することです。

それが残っていると、

食べた時に、

美味しさを損ねるからです。

包丁したら、今朝同様、

真由美さんが水洗いしてくれ、

クッキングシートを敷いた鍋に並べ、

水と酢を注ぎ、

蓋と重しをし、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG1959.jpg

火に掛け、火加減は、

超々弱火です。

仕上がるのは、

明日になります。

こうして、

シルバーウィーク前半の

三連休が終わったのでした。

秋らしい『特別会席』

Vol.3784

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

当店のコース料理の

『特別会席』(おひとり121,00円~)は、

御覧のように、

お客様のご予算、ご要望に応じて、

献立を決めさせて頂いています。

その内容は、千差万別ですが、

いわゆる“お任せ”となると、

俄然、力が入ってしまう自分です。

今日の『特別会席』の献立も、

そんな感じのもので、

しかも、“昼特”こと、

昼間の『特別会席』でした。

ということで、今日のお話しは、

タイトルにもあるように、

【秋らしい『特別会席』】についてです。

秋とは言っても、

夏の名残と秋の走りの

端境(はざかい)ですので、

どちらの食材も味わえる

“好いとこ取り”の献立でした。

先付は、

もろこし豆腐で、

名残の食材ということになります。

二品目は、

鱧の天ぷら(夏)で、

鱧料理の中でも、

人気のあるものだけでなく、

個人的にも、夏になると、

ついつい・・・。

夏の食材が続いた後は、

鱧と松茸の土瓶蒸しで、

夏と秋のコラボとも言えます。

日本料理では、

“鱧松(はもまつ)”なる言葉もあり、

ゴールデンコンビとも言っても、

過言ではありません。

また、このような組合わせのことを、

“出会いもの”とも呼んでおり、

同じ季節に出回る

相性が良い食材のことです。

自分が仕立てる土瓶蒸しは、

鱧と、

松茸のみで、

出汁は、焼いてから、

じっくり煮出した

鱧の出汁がベースです。

鱧の出汁は、コラーゲン豊富なので、

美しくなれる、

美味しい食事にして、

文字通りの美食です。

熱々の出汁を注ぎ、

蒸すこと15分弱。

蓋を取り、日本酒を数滴たらし、

三つ葉を散らしたら、蓋をし、

酢橘(すだち)を添え、

お客様の下へ。

松茸はChina産ですが、

多めに入れることで、その点はカバー。

“昼特”ということもあり、

料理の進み具合は早く、

続けざまに、

ふぐ刺(秋~冬)を。

ふぐは、

三重県安乗(あのり)産の天然とらふぐで、

木曜日に卸したものなので、

歯応えと旨味が、ちょうど

黄金比率に達した状態で、

この中の

どれかです。

また、今日は、

生ものを控えている

お客様もいらっしゃったので、

先程のふぐ刺の代わりに、

真空調理で仕立てた

ふぐ刺をお出ししました。

真空調理は低温調理とも

呼ばれているように、

加熱したものです。

ふぐ刺の次は、

季節を問わない

当店の看板の一つでもある

『西京漬』の中でも、

大将格の銀鱈の西京焼でした。

器は、当店オリジナルの

ポーセラーツの器です。

軽い雰囲気がする器ですので、

当初は抵抗があったものの、

最近では、

この器の方が

喜ばれることも多いので、

極力使うようにしています。

西京焼と言えば、

御飯が欠かせず、

秋の御飯となれば、

松茸御飯。

炊き上がったら、

一度お出ししてから、

下げ、

混ぜ合わせたのち、

茶碗に取り分け、

お新香と共にお出し、

セルフでお代わりをして頂くよう、

土鍋ごと、

お出ししておきました。

そして、

国産牛のしゃぶしゃぶを、

小鍋仕立てでお出しし、

しゃぶしゃぶは、

季節感こそないもの

日本料理の中では、

御馳走の一つでもあるので、

『特別会席』の定番でもあります。

具材は、玉ねぎ、えのき

人参、湯葉、くずきりで、

温めた出汁を入れてから、

お出しし、

出汁は、

一番出汁に、

日本酒、塩、

薄口醤油を加えたもので、

つけだれと薬味は、

ぽん酢、ねぎ、紅葉卸しです。

そして、〆のデザートは、

夕張メロンのアイスで、

夕張メロンと言えば、

初夏の頃になると、

その初競りの様子が、

報じられることもしばしばです。

「親方、お疲れ様。」と、

ミニふぐ達。

「お疲れさん。

土鍋で御飯を炊いたから、

今日は、いつもよりも、

神経を使ったよ。」

「どうしてなの?」

「普段、雑穀御飯を、

鍋で炊いているから、

大丈夫なんだけど、

今日は、お出しするタイミングを

考えなくちゃならないし、

仕込みの時とは、

流れが全く違うからね。」

「へぇ~。

それにしても、

今日の献立は、美味しそうだよ。」

「こういう献立は、

かなり短い時季だし、

王道的な食材が揃ったしね。」

「うんうん♬」

実際、あと一か月もすれば、

鱧を用意するのは、

難しくなってしまいます。

そういう儚(はかな)さにして、

季節の移ろいも、

日本料理の魅力ですので、

それを伝える使命も

自分の仕事として、

肝に銘じながら、

日々の仕事に臨む所存です。

ONLY鱧(はも)&ONLY松茸

Vol.3783

『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信が、

生涯、一料理人を貫くためが想いを、

今日も認めます。

ホームグランドの沼津魚市場は、

土曜日が休市日ですが、

前注文したものを

取りに行くことがあります。

そんな今日は、

魚市場に行き、

注文しておいた

活かしの鱧(はも)を、

仕入れて来ました。

休市日ですので、

ONLY鱧(山口産)。

その後、向かったのは、

車で15分ほどのところ

にある食遊市場です。

ここで仕入れたのは、

ONLY松茸(中国産)。

というのも、昨日も食遊市場来て、

野菜をはじめ、

色んな食材を仕入れたからです。

昨日仕入れるつもりだったのですが、

延着のため、取り置きしてもらい、

今日も来ることになりました。

ちなみに、先週の土曜日も、

魚市場と食遊市場の合わせ技で、

その様子については、

こちらをお読みください。

【佳肴 季凛】に戻ったら、

鱧を水槽に入れると、

ふぐネットがやって来て、

「おはようございます、親方♬」

「おはよう。」

「水槽があるなら、

昨日仕入れて、

入れておけばいいんじゃね?」

「それもありなんだけど、

魚市場の生簀の方が、

設備が良いから、

上がる可能性が低いんだよね。」

「へぇ~。

上がるって、どういう意味なの?」

「上がるって、死ぬって意味で、

落ちるとも言うよ。」

「ふぅ~ん。」

「市場の生簀は、水量、水温が、

ちゃんと管理されているし、

魚って、水が変わると、

弱りやすいんだよ。」

「そうなんだぁ~。」

「市場の生簀で、

死んじゃうこともあるけど、

うちの水槽よりは、

安心だからね。

でも、取りに行くまでは、

『もしかすると?』なんて思うよ。」

「そういうことって、ある?」

「無いはずだよ。」

「それなら、その方がいいよね。」

「イエ~ス!」

そして、夕方になり、

水槽から取り出し、

締めたら、神経を抜き、

卸したら、

骨切をし、

鱧料理のマストアイテムの

落とし用に包丁し、

冷蔵庫へ。

その後、お客様がご来店されたら、

落としに仕立て、

このままにしておきます。

冷蔵庫にしまうと、

ゼラチン質が強いこともあり、

皮が煮凝(にこご)りのようになって、

食感が悪くなるからです。

その後、 梅肉醤油(写真 右)と、

土佐醤油(同 左)を添えて、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG4104.jpg

お出ししました。

鱧以外の魚は、目鉢鮪(めばちまぐろ)、

しょうさいふぐ、湯葉です。

活きた鱧は、

仕入れ、仕立て方と、

多くの点で、通常の魚とは異なり、

手間が掛かります。

手を抜くことは

いくらでも出来ますが、

手抜き=味を落とすことです。

命ある素材、

ましてや、鱧の場合、

それこそ活きている鱧を

締める以上、

鱧の命をぞんざいにすることは

出来ません。

“料理を作るのが料理人ではなく、

美味しい料理を作るのが料理人”

ということを教わってきた自分です。

どんな状況であれ、

この言葉を忘れることなく、

日々の仕事に臨み続けます。

とらふぐ、【西京漬】用のサーモン、鱧(はも)で、新しい出刃包丁のデビュー

Vol.3782

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

今朝、沼津魚市場で仕入れたのは、

天然のとらふぐ(福島産)をはじめ、

【西京漬】用のサーモン(ノルウェー産)、

鱧(山口産)などでした。

仕込みを始めようとすると、

熱血君がやって来て、

「おはようございます、親方」

「おはよう。」

「包丁が化粧箱に入っているけど、

どうして?」

「昨日買って来た出刃包丁だよ。」

「へぇ~、いつデビューするの?」

「これからだよ。」

「最初に卸すっていうか、

使う魚が気になるんだけど・・・。」

「予想はつくでしょ?(笑)」

「まぁ~ね。」

「とりあえず、

包丁のことを話すね。」

「はぁ~い。」

買い求めた包丁屋は、

沼津市にある【正秀刃物店】で、

これまでにも、

牛刀(ぎゅうとう)、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-P8210029-1.jpg

ペティナイフなどを買っています。

10日ほど前に、

「親父さんのお店で扱ってる

合出刃(あいでば)って、

どんな感じですか?」と訊くと、

「 うちは合出刃を扱っていないから、

他で買ってもらってもいいよ。 」

「!?、・・・・・。」

ちなみに、出刃包丁には、

大きく分けて、本出刃(ほんでば)と

合出刃があり、自分は合出刃を使っています。

特別な違いはなく、

合出刃を使っているのは、

使い勝手に過ぎません。

普通なら、

「問屋とかに訊いてみるから、

待っていて下さい。」とか、

「何とかしてみるよ。」という返答なのですが、

なかなかの職人気質ですので、

そういう答えもありなのは、

こちらの親父さんなのです。

むしろ、これぐらいの方が

自分としても、妙に納得してしまうのは、

同じ穴の貉(むじな)だからかもしれません。

とは言え、今の出刃包丁では、

不都合を感じており、

どうにかしたかったので、

昨日出向いたのです。

店内に入ると、

出刃包丁を出してくれ、

サイズ、鋼(はがね)の材質などを訊きながら、

手に取ると、

この包丁が気に入り、

「これで、お願いします。」

「はいよ。刃はどうします?」

「付けて下さい。」

刃を付けるとは、

すぐに使えるように、

砥いでおくことです。

そして、昨日の今日ですが、

早速デビューすることになり、

いの一番に使ったのは、

先程の熱血君の予想通り、

とらふぐで、

とらふぐを締めることに使いました。

締めたら、

血抜きをしておき、

まな板の下で、お留守番。

その間に、サーモンの下処理をし、

頭を落とす時にも使い、

水洗いをしておき、冷蔵庫へ。

その間に、

とらふぐ、

鱧、

サーモンを卸し、

切身にしたら、

夕方までには、

有機JAS認証済の西京味噌をベースにした

お手製の西京味噌と共に、

【西京漬】に仕込み、冷蔵庫へ。

自分が手直しをしたとらふぐは、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんが

拭き上げてくれました。

また、魚以外の仕込みが

多かった今日は、

ほぼ休憩無しで仕込みをし、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG4034.jpg

終わったのは、5時過ぎでした。

そして、一日の営業が終わったら、

最後は、包丁砥ぎ。

また、新しい出刃包丁に慣れるまでは、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG4036.jpg

これまでの出刃包丁とのトロイカ体制で、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG4037.jpg

並べると、その違いは一目瞭然です。

旧タイプの出刃包丁にも、

遡ること11年前は、

kimari.jpg

新人で、

その出刃包丁を買い求めた時の様子は、

こちらをお読み下さい。

元々の厚さは違うものの、

先程の写真のように、

刻印が見えないほどになり、

歴史を感じずにいられません。

どちらの柄も、

八角形ですが、

新出刃を見ると、

角張っています。

すり減り、丸みを帯びた

旧出刃を見ると、

自分自身の性格も丸みを

帯びるようになったと感じる

今日この頃で、

時間の経過を感じずにいられません!?(笑)

旧出刃もこれまで同様、

使うのですが、

そんなトロイカ体制もすぐに終わって、

新出刃に代替わりし、

時は経っていくのでしょう。

試験操業の天然とらふぐ(三重県安乗産)と鱧(山口県&大分県産)

Vol.3781

『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信が、

生涯、一料理人を貫くためが想いを、

今日も認めます。

今朝、

沼津魚市場に行くと、

自分宛のとらふぐ(天然)が届いていました。

中を確認すると、

7本全て、スイスイ。

となれば、萌え燃え・・・ 💖

お腹の中の餌を吐き出し、

汚れていた海水を捨て、

新しい海水を足し、

きれいさっぱり。

タイトルにもあるように、

このとらふぐは、

試験操業で水揚げされたもので、

試験操業とは、解禁前、

魚の生育状況などを確認するために、

行うものです。

ちなみに、三重県、愛知県、静岡県の

東海三県のとらふぐ(天然)漁のシーズンは、

10月1日から2月末となっています。

また、今回の試験操業による

水揚げ、入札の様子については、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-5.png

荷主の魚屋さんの投稿をご覧ください。

その後、

山口県と大分県産の鱧(はも)を仕入れ、

時間を確認すると、

5時過ぎで、

普段なら、着く時間ですが、

このまま帰ることにしました。

ちなみに、今朝着いたのは、

4時半前で、このような状況なのは、

急遽、お休みさせて

頂くことにしたからです。

そのため、【佳肴 季凛】に戻ったのは、

6時前で、

とらふぐを取り出し、

締めたら、

海水に

つけたのち、

卸し始めました。

その頃、女将兼愛妻(!?)の真由美さんは、

鱧のぬめりを取ってくれ、

取り終えたら、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: sRIMG3966.jpg

水洗いを、

普段なら、卸し終えた時点で、

自分が手直しをするのですが、

とりあえず、

鱧を卸した時点で、タイムアップ間近。

その頃までに、

水洗いの第一ステージを終え、

掃除を始め、

とらふぐを冷蔵庫にしまい、

すべき仕込みが終わり、一時撤収。

用事済ませ、午後に戻ったら、

水洗いの手直しをし、

拭き上げたとらふぐを冷蔵庫へ。

明日も、とらふぐ(天然)が入荷するので、

カウンター周りを養生すると、

ミニふぐがやって来て、

「親方、お疲れ様♬」

「お疲れ~。」

「せわしなかったから、

声を掛けられなかったよ。」

「特に、朝がバタバタで・・・。」

「ところで、このチラシ、

親方の母校の明治大学のだよ。」

「そうだね。」

「大学を卒業していたのは、

知っていたけど、どうして、

料理の道に転がったの?」

「料理が好きになっちゃったからだよ。

かなり前に、書いたけど・・・。」

「そうなの?」

「おっ、あったあった。

s-P6135175

このブログだよ。

「おぉ、あとで読んでみるね。」

「大まかだけど、読んでみてよ。」

「はぁ~い♬」

ところで、試験操業の結果、

今日のような1キロ下のとらふぐが

多かったこともあり、

今シーズンの予想は

まずまずのような気配とのことです。

また、昨シーズンは、

とらふぐ漁に影響するほど、

外道(げどう)のさばふぐが多かったため、

いまいちでした。

ちなみに、外道とは、

本命の魚以外に釣れた魚のことを言います。

このところ、沼津や由比などで、

さばふぐの水揚げが少ないので、

昨シーズンのようなことはなさそうです。

ただ、自然相手にして、

海の中や天気は、不明ゆえ、

実際のところは、

それこそ予定は未定ですが、

豊漁とまではいかなくても、

不漁で気を揉むようなことだけは、

あって欲しくありません。

約30本のとらふぐ(天然)のひれ 

Vol.3780

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

一昨日の皮引きで、

全てが終わったような

とらふぐ(天然)の仕込みでしたが、

最後に残っていたのが、

ひれを干すことです。

干したひれは、

こんがり炙ってから、

3、4枚程度、器に入れたら、

熱々の日本酒を注ぎ、

蓋をし、

ひれ酒として、

お出しするのが、一般的です。

また、当店では、

ひれ酒に使うだけでなく、

天然のとらふぐの味を、

さらに引き立たせるため、

佳肴季凛 自家製『ぽん酢』

お手製の【ぽん酢】にも、使っています。

ざるに上げたひれは、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんが、

表だけでなく、

裏にも、

貼り付けてくれました。

これを見たふぐネット達が、

「沢山あるね。」

「1本に5枚のひれがあって、

それを半分にするから、

1本で10枚取れて、

約30本だから、

300枚近いね。」

「ひゃ~!

ってことは、ひれ酒100杯!」

「いやいや、つぎ酒を入れるから、

200杯飲める計算になるね。」

「聞いているだけで、

酔っぱらっちゃいそう。」

「そうだね。」

「こうやって、ひれを見ると、

ひれには見えないね。」

「自分はひれとしか思えないけど、

店の前を通った小学生に、

『ちょうちょ 🦋 ?』

って訊かれたことがあるよ。」

「見える、見える!」

「僕たちのひれも、そうなのかな~。」

「っていうか、

もともと貼り付いているから、

どうなのよ?」

「あっ、そうか。(笑)」

ひれを貼り付けたことで、

約30本のとらふぐの仕込みが、

完全に終わりました。

明日は、三重県安乗(あのり)産の

とらふぐが入荷するので、

とらふぐの仕込みが、

再スタートします。

薬無し&自力で、血圧を下げる大作戦 ②(運動編)

『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信が、

生涯、一料理人を貫くためが想いを、

今日( Vol.3779)も認めます。

先日お話ししたように、

血圧が高いことが分かって以来、

毎日ではありませんが、

朝起きた時のルーチンが

血圧の測定です。

今朝測ると、

上が116、下が75で、

脈拍が53。

これを見た熱血君が、

「おはよう、親方。

この数値なら、

たいへんよくできましの面白ネタ・写真(画像)の人気まとめ【タグ】 - ボケて(bokete)

じゃなくて、

たいへんよくできましたのイラスト | 無料イラスト素材|素材ラボ

だね♬失礼しました。(笑)」

「全く~。(笑)まぁ、おはよう。」

「えへへ、この間のブログには、

具体的な作戦が書いてなかったけど、

実際には、どうやったの?」

「それが、今日のお話しだよ。」

「 (≧▽≦) ワーイ♪ 」

高血圧に限らず、

生活習慣病の対策の一つが、

運動で、

その中でも、

一番手っ取り早いのが、

ウォーキング(散歩)と言われています。

ただ、自分の場合、

散歩する時間を作るのが、

非常に難しいのです。

というのも、

店舗兼住宅の【佳肴 季凛】ゆえ、

すべき仕事が目に入り、

仕事を優先するように

ならざるを得ないからです。

思案すると、

アイデアのひらめきを科学する – michinaru株式会社(ミチナル)|変化を起こす挑戦者を創る

豆電球が点灯。

週に何度か通う沼津魚市場は、

かなり広いというか、

長いので、

歩くには、もってこいの場所です。

すべき仕入れを済ませたら、

散歩出来るので、

その作戦に決定。

このブログにも

時々出て来る建物の長さは、

推定200メートル。

別棟の建物も、

ほぼ同じ。

さらに、外港(がいこう)と呼ばれる場所は、

大型船も着くだけあって、長~く、

屋根付きですので、

雨が降っても、心配いりません。

外港を往復すれば、

1キロ近いはずで、

近郊の問屋へも

歩いていけば、

2キロ近く

歩くことも可能です。

ただ歩くだけではなく、

仕入れをしながらですので、

一石二鳥。

薬に頼ることなく、

自力で血圧を下げるため、

様々な策を講じ、

現在完了進行形です。

高血圧の天敵とも言うべき

食生活、食べ物については、

改めてお話しさせて頂くので、

お付き合い下さいませ。

早出の休日出勤をして、ふぐの皮引き

Vol.3778

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

定休日でしたが、今朝は、

4時半過ぎから、仕事を始め、

早出の休日出勤でした。

すべき仕事は、

とらふぐの仕込みのうち、

ボスキャラとも言うべき

皮の棘(とげ)取りです。

卸した後の水洗いや、

皮の粘膜の掃除は、

女将兼愛妻(!?)の真由美さんのお陰で、

すんなり熟(こな)せるのですが、

棘取りは、包丁仕事ゆえ、

自分単独で、

ボスキャラと呼んでいるように、

かなり手強く、必ずクリアをするものの、

途中で心が折れることは、

何度も経験しており、

沢山の棘取りをする前には、

それなりの覚悟が欠かせません。

さらに、卸す直前は、

萌え燃え・・・ 💖 でも、

棘取りをしている最中は、

萎え萎え・・・ 😨 になることも・・・。

冷蔵庫から取り出した皮は、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG3821.jpg

木曜日の13本と、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG3712.jpg

水曜日の1本で、

全て、福島県産の天然もので、

ホームグランドの沼津魚市場で、

仕入れたものです。

皮には、腹側の白い部分(写真 左)と、

背の黒い部分(同 右)があります。

白い方は、棘が多いだけでなく、

棘を取るにつれて、

皮が広がっていくので、

背に比べ、倍くらいの時間と手間を要し、

包丁の角度がずれると、

穴が開いてしまうこともあり、

これは減点の対象です。(苦笑)

なお、棘取りについては、

こちらをご覧下さい。

また、白い方が広がっていくのは、

空気を吸って、膨らむお腹の部分だからです。

普段なら、茶々を入れて来るミニふぐ達も、

時間が時間だけに、ZZZ・・・ 😪

今日のように、数が多い時は、

白から始めていくことが殆どで、

手間が掛かることは、

先に済ませた方が気楽だからですが、

皆さんはいかがですか?

白が終わり、

黒にシフトしたら、

6割以上、クリア。

となれば、鼻歌交じりで、

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: s-RIMG3831.jpg

ミッション・コンプリート!

その後、真空パックしたら、

冷凍庫へしまっておきました。

皮は湯引きしたのち、

包丁してから、

ふぐ刺のあしらいとして、

お出しするのですが、

湯引きの方法については、

こちらをお読み下さい。

棘取りを終えた皮は、

無毒とはいえ、

それこそ、煮ても焼いても、

食べられず、

ゴミ箱行きです。

ゴミ箱と言えば、棘取りは、

無人の境地の単独仕事ゆえ、

途中で捨てたくなることも多々あります。

しかしながら、それだけは、未体験で、

いかなる理由があっても、

食材を粗末にすることは出来ません。

お金を使って、

仕入れたものである以上に、

自分の料理のために、

命を提供してくれた食材を

無駄にすることは、罪です。

ですので、基本的に、

どんな食材でも、

自分は二次利用し、時には、

三次利用することも珍しくありません。

その考えの基本になっているのが、

自分の場合、

マクロビオティックで、

自分のマクロビオティックの考えについては、

こちらをお読みください。

そうこうすると、

鶏飯が

炊き上がり、

娘達のお弁当にも、入れました。

ちなみに、娘達のお弁当は、

真由美さんが作っています。

鶏飯のにおいに誘われたのか、

ミニふぐ達がやって来て、

「おはよう、親方。」

「おはよう。

やっと起きたね。」

「『やっと』って、

親方が早いんじゃね。それよりも、

娘ちゃん達のお弁当、

うまそ~♬

真空パックしてあるけど、

これは?」

「これは、山梨のおばあさん用だよ。」

「山梨のおばあさんって?」

「自分の母親の母。

だから、おばあさん。」

「1パックの量が、少ないよ。」

「一人だからね。」

「おばあさんが、一人暮らし!?」

「そうだよ。」

「ということは、何歳?」

「97歳。」

「四捨五入すれば、

100歳じゃん。凄っ!」

「そうだよ。足腰弱くなったけど、

まだ普通には、生活出来るよ。」

「びっくり!あと、

これは?」

「今日は休みだから、

おかずも一緒に持ちながら、

真由美さんと行って来るんだよ。

一緒にどう?」

「行きたいけど、

海にいた頃の鯛(たい)ちゃんや、

平目(ひらめ)ちゃん達と

遊ぶ約束しているから、今日はパス。

今度、連れてってね。」

「はいよ~。」

97歳の祖母は、5年ほど前までは、

叔父と一緒に暮らしていたこともあり、

今日のように、行くことは少なく、

何年に一回かで、

それこそ、オリンピック状態。

5年前に、叔父が急逝してから、

行く機会が増え、その度に、

おかず持参です。

母も週に一度は出向き、

その時に、おかずなどを持って

行ってもらうこともあります。

叔父が亡くなったことで、

母も行くようになり、

もしかすると、叔父が

遺してくれたものかもしれません。

ただ行くだけでなく、

おかずを持参し、

一緒に食事が出来るのも、

自分が料理人であるからで、

時には、祖母が食べたいものを

作ることが出来るのも、

料理あってのことで、

自らの生業に感謝、感謝。

祖母の年齢を思うと、

いつまで出来るか分かりませんが、

大台クリアという華を、

自分の料理で添えられるよう、

元気でいて欲しいものです。

小鍋が国産牛のしゃぶしゃぶの昼の会席料理 

『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信が、

生涯、一料理人を貫くためが想いを、

今日( Vol.3777)も認めます。

今日のお昼の御席は、

お子様も同席され、

お子様には、

フライ定食を御用意しました。

フライの内容は、チキンカツ、

海老フライ、ハムカツの四種類です。

すると、熱血君がやって来て、

「ノーマルのお子様ランチとは、

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違うね?」

「そうだよ。

中学生と聞いたので、

こんな風にしたんだよ。」

「こういうのも、いいよね。」

「年齢によって、色々変えたり、

好みを聞いて、

作っているよ。」

「カスタマイズ化されているなんて、

いいじゃん、いいじゃん!」

「今日の本題は、

お子様料理じゃないから、

お子様料理のことは、

ここをクリック読んでくれる?

お客さんも揃ったから、

下がっていてね。」

「はぁ~い。」

乾杯を終えたら、

先付のもろこし豆腐、

海老の彩り揚げを、お出ししました。

殆どの場合、

小鍋をセットしてあるのですが、

今日の小鍋は、

国産牛のしゃぶしゃぶですので、

小鍋に、

熱々の出汁を貼ってから、御席にセットし、

小鍋には、玉ねぎ、しめじ、

人参、くずきり、豆腐が

入っています。

出汁は一番出汁に、

日本酒と塩で味を調えたもので、

一番出汁については、

こちらをお読み下さい。

しゃぶしゃぶの薬味は、

ぽん酢、もみじ卸し、葱です。

食事の昆布御飯は、

前もって、配膳しておき、

刺身の醤油と共に、

お新香をお出ししました。

刺身は、

右から、

目鉢鮪(めばちまぐろ)、

しょうさいふぐ、

湯葉で、

目鉢鮪には、

葱を巻いてあります。

その後、

鯖の西京焼、

鰯つみれ錦糸蒸しをお出し、ひと段落。

最後のデザートは、

梅のアイスでした。

一連の流れを見ていた熱血君が、

「親方、何となく、

ランチメニューの“凛”に

似ているような気がするけど・・・。」

「鋭い!食後の飲物は付かないけど、

品数を変えずに、

アレンジしたものだよ。」

「こういうのも、

出来るの?」

「さっきのお子様料理の話じゃないけど、

色々と出来るよ。」

「へぇ~。」

これまで何度もお話ししているように、

料理に関するご要望などについては、

可能な限り、

対応させて頂いておりますので、

お気軽にお問い合わせ下さい。

食遊市場の後に、沼津魚市場で鱧(はも)

Vol.3776

“身体に優しい、美味しい日本料理”を、

信条とする『佳肴 季凛』店主兼

熱血料理人の志村弘信です。

休市日の今日は、

沼津魚市場に行く前に、

食遊市場に立寄りました。

6時開店が基本なので、

営業前の店もあるのですが、

八百屋などで、

色々と仕入れました。

普段、食遊市場に寄るのは、

魚市場の後であるだけでなく、

土曜日に来ることは、

かなりのレアケースです。

車で15分足らずの魚市場に着くと、

案の定、案の定

ガラ~ン。

活魚売場の生簀から、

山口県産の鱧(はも)を取り出したら、

ブクブクをセットした発泡スチロールに入れ、

車に積み、

仕入れ終了。

黄色のスチロールには、

様々な買物に備え、

凍らせたペットボトルが入っています。

【佳肴 季凛】に戻ると、熱血君がやって来て、

「おはようございます。今日の鱧は、活きているね。」

「おはよう。そうだよ。」

今日の鱧と、

熱血君が言ったのは、

4本の鱧を昨日仕入れたからで、

その鱧については、こちらを。

「親方、活きているけど、

水槽には入れないの?」

「この鱧は、“昼鱧”の予約に使うから、

このままにしておくよ。」

「そうなんだぁ~。」

昼鱧とは、読んで字の如く、

昼間の鱧料理のコースのことで、

鱧御膳

鱧料理のコースについては、こちらを御覧下さい。

予約時間が近づいたので、

鱧を取り出しました。

締める時に、目を隠しながら、

心臓の付近を掴むと、

動きが止まります。

それ以外の場所を掴むと、

腕に巻き付かれるだけならまだしも、

噛み付かれ、

最悪の場合、

病院行きとなるので、締める時は、

かなり注意が必要です。

締めたら、

頭の付根の切口から、

脊髄に針金を通し、

卸す時に動かないようにするため、

神経を抜きます。

ぬめりを取り、はらわたを抜き、

卸したら、骨切りをし、

鱧料理の定番の

落とし用に包丁しておき、冷蔵庫へ。

お客様が見えたら、

落としに仕立てて、

目鉢鮪(めばちまぐろ)、しょうさいふぐ、

湯葉と共に盛付け、お出ししました。

活きた鱧を使わないと、

花が咲いたようにならないからです。

死んだ鱧で仕立てても、

見た目こそ、それらしくはなるものの、

活締めでも時間が経ったものだと、

パサパサして、美味しくないので、

落としにする時は、

活かしのもので仕立てるしかありません。

なので、休市日でも、1本の鱧のために、

仕入れに行って来るのです。

鱧に限らず、

自分が納得した食材で、

料理を仕立て、

お客様から報酬を頂き、

新たに食材を調達し、

それを繰り返す。

そこに、料理人としての最大の喜びがあり、

それを感じて頂ければ、

料理人冥利に尽きること、

この上ありません。

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